2022/03/17(木) - 08:56
1876年に初開催されたワンデーレース、ミラノ〜トリノ(1.Pro)。ミラノ〜サンレモを見据えるスプリンターによる戦いを、完璧なリードアウトを得たマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)が制した。
ミラノ〜サンレモを3日後に控える3月17日、ミラノ近郊のマジェンタからトリノのリヴォリを目指す第103回ミラノ〜トリノ(1.Pro)が開催された。1876年初開催のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュよりも古い歴史を持ち、例年ジロ・デル・ピエモンテとイル・ロンバルディアとともに『トリッティコ・ディ・アウトゥンノ(秋の3連戦)』を構成してきたが、昨年から2007年大会までと同じ春開催に戻ってきた。
昨年はプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が勝利したように「スペルガ峠(距離4.9km/平均勾配9.1%/最大勾配14%)」を駆け上がってフィニッシュしていたが、今年はミラノ〜サンレモを見据え平坦基調のスプリンターレースに様変わり。199kmレースの最後は、大方の予想通りスプリンターたちによる争いで決着した。
スタートラインに並んだのは、ミラノ〜サンレモの予行練習の場として選んだ14つのワールドチームと6つのプロチーム。カヴェンディッシュを筆頭に、ペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)やアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)、ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)などといった豪華スプリンター陣が集結した。
雲が空を覆うマジェンタの街で逃げグループを形成したのは、これがイタリアのプロレースデビューとなるマルタン・マルチェルージ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)とダニエル・ビエガス(ポルトガル、エオーロ・コメタ)、ディディエル・メルチャン(コロンビア、ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)という3名。全員が25歳以下という若い逃げグループは、メイン集団から最大4分半のリードをつけながら西のトリノを目指し巡航した。
補給地点でゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が落車するトラブルがありながらも、エーススプリンターを擁する7チームほどが牽引したメイン集団は、思惑に違わず残り20km地点で逃げを吸収した。するとひと塊となったプロトンから、メンバーにスプリンターのいないEFエデュケーション・イージーポストのアルベルト・ベッティオル(イタリア)とベン・ヒーリー(アイルランド)が飛び出した。
これを集団先頭で追ったのは、昨年12月にトレーニング中の落車で腰椎骨折を負い、復帰後初レースとなったレミ・カヴァニャ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)。スピードの上がったメイン集団がヒーリーを残り4kmで飲み込むと、トタルエネルジーを先頭にフラムルージュ(残り1km)を通過。そのままスプリンターたちによる高速バドルなだれ込んだ。
ナセル・ブアニ(フランス)を擁するアルケアトレインが残り400mから始まる最終ストレートで先頭に立つ。しかし、発射のタイミングが早すぎると悟ったブアニはすぐさまリードアウトの名手ミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)の背後へ。それを振り払うように残り150mからカヴェンディッシュが発進した。
先行するカヴェンディッシュの圧倒的なスピードに、クリストフやブアニも届かない。カヴェンディッシュが誰も寄せ付けることなくプロ通算160勝まであと1勝に迫る159勝目を挙げた。
「初出場で初勝利だ。本当に嬉しいよ。モルコフと共にトップレベルに戻ってくることができた。チャンスが1度しかないワンデーレースにふさわしく、チームが僕を勝利の方向へと導いてくれた。ここ数年ヤコブセンに勝利を届けた強いチームが、今日は僕のために仕事をしくれたんだ」。ラスト16秒を平均スピード62.5km/h、最高時速65km/h(最高出力1200W)で駆け抜けたカヴェンディッシュはそう勝利を喜んだ。
体調不良で力を発揮できなかったティレーノ~アドリアティコを乗り越え、今季3勝目を掴み復調をアピールしたカヴェンディッシュ。しかしミラノ〜サンレモにはファビオ・ヤコブセン(オランダ)が出場を予定しており、また同じくメンバー入りしていたジュリアン・アラフィリップ(フランス)が体調不良で欠場する旨を発表。そのため俄然出場に注目が集まるカヴェンディッシュは「僕に誰もミラノ〜サンレモの話をしないんだ。僕自身も(出場するかは)わからない。過去に勝っているレースだから走りたいのは山々なんだけど…」とインタビューに答えている。
ミラノ〜サンレモを3日後に控える3月17日、ミラノ近郊のマジェンタからトリノのリヴォリを目指す第103回ミラノ〜トリノ(1.Pro)が開催された。1876年初開催のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュよりも古い歴史を持ち、例年ジロ・デル・ピエモンテとイル・ロンバルディアとともに『トリッティコ・ディ・アウトゥンノ(秋の3連戦)』を構成してきたが、昨年から2007年大会までと同じ春開催に戻ってきた。
