ツール・ド・ラ・プロヴァンス最終日の集団スプリントでフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が今季初勝利。イバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)が危なげなく総合優勝を達成した。
スタートを待つファビオ・アル(イタリア、クベカ・アソス) (c)CorVos
首位イバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)と総合2位エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
最大4分差で逃げたトニー・ガロパン(フランス、AG2Rシトロエン)たち (c)CorVos
その名の通り、南仏プロヴァンスを舞台に続いたツール・ド・ラ・プロヴァンス(UCI2.Pro)もいよいよ最終日。モンヴァントゥーを登った前日よりもぐっと難易度を下げた、アヴィニヨンからサロン・ド・プロヴァンスまでの163kmで4日間の戦いが決着した。
この日のスタート時点で総合2位エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)と総合3位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)のタイム差僅か2秒。ドゥクーニンクは逃げ狙いのアタックを封じ込め、16.5km地点の中間スプリントポイントでアラフィリップを1位通過させることに成功する。こうしてボーナスタイムを得た世界チャンピオンが総合2位浮上を叶え、続いて4名がエスケープ。こうしてレースは落ち着きを取り戻した。
中間スプリントで総合2位浮上を叶えたジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
リーダージャージを着て走るイバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
イネオス・グレナディアーズや、アルノー・デマール(フランス)の今季初勝利を目指すグルパマFDJがコントロールする集団から逃げたのは、ルイス・マス(スペイン、モビスター)とアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)、トニー・ガロパン(フランス、AG2Rシトロエン)そしてジェレミー・ルヴォー(フランス、ゼリス・ルーべリールメトロポール)という4名。ワールドチーム主導による逃げだったものの、集団スプリントを見据えるメイン集団はタイム差をがっちりと4分前後でキープしていく。
フィニッシュまで25kmを切り、タイム差が1分半を割り込むと先頭からマスが独走に持ち込んだものの、およそ15kmを逃げた後に3名に引き戻される。「クレルモン=フェランのTGV」ことレミ・カヴァニャ(フランス)が強力にペーシングするメイン集団は、スプリントに向けた位置取り争いを繰り広げながらフィニッシュへ。残り1.8kmで逃げ続けた4名を捉え、右に左に曲がるコースを飛ばしに飛ばした。
ウルフパックは残り800mからアラリフィップが、続いてゼネク・スティバル(チェコ)が3勝目を狙うダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)をお膳立て。そのチームワークはデマールをふるい落としたが、肝心のバッレリーニに開幕日のような初速の伸びは見られない。右からフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が、左側からはナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)が並びかけるもバッレリーニにフェンスに追いやられ失速してしまう。3者横並びの接戦の末、手を挙げたのはバウハウスだった。
バッレリーニやブアニとの接戦を制したフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) (c)CorVos
26歳のドイツ人スプリンターが、バーレーン・ヴィクトリアスに幸先良い2021年1勝目を献上。「ひどくこの勝利を待ち望んでいたよ。最終盤は超ハイスピードで、そこからもがきあう戦いだった。残り600m時点で先頭に位置しなければならないことは分かっていて、最後まで勢いを保つことができた。スプリンターとして勝つことが嬉しいことはもちろん、チームにとっても良い雰囲気を作ってくれる勝利になった」と、バウハウスは語っている。
フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) (c)CorVos
総合優勝を射止めたイバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
最後に牽引役を担ったアラフィリップをはじめ、総合上位陣は軒並み集団内でフィニッシュ。ベルナルよりも1歳年下のソーサが2019年のブエルタ・ア・ブルゴス以来となる総合優勝を射止め、ボーナスタイムで逆転したアラフィリップが2位、ベルナルが3位。この日のスタート時点で総合5位バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)と6位パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)の順位が入れ替わった状態でプロヴァンスは無事閉幕している。



