ピエモンテを舞台にしたセミクラシックレースでマシュー・ウォールズ(イギリス、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利。23歳のオムニアム五輪金メダリストがベテランスプリンターを打倒した。



パリ〜ルーベを制したソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)パリ〜ルーベを制したソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
今年最後の「モニュメント」イル・ロンバルディアを2日後に控えるイタリアで開催されたのが、今年105回目を迎えたワンデーレース「グラン・ピエモンテ(UCI1.Pro)」。登りスプリントから本格的な山岳コースまで多種多様なコースが使われてきた同大会だが、今年主催者RCS Sportは距離168km/獲得標高1400m弱という比較的イージーな丘陵コースを用意した。

主に中盤に山岳区間が用意されているものの、後半区間はなだらかな登り基調。パリ〜ルーベを制したばかりのソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) やジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ)、マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)などスプリント力を兼ね備えるクラシックハンターが各チームのエースナンバーをつけ臨んだ。

澄み渡る青空のロッカ・カナヴェーゼをスタート澄み渡る青空のロッカ・カナヴェーゼをスタート photo:CorVos
逃げグループを牽引するマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ・プレミアテック)逃げグループを牽引するマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ・プレミアテック) photo:CorVos
ピエモンテ州のロッカ・カナヴェーゼからボルゴセジアを目指すレースの序盤にエスケープしたのはマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ・プレミアテック)を含む4名。コフィディスやクベカ・ネクストハッシュ率いるメイン集団は3分のリードを与えて集団コントロールを担い、残り40km地点ではリードを1分差まで縮める。やがて最後まで粘ったボアーロも残り26km地点で引き戻され、予想通り集団スプリントに向けて加速を続けた。

各チームがリードアウトトレインを並べる混沌とした状態の中、残り1km地点の小さなロータリーでは集団が絞り込まれ、その余波を受けたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)が脱落。残り20km地点で落車しながらも勝負を狙うオラフ・コーイ(オランダ)を引き連れたユンボ・ヴィズマ先頭でスプリント勝負へとなだれ込んだ。

バーレーン・ヴィクトリアスがアタックを封じながら集団牽引バーレーン・ヴィクトリアスがアタックを封じながら集団牽引 photo:CorVos
集団スプリントを制したマシュー・ウォールズ(イギリス、ボーラ・ハンスグローエ)集団スプリントを制したマシュー・ウォールズ(イギリス、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
ユンボ・ヴィズマのリードアウトはマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、UAEチームエミレーツ)によって崩され、各スプリンターが横一線に加速する。その中から抜け出し、ニッツォーロを抑えたのはマシュー・ウォールズ(イギリス、ボーラ・ハンスグローエ)だった。

東京オリンピックのオムニアム金メダリストであるウォールズがキャリア2勝目。「最後のロータリーの後全員が良い位置に戻ろうとしていたので危険だったものの、幸い良い選手の後ろについてコーナーを抜けることができた。僕の自信を高め、トラックだけでなくロードでも勝てるということを示す勝利だ」と、2024年までの3年契約と共に今年ボーラ入りを果たした23歳は話している。
グラン・ピエモンテ2021結果
1位 マシュー・ウォールズ(イギリス、ボーラ・ハンスグローエ) 3:34:47
2位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ)
3位 オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
4位 マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)
5位 ビニアム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
6位 ヤコブ・マレツコ(イタリア、ヴィーニザブ)
7位 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
8位 アーヴィッド・デクレイン(オランダ、ラリーサイクリング)
9位 アモリ・カピオ(ベルギー、アルケア・サムシック)
10位 ステファノ・オルダーニ(イタリア、ロット・スーダル)

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