昨年はプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が勝利したように「スペルガ峠(距離4.9km/平均勾配9.1%/最大勾配14%)」を駆け上がってフィニッシュしていたが、今年はミラノ〜サンレモを見据え平坦基調のスプリンターレースに様変わり。199kmレースの最後は、大方の予想通りスプリンターたちによる争いで決着した。
スタートラインに並んだのは、ミラノ〜サンレモの予行練習の場として選んだ14つのワールドチームと6つのプロチーム。カヴェンディッシュを筆頭に、ペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)やアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)、ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)などといった豪華スプリンター陣が集結した。
雲が空を覆うマジェンタの街で逃げグループを形成したのは、これがイタリアのプロレースデビューとなるマルタン・マルチェルージ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)とダニエル・ビエガス(ポルトガル、エオーロ・コメタ)、ディディエル・メルチャン(コロンビア、ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)という3名。全員が25歳以下という若い逃げグループは、メイン集団から最大4分半のリードをつけながら西のトリノを目指し巡航した。
補給地点でゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が落車するトラブルがありながらも、エーススプリンターを擁する7チームほどが牽引したメイン集団は、思惑に違わず残り20km地点で逃げを吸収した。するとひと塊となったプロトンから、メンバーにスプリンターのいないEFエデュケーション・イージーポストのアルベルト・ベッティオル(イタリア)とベン・ヒーリー(アイルランド)が飛び出した。
これを集団先頭で追ったのは、昨年12月にトレーニング中の落車で腰椎骨折を負い、復帰後初レースとなったレミ・カヴァニャ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)。スピードの上がったメイン集団がヒーリーを残り4kmで飲み込むと、トタルエネルジーを先頭にフラムルージュ(残り1km)を通過。そのままスプリンターたちによる高速バドルなだれ込んだ。
ナセル・ブアニ(フランス)を擁するアルケアトレインが残り400mから始まる最終ストレートで先頭に立つ。しかし、発射のタイミングが早すぎると悟ったブアニはすぐさまリードアウトの名手ミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)の背後へ。それを振り払うように残り150mからカヴェンディッシュが発進した。
先行するカヴェンディッシュの圧倒的なスピードに、クリストフやブアニも届かない。カヴェンディッシュが誰も寄せ付けることなくプロ通算160勝まであと1勝に迫る159勝目を挙げた。
「初出場で初勝利だ。本当に嬉しいよ。モルコフと共にトップレベルに戻ってくることができた。チャンスが1度しかないワンデーレースにふさわしく、チームが僕を勝利の方向へと導いてくれた。ここ数年ヤコブセンに勝利を届けた強いチームが、今日は僕のために仕事をしくれたんだ」。ラスト16秒を平均スピード62.5km/h、最高時速65km/h(最高出力1200W)で駆け抜けたカヴェンディッシュはそう勝利を喜んだ。
体調不良で力を発揮できなかったティレーノ~アドリアティコを乗り越え、今季3勝目を掴み復調をアピールしたカヴェンディッシュ。しかしミラノ〜サンレモにはファビオ・ヤコブセン(オランダ)が出場を予定しており、また同じくメンバー入りしていたジュリアン・アラフィリップ(フランス)が体調不良で欠場する旨を発表。そのため俄然出場に注目が集まるカヴェンディッシュは「僕に誰もミラノ〜サンレモの話をしないんだ。僕自身も(出場するかは)わからない。過去に勝っているレースだから走りたいのは山々なんだけど…」とインタビューに答えている。
ミラノ〜トリノ2022結果
1位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル) | 4:31:22 |
2位 | ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック) | |
3位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
4位 | マックス・カンター(ドイツ、モビスター) | |
5位 | ペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) | |
6位 | アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン) | |
7位 | ミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
8位 | ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
9位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、コフィディス) | |
10位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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