アメリカのプロツアーチーム・レディオシャックが、7月3日に開幕する第97回ツール・ド・フランスの出場メンバーを発表した。チームリーダーはもちろんランス・アームストロング(アメリカ)。クレーデン、ライプハイマー、ホーナー、ブライコヴィッチらが鉄壁なアシスト体制を築く。

ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック) photo:Cor Vos生命を脅かす癌から復帰後、1999年から7年連続ツール・ド・フランス総合優勝に輝いたアームストロングが、チームリーダーとしてツールに戻ってくる。

現役復帰後初の出場となった昨年の大会はアルベルト・コンタドール(スペイン)とリーダーの座をめぐってメディアを巻き込む論争を起こしたが、今年は唯一無比のチームリーダーの座に就く。

直前のツール・ド・スイスで総合2位に入ったランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)直前のツール・ド・スイスで総合2位に入ったランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック) photo:Cor Vosアームストロングは現在38歳。絶頂期の圧倒的な走りは影を潜めているが、それでも世界トップクラスのオールラウンダーであることは間違いない。今年アームストロングはツアー・オブ・カリフォルニアで落車して顔に怪我を負ったが、ツール前のスケジュールに大きな影響を来すこと無く、ツール・ド・ルクセンブルクで総合3位、ツール・ド・スイスで総合2位と順調な仕上がりを見せている。

今回レディオシャックが公式サイトの中で伝えたスタートリストの中には、アームストロングの他にも、ツールの総合表彰台経験者が2人いる。2004年と2006年に総合2位に入ったアンドレアス・クレーデン(ドイツ)と2007年総合3位のリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)だ。昨日35歳の誕生日を迎えたクレーデンと36歳ライプハイマーは、熟練のアシストしてアームストロングの勝利に尽くす。

山岳アシストとしてはクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで元チームメイトのアルベルト・コンタドール(スペイン)を打ち負かして総合優勝に輝いたヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア)とブエルタ・アル・パイスバスコ総合優勝のクリストファー・ホーナー(アメリカ)、そしてセルジオ・パウリーニョ(ポルトガル)の存在が光る。

他にも名物アシストのヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)や序盤のパヴェステージで活躍するであろうグレゴリー・ラスト(スイス)、2007年ロンド・ファン・フラーンデレン8位のデミトリ・ムラフエフ(カザフスタン)らが揃い、様々なコースに対応出来る万能な布陣。チーム力は出場チーム中トップクラスだろう。

なお、今回のメンバーは全員がアスタナからの移籍組であり、昨年のアスタナのツールメンバーとほぼ一緒(コンタドールを除く)。異なるのは、前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで手首を骨折したアイマル・スベルディア(スペイン)が欠けていることだけだ。

レディオシャック ツール出場メンバー
ランス・アームストロング(アメリカ)
アンドレアス・クレーデン(ドイツ)
リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)
クリストファー・ホーナー(アメリカ)
ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア)
セルジオ・パウリーニョ(ポルトガル)
ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)
グレゴリー・ラスト(スイス)
デミトリ・ムラフエフ(カザフスタン)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos