スウェーデンのサスペンションブランド、オーリンズから新モデル"RXF38 m.2 "が登場。デュアルクラウンのDH38フォークとトレイルモデルのRXF36 m.2の長所を掛け合わせたエンデューロフォークとなっている。



オーリンズ RXF38 m.2オーリンズ RXF38 m.2
モータースポーツの世界では並ぶもののないトップサスペンションブランド、オーリンズ。1976年にモトクロスのサスペンションチューニングから始まった同社は、40年以上にわたってトップレベルのモータースポーツの世界と共にあり続けてきた。

ここ数年でオーリンズはMTBにも参入し、スペシャライズド・グラヴィティチームとのパートナーシップのもと、ハイエンドなMTB向けサスペンションの開発を続けてきた。

現在、オーリンズのサスペンションフォークラインアップは、トレイル/エンデューロ向けのRXFシリーズと、ダウンヒル向けのDHシリーズに分けられる。今回発表されたRXF38 m.2は、同社のダウンヒルモデルと同じ太さの38mm径のインナーチューブを採用したシングルクラウンのエンデューロフォークとなる。

38mm径のインナーチューブを採用する38mm径のインナーチューブを採用する
オーリンズは、昨今熱い注目を浴びるこのカテゴリーへ、RXF36とDH38のパーツを組み合わせたOEMモデルの"RXF38 m.1"を昨年の8月にリリースしていたが、今回のRXF38 m.2では全てのパーツをゼロから開発し、理想的な性能を実現した。

オーリンズがこのモデルで目指したのが、デュアルクラウンモデルに匹敵するパフォーマンスを軽量なシングルクラウンフォークで再現すること。そのために、ワールドカップを制したDH38 m.1と同様のシステムが採用されている。

その最たるものが38mm径のインナーチューブ。ブレーキングやコーナーリング、そして大きな衝撃を受けた際に、撓むことなくスムースなストロークを維持するためのフレックスパターンによって、あらゆるライディングと地形におけるコントロール性能を獲得しているという。

ハブシャフトの公差の影響を排除するフローティングアクスルを採用ハブシャフトの公差の影響を排除するフローティングアクスルを採用
一方で、自力で登ることが求められるエンデューロバイクにとって重要なのが重量だ。38mmという大きなインナーチューブを採用しつつ、2,320gと、36mm径のRXF36からわずか200g程度の増加に抑えることに成功している。このために前身となったRXF38 m.1のロワーレッグは完全に再設計され、限界まで減量を行ったという。更に、フォークの歪みを排除するフローティングアクスルを採用することで、ホイールを装着した状態でも理想的な動きを実現している。

フォークの動きを決定づけるダンパーとスプリングはオーリンズが実戦でその性能を証明してきた信頼感のあるもの。オーリンズシグネチャーのTTX18ダンパーはDH38で採用されているものと同じ直径18mmのメインピストンを採用したダンピングシステム。ツインチューブアーキテクチャの名前が示すように、ダンパー内に配置された2本のチューブをオイルが循環することで圧力差の発生を抑え、有害なキャビテーションの発生を抑えられるシステムとなっている。

そして、幅広く細やかな調整機能はオーリンズをオーリンズたらしめているものだ。TTX18ダンパーは15クリックの低速コンプレッションと低速リバウンドダンピングおよび3クリックの高速コンプレッション調整を有しており、コースとライダーのスキルやスタイルに合わせて最適なセッティングを実現する。

エアスプリングのメインチャンバーへのアクセスカバーにはブランドロゴがエアスプリングのメインチャンバーへのアクセスカバーにはブランドロゴが 左クラウンには高速コンプレッション(外側)と低速コンプレッション(内側)のダイヤルが設置される左クラウンには高速コンプレッション(外側)と低速コンプレッション(内側)のダイヤルが設置される

右フォークレッグにはランプチャンバーのバルブが。スプリングカーブを調整可能だ右フォークレッグにはランプチャンバーのバルブが。スプリングカーブを調整可能だ 左ロワーレッグには低速リバウンド調整ダイヤルが。15クリックの幅を有している左ロワーレッグには低速リバウンド調整ダイヤルが。15クリックの幅を有している


そして、オーリンズ独自の3チャンバーエアスプリングがその調整機能を補完する。一般的なエアサスフォークでは、ダンピングの調整で詰め切れないセッティングのためにエアトークンを積むことでスプリングカーブを調整している。

一方、オーリンズはポジティブとネガティブのメインチャンバーに加え、エアシャフト内にランプチャンバーを配置。その中にストロークに合わせて移動するフローティングピストンを組み込んできる。この構造によって、ランプチャンバーの圧力を調整することで、エアボリュームのセッティングを行えるようになっている。

このランプチャンバーによって、サスペンションを分解することなくスプリングカーブのセッティングが可能になる他、従来のトークンを積む方法よりも幅広く、かつ細やかなセッティングが可能となっている。

モータースポーツで輝かしい実績を残すオーリンズモータースポーツで輝かしい実績を残すオーリンズ
ダウンヒルフォークの性能を軽量なシングルクラウンプラットフォームに落とし込んだRXF38 m.2は、160~180mmトラベル、そして44mmと51mmのクラウンオフセットからなる5種類のラインアップが用意されている。最大29×2.6インチタイヤ、220mmのローターにまで対応する。価格は179,960円(税込)。取扱いはダイアテック。



オーリンズ RXF38 m.2
トラベル:160/170/180 mm
適合最大タイヤ・サイズ: 29”x2.6
適合最大DISCローターサイズ: 220mm、推奨: 203mm
重量: 2,320 g
調整機能:15 click rebound / 15 click Low speed comp / 3 click high speed comp
価格:179,960円(税込)
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