CXシーズンインが待たれるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が記者会見を開き、レース開始の遅れが落車による怪我であることや、既に勝利を上げているワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)について語った。



度重なる怪我でシーズンインが遅れているマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)度重なる怪我でシーズンインが遅れているマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) (c)CorVos
現シクロクロス世界チャンピオンであるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)は今季、12月18日(土)のUCIワールドカップ(ルクフェン)で開幕を迎える予定だったものの、膝の怪我によってシーズンインの遅延が発生。本人によれば友人と森の中を走っていた際、「バカな落車」で負傷してしまったという。

「トレーニングですらなく、予想外の滑りやすい場所で前輪のグリップが抜けて膝から地面に着地してしまったんだ。怪我の状態は悪く、すぐに”これは良くない”と思った」と、今週末にようやく開幕戦(UCIワールドカップ:デンデルモンデ)を迎えるファンデルプールはオンライン記者会見でその時の様子を打ち明けている。

ファンデルプールは深い裂傷を負ったものの、病院で処置を受けたのち4日間の休養を強いられた。その後トレーニングを再開したものの、ペダリングで痛みを感じたためその後5,6日間は再びバイクから離れていた。アルペシン・フェニックスはマヨルカ島でのトレーニングキャンプを実施していたが、それもキャンセルせざるを得ない状況だったという。

もともと5週間で12レースという短期間スケジュールを組んでいたが、この怪我によってさらにレース期間は短縮。ライバルのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)は12月4日のスーパープレスティージュでシーズンインして以降3戦3勝と絶好調を維持しており、ファンデルプールのアルカンシエル防衛には疑問符が浮かび上がっている。

「ワウトと渡り合えるかは自分自身疑問」「ワウトと渡り合えるかは自分自身疑問」 (c)CorVos
「ワウトは本当に良いコンディションだ。普段なら彼の競技レベルとマッチアップできるけれど、この後一緒のレースを走った時に彼とレースができる状態にあるかは自分でもわからない。ただし間違いなく彼の後ろのグループには入れるだろう。彼の仕上がりぶりには驚かされたけれど、自分自身、予想を上回る走りができたら良いと思う」と、今季ロードレースでも勝利を分け合ったライバルについて話している。

12月26日(日)にデンデルモンデ(ベルギー)で行われるUCIシクロクロスワールドカップ第13戦には、ファンデルプールとファンアールトのほか、今季W杯で1勝しているトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)も参戦。世界選手権に向けての力関係がようやく明らかになりそうだ。

text:So Isobe