山岳で半分になった集団によるスプリント。得意の勝ちパターンに持ち込んだペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が2010年大会以来11年ぶりにツール・ド・ロマンディで勝利した。



逃げるマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ・プレミアテック)ら6名逃げるマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ・プレミアテック)ら6名 (c)CorVos
UCI(国際自転車競技連合)の本拠地エーグルを出発し、3級山岳を2箇所含む周回コースを4周してフィニッシュに飛び込むツール・ド・ロマンディ第1ステージ。2つのタイムトライアルを除いて今大会中最も平坦(獲得標高2,600m)であり、「登れるスプリンター」擁するチームがチャンスを引き寄せるべくコントロールを担った。

逃げ切りにもチャンスがあるこの日は、1つ目の3級山岳までにマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ・プレミアテック)やロブ・パワー(オーストラリア、クベカ・アソス)を含む6名が逃げを決める。最大6分差を得た6名に対し、総合ワンツースリーを独占するイネオス・グレナディアーズがメイン集団先頭に立ってコントロールを続けていく。

総合トップスリー擁するイネオス・グレナディアーズが集団をコントロール総合トップスリー擁するイネオス・グレナディアーズが集団をコントロール (c)CorVos
つづら折れの3級山岳を越えていくつづら折れの3級山岳を越えていく (c)CorVos
逃げグループの中では普段ビンゴールに所属するジョエル・ズーター(スイス、スイスナショナルチーム)が3級山岳を連続先頭通過してランキング首位に立つ。しかし山岳路でアンドレイ・アマドール(コスタリカ、イネオス・グレナディアーズ)がペースを上げ、更にステージ優勝を狙うボーラ・ハンスグローエやバーレーン・ヴィクトリアス、バイクエクスチェンジが加担すると見る間にタイム差は縮小。最終周回の3級山岳で全てのメンバーが引き戻されている。

自身久々のリーダージャージを着るローハン・デニス(オーストラリア)を最後尾に従え、イネオストレインがフィニッシュまでの平坦区間(約20km)を牽引。メイン集団が縮小した隙を突き、平坦系選手が次々とアタックを繰り出した。

前日4位のレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が、そしてスイスチャンピオンのシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)が飛び出すも吸収。続いてマティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)とカヴァニャがダミアン・ホーゾン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)、セバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、グルパマFDJ)と共に逃げたものの、向かい風でスピードを失い飲み込まれている。

イネオスに代わったスプリンターチームの牽引で距離を減らし、ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)がソンニ・コルブレッリ(イタリア)を従えて残り300mを通過する。トラトニクが外れ、流し先行するコルブレッリの背後でタイミングを待ち続けたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が一気に先頭を奪った。

集団スプリントを制したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)集団スプリントを制したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
残り100m手前から仕掛け、僅かなリードをフィニッシュラインまで守り抜いたサガンが両手を広げる。山岳で絞り込まれたスプリントという得意の勝ちパターンで、2010年大会第2ステージ(当時リクイガス・ドイモ所属)以来ロマンディで11年ぶりとなるステージ2勝目を挙げた。

2010年大会以来のロマンディ区間優勝を挙げたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)2010年大会以来のロマンディ区間優勝を挙げたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
「またロマンディで勝つことができて本当に嬉しい。2010年も最初のロードステージで勝ち、11年後の今日再び同じく勝つことができた。残り2周から牽引し、最後の山岳を終えてから集団を抑えたチームメイトに感謝しなければならない」と言うサガンはもちろんポイントランキングでも首位に浮上。「今日はロマンディでおそらく唯一の勝てるチャンスだった。チーム全体、そしてスポンサーに継続的なサポートを感謝したい」と加えている。
ツール・ド・ロマンディ2021第1ステージ結果
1位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 4:12:40
2位 ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
3位 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、イスラエル・スタートアップネイション)
4位 アンドレア・パスクアロン(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
5位 アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
6位 マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーションNIPPO)
7位 ディオン・スミス(ニュージーランド、バイクエクスチェンジ)
8位 クレモン・ヴァントゥリーニ(フランス、AG2Rシトロエン)
9位 マッティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
10位 ジャコポ・モスカ(イタリア、トレック・セガフレード)
個人総合成績
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) 4:18:06
2位 ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) 0:09
3位 リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)
4位 レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 0:11
5位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 0:12
6位 ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) 0:13
7位 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、イスラエル・スタートアップネイション) 0:14
8位 ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)
9位 マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) 0:15
10位 マティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
その他の特別賞
ポイント賞 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
山岳賞 ジョエル・ズーター(スイス、スイスナショナルチーム)
ヤングライダー賞 マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)
チーム総合成績 イネオス・グレナディアーズ
text:So Isobe
photo:CorVos

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