その名の通り、南仏プロヴァンスを舞台に続いたツール・ド・ラ・プロヴァンス(UCI2.Pro)もいよいよ最終日。モンヴァントゥーを登った前日よりもぐっと難易度を下げた、アヴィニヨンからサロン・ド・プロヴァンスまでの163kmで4日間の戦いが決着した。
この日のスタート時点で総合2位エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)と総合3位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)のタイム差僅か2秒。ドゥクーニンクは逃げ狙いのアタックを封じ込め、16.5km地点の中間スプリントポイントでアラフィリップを1位通過させることに成功する。こうしてボーナスタイムを得た世界チャンピオンが総合2位浮上を叶え、続いて4名がエスケープ。こうしてレースは落ち着きを取り戻した。


イネオス・グレナディアーズや、アルノー・デマール(フランス)の今季初勝利を目指すグルパマFDJがコントロールする集団から逃げたのは、ルイス・マス(スペイン、モビスター)とアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)、トニー・ガロパン(フランス、AG2Rシトロエン)そしてジェレミー・ルヴォー(フランス、ゼリス・ルーべリールメトロポール)という4名。ワールドチーム主導による逃げだったものの、集団スプリントを見据えるメイン集団はタイム差をがっちりと4分前後でキープしていく。
フィニッシュまで25kmを切り、タイム差が1分半を割り込むと先頭からマスが独走に持ち込んだものの、およそ15kmを逃げた後に3名に引き戻される。「クレルモン=フェランのTGV」ことレミ・カヴァニャ(フランス)が強力にペーシングするメイン集団は、スプリントに向けた位置取り争いを繰り広げながらフィニッシュへ。残り1.8kmで逃げ続けた4名を捉え、右に左に曲がるコースを飛ばしに飛ばした。
ウルフパックは残り800mからアラリフィップが、続いてゼネク・スティバル(チェコ)が3勝目を狙うダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)をお膳立て。そのチームワークはデマールをふるい落としたが、肝心のバッレリーニに開幕日のような初速の伸びは見られない。右からフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が、左側からはナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)が並びかけるもバッレリーニにフェンスに追いやられ失速してしまう。3者横並びの接戦の末、手を挙げたのはバウハウスだった。

26歳のドイツ人スプリンターが、バーレーン・ヴィクトリアスに幸先良い2021年1勝目を献上。「ひどくこの勝利を待ち望んでいたよ。最終盤は超ハイスピードで、そこからもがきあう戦いだった。残り600m時点で先頭に位置しなければならないことは分かっていて、最後まで勢いを保つことができた。スプリンターとして勝つことが嬉しいことはもちろん、チームにとっても良い雰囲気を作ってくれる勝利になった」と、バウハウスは語っている。


最後に牽引役を担ったアラフィリップをはじめ、総合上位陣は軒並み集団内でフィニッシュ。ベルナルよりも1歳年下のソーサが2019年のブエルタ・ア・ブルゴス以来となる総合優勝を射止め、ボーナスタイムで逆転したアラフィリップが2位、ベルナルが3位。この日のスタート時点で総合5位バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)と6位パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)の順位が入れ替わった状態でプロヴァンスは無事閉幕している。
ツール・ド・ラ・プロヴァンス2021第4ステージ結果
1位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 3:47:01 |
2位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
3位 | ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック) | |
4位 | マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
5位 | ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル) | |
6位 | ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ KTM) | |
7位 | マチュー・ウォールス(イギリス、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、トタル・ディレクトエネルジー) | |
9位 | エドゥアルド・グロス(ルーマニア、デルコ) | |
10位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | イバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 17:00:17 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:18 |
3位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:19 |
4位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:39 |
5位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:57 |
6位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
7位 | ジャック・ヘイグ(ニュージーランド、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:58 |
8位 | マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | |
10位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
山岳賞 | フィリッポ・コンカ(イタリア、ロット・スーダル) |
ヤングライダー賞 | イバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:So Isobe
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