第55回アムステルゴールドレースは終盤に抜け出した3名によるゴール勝負に。トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)とマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)を下したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)がアルデンヌクラシック初制覇を成し遂げた。



マーストリヒト郊外を周回するアップダウンコースマーストリヒト郊外を周回するアップダウンコース (c)CorVos
4月18日に開催された第55回アムステルゴールドレース(UCIワールドツアー)はいわゆる「アルデンヌ・クラシック」の幕開けを告げるオランダ最大のワンデーレース。この日曜日のアムステルゴールドレースを皮切りに、3日後の水曜日にフレーシュ・ワロンヌが、1週間後の日曜日にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュが開催。いずれも起伏に富んだコースレイアウトであり、石畳系クラシックとは異なり登坂を好むパンチャーたちが活躍する。

真っ平らな国土のイメージが強いオランダだが、アムステルゴールドレースの開催地はベルギーとドイツに隣接した同国南部に広がる丘陵地帯。従来は「1000のカーブ」と呼ばれる起伏に飛んだ250kmオーバーのコースが設定されていたが、今年はコロナ禍による地域制限を受け、リンブルフの丘を巡るサーキットコースが設定された。

マーストリヒト郊外を周回するコースに含まれる登りはグールヘンメルベルグ(全長1.4km/平均勾配4.6%)、ベメレルベルグ(全長800m/平均勾配5.2%)、カウベルグ(全長800m/平均勾配7.4%)という3箇所で、ここを12周回+ラストはカウベルグを除いた短縮ルートを辿る合計13周回。最後のベメレルベルグからフィニッシュまでは6kmという、登坂で遅れた選手にも復帰のチャンスがあるレイアウトが組み上げられた。

逃げる10名。タイム差は4分前後で推移した逃げる10名。タイム差は4分前後で推移した (c)CorVos
モビスターやユンボ・ヴィズマがメイン集団をコントロールモビスターやユンボ・ヴィズマがメイン集団をコントロール (c)CorVos
気温14℃のマーストリヒトを出発すると、エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)を含む10名が逃げを打つ。ドゥクーニンク・クイックステップやモビスター、そしてユンボ・ヴィズマといった有力チームがメイン集団の先頭に立ち、逃げグループとの間隔を調整していった。

逃げとメイン集団がおよそ3〜4分差で進行するレース状況が変化したのは、フィニッシュまで70kmを残したタイミング。ロブ・パワー(オーストラリア、クベカ・アソス)の抜け出しをきっかけに、有利に進めたい複数チームがアタックを仕掛けていく。レース序盤のようなアタック合戦でペースが上がる中、55kmを切って発生した落車には2018年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ覇者のボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、AG2Rラモンディアール)やマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が巻き込まれてしまう。

落車したボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、AG2Rラモンディアール)落車したボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、AG2Rラモンディアール) (c)CorVos
ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)を含む追走グループルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)を含む追走グループ (c)CorVos
30kmに渡るアタック合戦の末にルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やサイモン・クラーク(オーストラリア、クベカ・アソス)、ディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)を含む6名が抜け出し、残り2回目のカウベルグ(残り35km地点)で先頭10名と合流する。しかしすぐ後方のメイン集団では優勝候補のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)自らペースを上げ、先頭16名の中から力尽きた選手を次々と捉えていった。

序盤の逃げから唯一生き残っていたロイック・ヴリーヘン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)に代わり、メイン集団を飛び立ったイーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)が10秒リードで最後のカウベルグへ。ログリッチがメカトラブルで脱落する中、ニコラ・コンチ(イタリア、トレック・セガフレード)に反応する形でワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が加速し、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)とトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)といった優勝候補たちが食いついた。

ユンボ・ヴィズマがメイン集団のペースを上げるユンボ・ヴィズマがメイン集団のペースを上げる (c)CorVos
最後のカウベルグでアタックするワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)最後のカウベルグでアタックするワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
カウベルグでメカトラに見舞われたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)カウベルグでメカトラに見舞われたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
逃げるトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)逃げるトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
個々の力をぶつけ合う攻防戦の末、イネオスが3名(ピドコック、ファンバーレ、ミハウ・クフィアトコフスキ)を加えた先頭グループが生まれ、マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)や最年長アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)も合流する。苦しい表情を見せるアラフィリップは徐々に反応が遅れ、この後の決定的な動きに乗ることができなかった。

