女子オムニアムに出場した梶原悠未(日本)が銀メダルを獲得。男子ケイリンの新田祐大と脇本雄太は決勝戦に進めず、3周回を逃げ切ったジェイソン・ケニー(イギリス)が自身7度目の五輪金メダルを射止めた。



男子ケイリン:3周回逃げ切り!圧倒的な走りでケニーがキャリア7つ目の五輪金

男子ケイリン 圧巻の3周回逃げ切りで勝利したジェイソン・ケニー(イギリス)男子ケイリン 圧巻の3周回逃げ切りで勝利したジェイソン・ケニー(イギリス) photo:CorVos
男子ケイリンの準々決勝に駒を進めていた新田祐大と脇本雄太。1組でジェイソン・ケニー(イギリス)やハリー・ラブレイセン(オランダ)と激突した新田は6位敗退し、脇本は3組でアジズルハスニ・アワン(マレーシア)やマシュー・グレイツァー(オーストラリア)を相手に1着を取ったものの、続く準決勝では他選手との接触もあり6位。ここで日本勢によるケイリン種目メダル獲得の夢は潰えた。

日本勢不在の決勝戦に進んだのはケニーやラブレイセン、グレイツァーといった面々。ペーサーの後ろにつけたケニーは、2番手グレイツァーが距離を開けた隙を突いて一気に加速。牽制状態に陥る他選手を置き去りにリードを稼ぎ、残り3周回を全て逃げ切るという圧巻の走りで金メダルを獲得した。

男子ケイリン 銀アワン、金ケニー、銅ラブレイセン男子ケイリン 銀アワン、金ケニー、銅ラブレイセン photo:CorVos
2016年リオ五輪で金メダルを獲得した後に現役を退いたものの、再び第一線に戻り、金メダルを射止めたケニー。キャリアを通じての金メダル獲得数を7に伸ばすと共に、イギリスに4年連続となる五輪ケイリン種目金メダル(北京・ロンドン:クリス・ホイ、リオ・東京:ケニー)をもたらした。なお妻のローラ・ケニー(イギリス)と合わせて夫婦で獲得した五輪金メダルは驚きの12個目だ。



女子オムニアム:ヴァレンテが金、梶原悠未は銀メダル獲得

合計4レースの総合ポイントで争われる女子オムニアムには、世界チャンピオンである梶原悠未(日本)が優勝候補筆頭として参戦。梶原は最終盤に大落車が発生(激しく落車したロッテ・コペッキーがリタイア)した第1レースのスクラッチで2位、続くテンポレースでは5位に入り総合3位につけた。

女子オムニアム 順調な滑り出しを見せた梶原(左から2番目)だが、後半に失速女子オムニアム 順調な滑り出しを見せた梶原(左から2番目)だが、後半に失速 photo:CorVos女子オムニアム 第1レースのスクラッチで大きな落車が発生女子オムニアム 第1レースのスクラッチで大きな落車が発生 photo:CorVos

女子オムニアム スクラッチ1位のジェニファー・ヴァレンテ(アメリカ)が総合優勝女子オムニアム スクラッチ1位のジェニファー・ヴァレンテ(アメリカ)が総合優勝 photo:CorVos
最後尾が脱落していくエリミネーションでは危なげない走りで二人まで生き残り、最後はクララ・コポニ(フランス)の先行を許して2着。首位ジェニファー・ヴァレンテ(アメリカ)と2ポイント差の総合2位で最終ポイントレースを迎えることとなる。

80周(20km)を走り、10周ごとにポイント争いが行われる同種目では、首位ヴァレンテが序盤から攻めのレースでポイントを加算した。逃げグループに入れず加算できない梶原を尻目に得点を伸ばし、一方の銅メダル争いでは4位キルステン・ウィルト(ドイツ)がアマリー・ディデリクセン(デンマーク)を逆転。最終的にヴァレンテが124ポイント、梶原が110ポイント、ウィルトが108ポイントでメダルが確定した。

女子オムニアム表彰台 銀梶原悠未、金ヴァレンテ、銅ウィルト女子オムニアム表彰台 銀梶原悠未、金ヴァレンテ、銅ウィルト photo:CorVos
期待されていた金メダルは逃したものの、日本女子トラック競技での五輪メダル獲得は今回が初めて。自転車競技全体としては永井清史による2008年の北京オリンピック男子ケイリン3位銅以来となるメダルとなった。



女子スプリント:ケルシー・ミッチェル(カナダ)が勝利

また、女子スプリントではオレナ・スタリコワ(ウクライナ)との決勝戦でケルシー・ミッチェル(カナダ)が2本ストレート勝ちで金メダルを獲得。3-4位決定戦でエマ・ヒンツェ(ドイツ)を下したリー・ワイジー(香港)が銅メダルを獲得した。

女子スプリント 決勝戦で勝利したケルシー・ミッチェル(カナダ)女子スプリント 決勝戦で勝利したケルシー・ミッチェル(カナダ) photo:CorVos
女子オムニアム結果
1位 ジェニファー・ヴァレンテ(アメリカ) 124pts
2位 梶原悠未(日本) 110pts
3位 キルステン・ウィルト(ドイツ) 108pts
4位 アマリー・ディデリクセン(デンマーク) 103pts
5位 アニータイボンネ・ステンベル(ノルウェー) 97pts
6位 ローラ・ケニー(イギリス) 96pts
7位 マリア・マルティンス(ポルトガル) 95pts
8位 クララ・コポニ(フランス) 85pts
9位 アリソン・ビバリッジ(カナダ) 78pts
10位 ホリー・エドモンドストン(ニュージーランド) 67pts
男子ケイリン結果
1-6位決定戦
1位 ジェイソン・ケニー(イギリス)
2位 アジズルハスニ・アワン(マレーシア)
3位 ハリー・ラブレイセン(オランダ)
4位 ジャイル・チョンエンファ(スリナム)
5位 マシュー・グレイツァー(オーストラリア)
6位 マキシミリアン・レヴィ(ドイツ)
7-12位決定戦
7位 脇本雄太(日本)
8位 ジャック・カーリン(イギリス)
9位 クウェシ・ブラウン(トリニダード・トバゴ)
10位 ラヤン・エラル(フランス)
女子スプリント結果
決勝戦
1位 ケルシー・ミッチェル(カナダ)
2位 オレナ・スタリコワ(ウクライナ)
3-4位決定戦
3位 リー・ワイジー(香港)
4位 エマ・ヒンツェ(ドイツ)