第14回目を迎えた女子オンループ・ヘットニュースブラッド。ボスベルグでアタックを成功させたアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)がデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)との一騎打ちを制し、2度目の優勝を掴み取った。



エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
優勝候補の1人に挙げられたベルギー王者のロッタ・コペッキー(SDワークス)優勝候補の1人に挙げられたベルギー王者のロッタ・コペッキー(SDワークス) photo:CorVos前回王者アンナ・ファンデルブレッヘンはSDワークスの監督として帯同前回王者アンナ・ファンデルブレッヘンはSDワークスの監督として帯同 photo:CorVos


男子レースに先立ち、春のクラシックの幕開けを告げる第14回オンループ・ヘットニュースブラッド女子が開催。ワールドツアーの男子とは違いレースカテゴリーこそプロシリーズ(上から2番目)であるものの、ヘントをスタートしてニノーヴェにフィニッシュするコースの終盤勝負どころは共通。屈指のタフコースレイアウトだ。

5つのパヴェ(石畳)と「ミュール・カペルミュール」ら9つのベルク(急坂)を含む128.4kmコースは昨年とほぼ同じ。昨年覇者アンナ・ファンデルブレッヘンは引退したため不在ながら(SDワークスの監督としてレースに帯同)、過去に大会を制しているファンフルーテンやシャンタル・ブラーク(オランダ、SDワークス) など強力なオランダ勢が顔を揃えた。

序盤から飛び出した4名による逃げグループ序盤から飛び出した4名による逃げグループ photo:CorVos
レースは序盤から形成された4名による逃げ集団を、トレック・セガフレードやモビスターが牽引するプロトンが追う展開に。石畳と急坂が連続するレース中盤に突入してペースの上がったメイン集団が逃げを捉えると、今度はリアヌ・リッパート(ドイツ、チームDSM)たち4名が飛び出した。

残り16km地点のミュール・カペルミュール(距離475m/平均勾配9.3%/最大勾配19.8%)をハイペースで駆け上がったファンフルーテンと昨年のリエージュ~バストーニュ~リエージュ覇者デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が抜け出して先頭集団に合流し、遅れてベルギー王者ロッタ・コペッキー(SDワークス)もジョイン。続くボスベルグ(距離980m/平均勾配5.8%/最大勾配11%)でファンフルーテンがアタックすると、またしておフォレリングが唯一反応。2人は一気に後方集団から50秒のリードを奪った。

ファンフルーテンは何度もフォレリングに先頭交代を要求するが、追走集団に2人のチームメイトを控えるフォレリングはそれを拒否。東京五輪TT王者のファンフルーテンは先頭固定のまま13kmをを突き進み、実質1対多勢にも関わらず最後までリードを維持。勝負は2人によるスプリント勝負に持ち込まれた。

残り300mの最終左コーナーで「スプリント力では劣っているという自覚があった」というファンフルーテンが先にスプリントを開始する。一拍遅れて腰を上げたフォレリングが最終ストレートで並ぶが、再加速したファンフルーテンが先頭でフィニッシュに飛び込んだ。

ミュール・カペルミュールを駆け上がるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)ミュール・カペルミュールを駆け上がるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) (C)Movistar Team
デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)との差を広げるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)との差を広げるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) (c)Omloop Het Nieuwsblad
地力を見せ勝利を掴んだアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)地力を見せ勝利を掴んだアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) photo:CorVos
「最終コーナーにカミカゼのようなスピードで入りたかった。スプリント力では劣るが、厳しい展開の後では私の方が速かった。最後に並ばれたものの、そこからもう1段加速することができた。チームに良い流れをもたらすことができたので、次はチームメイトの勝利に期待したい」と、2年振り2度目の優勝と共にプロ88勝目を挙げたファンフルーテンは語った。

一方で優位なレース展開に持ち込みながらも敗れたフォレリングは「ファンフルーテンが今日も強さを見せた。でもまだシーズンは始まったばかり。チームもレース毎に成長しているので、次のレースで勝利を掴みたい」と次戦のストラーデ・ビアンケ(3月5日)でのリベンジを誓った。

春のクラシックに向け幸先の良い勝利を掴んだアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)春のクラシックに向け幸先の良い勝利を掴んだアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) photo:CorVos
オンループ・ヘットニュースブラッド2022 女子レース結果
1位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) 3:25:54
2位 デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)
3位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) 0:25
4位 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)
5位 クララ・コッポニ(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)
6位 エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター)
7位 アンナ・ヘンダーソン(イギリス、ユンボ・ヴィスマ)
8位 マリアジュリア・コンファロニエーリ(イタリア、セラティツィットWNTプロサイクリング)
9位 マルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ)
10位 ユリー・レト(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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