2015年大会覇者クフィアトコフスキのアタックは十分なリードを得られずに引き戻され、最後のグールヘンメルベルグ通過後に先頭グループからピドコックがアタックする。ここにファンアールトと、レース後半の落車に巻き込まれながらも復帰したシャフマンが食いつき、優勝候補3名が後続グループを引き離していった。

残り10km地点で、逃げる3名と追走集団(34名)の差は20秒。残り6kmの最終登坂ベメレルベルグ通過後には12秒にまで縮まったものの、ピドコックを勝たせたいイネオスが追走のローテーションを崩し、さらにアタックと吸収が生まれたことで相対的にペースが下がっていく。第2グループが巻き返した2019年大会のシーン再来とはならず、先頭3名の逃げ切りが確定。牽制状態で距離を消化し、残り200mを切ったタイミングで3人がほぼ同時にスプリントを開始した。

ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)とトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がハンドルを投げ込むワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)とトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がハンドルを投げ込む (c)CorVos
僅差ゆえに両手を上げることなくフィニッシュラインを通過した僅差ゆえに両手を上げることなくフィニッシュラインを通過した (c)CorVos
屈指のスプリント力を誇るファンアールトとピドコックの加速にシャフマンは遅れ、先行するファンアールトのスリップストリームからピドコックが抜け出し、並びかける。前哨戦ブラバンツ・ペイルで優勝を争った二人がハンドルを投げ込む接戦の末、横並びでフィニッシュラインを通過した。

互いに勝利の確信が持てない僅差だったが、写真判定の結果勝利が伝えられたのはファンアールトだった。追い込むピドコックを退けて、ファンアールトがこのアムステルでアルデンヌクラシック初制覇を成し遂げた。

アムステルゴールドレース表彰台:2位ピドコック、1位ファンアールト、3位シャフマンアムステルゴールドレース表彰台:2位ピドコック、1位ファンアールト、3位シャフマン (c)CorVos
祝杯のアムステルビールを飲むワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)祝杯のアムステルビールを飲むワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
「(審判からの決定が出るまで)あえて勝利を信じなかった。最後の数メートルは目を閉じてスプリントしたんだ」とは、ブラバンツ・ペイルで破れたピドコックに対し、大一番でリベンジを達成したファンアールト。「審判は表彰式の直前に僕が勝利したことを伝えてくれた。時間がかかるほど僅差だったということ。こんな経験は今までで初めてだ」と加える。

「チームメイトたちは最後の勝負が始まるまで素晴らしい働きを見せてくれた。プリモシュがメカトラで遅れたのは残念だったけれど、今日のチームは本当にレースを作ってくれた」と喜ぶファンアールトは、この後ツール・ド・フランスを見据えて休養に入る。アムステルとヘント〜ウェヴェルヘム、そしてティレーノ〜アドリアティコでステージ2勝、ブラバンツ・ペイル2位とミラノ〜サンレモ3位。安定した強さで春のクラシックシーズンを席巻した26歳が、勝利と共にクラシックシーズンを締めくくった。

また、「僕の方が速かったのでもっと早くスプリントするべきだった。大きな学びになった。スプリント前にワウトと距離を開けてしまったのでそれも改善点。ただしレースの中で僕は最強だったと思うし、フラストレーションと同時にその感覚に満足している。」と言うのは惜しくも敗れたピドコック。ロードレース界に強烈なインパクトを放つ21歳は水曜日のフレーシュ・ワロンヌにも出場予定だ。
アムステルゴールドレース2021結果
1位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)5:03:29
2位トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
3位マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4位マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)0:03
5位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
6位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
7位クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、アルペシン・フェニックス)
8位ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)
9位マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)
10位トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル)
text:So Isobe
photo:CorVos
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