アタックに次ぐアタック。前ツール総合覇者にオリンピックチャンピオン、元世界王者が逃げたエトワール3日目に、下りでアタックし、独走に持ち込んだティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が勝利を飾った。
スタートを待つティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) (c)CorVos
グレッグ・ファンアーヴェルマートとオリヴェル・ナーセン(共にベルギー、AG2Rシトロエン) (c)CorVos
ベッセージュの街を出発していく (c)CorVos
徐々にコースレイアウトの厳しさが増すエトワール・ド・ベッセージュ(UCI2.1)の3日目は、レース名でもある山間の街ベッセージュを発着する156.9km。スタート直後から4連続で登坂をこなし、中盤から後半にかけてもアップダウンを繰り返す。まさにアタッカー向きレイアウトのこの日、プロトンはテンション高く1つ目の山岳に突入した。
活性化する集団先頭では、ここまで2日間静かに過ごしてきたエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)をはじめ、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーションNIPPO)、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)といったメンバーが先行。アタックと吸収を繰り返す中逃げが決まることはなく、力尽きた選手が遅れていくサバイバルレースが展開されていく。
アタックするリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションNIPPO)にニバリやベルナルが追従 (c)CorVos
どんどん髭が濃くなるジョフレ・スープ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) (c)CorVos
54km地点の1級山岳(登坂距離4.2km/平均勾配4.3%)ではミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)が先頭通過し、やがて17名の巨大な逃げグループが先行する。ベルナル、クフィアトコフスキ、ウェレンス、ジルベール、グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)、ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、クベカ・アソス)といった、超強力なメンバーがメイン集団に対して2分差をつけた。
前ツール総合覇者にオリンピックチャンピオン、元世界王者が牽引する逃げグループに対し、メイン集団のコントロールはメンバーを送り損ねたEFエデュケーションNIPPOや、総合首位クリストフ・ラポルト(フランス)擁するコフィディスが牽引する。しかし一時2分まで開いた差を30秒縮めるに留まり、次第にスローダウン。一方の先頭グループでは、下りを利用してウェレンスが飛び出した。
独走に持ち込んだティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) (c)CorVos
ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)率いる追走集団がフィニッシュラインを通過 (c)CorVos
「ダウンヒルでチャンスがあると感じたんだ。リードを稼ぎ、追走グループでは(チームメイトの)オルダーニが上手く抑えてくれた。そこからフィニッシュまではTTモードで走ったよ」と言うウェレンスを追ったクフィアトコフスキたちは、路上のオイルにタイヤを滑らせあわや落車(ウェレンスはノートラブル通過)。こうしてウェレンスが、残り10kmで25秒という少なくないリードを得て、フィニッシュラインまで独走を守った。
「これ以上のシーズン開幕は想像できないよ。スタートする前から今日は逃げに乗るぞと決めていた。チームバスの中で厳しい山とテクニカルなダウンヒルが続くコース前半で厳しいレースになるだろうと思っていたんだ」と、狙い通りの勝利をアピールしたウェレンス。「このレースの選手レベルは非常に高く、さらに多くの選手が逃げに乗りたがっていた。たくさんの強いメンバーが入ったのを見て、今日の逃げきりは決定的だった」と振り返っている。
今期初勝利を掴んだティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) (c)CorVos
2位でフィニッシュするエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) (c)CorVos
ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)は総合首位に浮上 (c)CorVos
37秒遅れた2位グループの先頭は、前日10位に入っていたエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)。ベルナルは追走グループから約30秒遅れてフィニッシュしている。追走を諦めたメイン集団は3分13秒遅れてゴールにたどり着いたことで、ウェレンスが37秒リードで総合リーダージャージを獲得している。



徐々にコースレイアウトの厳しさが増すエトワール・ド・ベッセージュ(UCI2.1)の3日目は、レース名でもある山間の街ベッセージュを発着する156.9km。スタート直後から4連続で登坂をこなし、中盤から後半にかけてもアップダウンを繰り返す。まさにアタッカー向きレイアウトのこの日、プロトンはテンション高く1つ目の山岳に突入した。
活性化する集団先頭では、ここまで2日間静かに過ごしてきたエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)をはじめ、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーションNIPPO)、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)といったメンバーが先行。アタックと吸収を繰り返す中逃げが決まることはなく、力尽きた選手が遅れていくサバイバルレースが展開されていく。


54km地点の1級山岳(登坂距離4.2km/平均勾配4.3%)ではミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)が先頭通過し、やがて17名の巨大な逃げグループが先行する。ベルナル、クフィアトコフスキ、ウェレンス、ジルベール、グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)、ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、クベカ・アソス)といった、超強力なメンバーがメイン集団に対して2分差をつけた。
前ツール総合覇者にオリンピックチャンピオン、元世界王者が牽引する逃げグループに対し、メイン集団のコントロールはメンバーを送り損ねたEFエデュケーションNIPPOや、総合首位クリストフ・ラポルト(フランス)擁するコフィディスが牽引する。しかし一時2分まで開いた差を30秒縮めるに留まり、次第にスローダウン。一方の先頭グループでは、下りを利用してウェレンスが飛び出した。


「ダウンヒルでチャンスがあると感じたんだ。リードを稼ぎ、追走グループでは(チームメイトの)オルダーニが上手く抑えてくれた。そこからフィニッシュまではTTモードで走ったよ」と言うウェレンスを追ったクフィアトコフスキたちは、路上のオイルにタイヤを滑らせあわや落車(ウェレンスはノートラブル通過)。こうしてウェレンスが、残り10kmで25秒という少なくないリードを得て、フィニッシュラインまで独走を守った。
「これ以上のシーズン開幕は想像できないよ。スタートする前から今日は逃げに乗るぞと決めていた。チームバスの中で厳しい山とテクニカルなダウンヒルが続くコース前半で厳しいレースになるだろうと思っていたんだ」と、狙い通りの勝利をアピールしたウェレンス。「このレースの選手レベルは非常に高く、さらに多くの選手が逃げに乗りたがっていた。たくさんの強いメンバーが入ったのを見て、今日の逃げきりは決定的だった」と振り返っている。



37秒遅れた2位グループの先頭は、前日10位に入っていたエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)。ベルナルは追走グループから約30秒遅れてフィニッシュしている。追走を諦めたメイン集団は3分13秒遅れてゴールにたどり着いたことで、ウェレンスが37秒リードで総合リーダージャージを獲得している。
エトワール・ド・ベッセージュ2021 第1ステージ結果
1位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 3:28:02 |
2位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | 0:37 |
3位 | マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション) | |
4位 | グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン) | |
5位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル) | |
6位 | シリル・バルト(フランス、B&Bホテルズ KTM) | |
7位 | ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマFDJ) | |
8位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、クベカ・アソス) | |
10位 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ) |
個人総合成績
1位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 3:28:02 |
2位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | 0:37 |
3位 | マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション) | |
4位 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ) | |
5位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル) | |
6位 | ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマFDJ) | |
7位 | グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン) | |
8位 | ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、クベカ・アソス) | |
9位 | シリル・バルト(フランス、B&Bホテルズ KTM) | |
10位 | ステファノ・オルダーニ(イタリア、ロット・スーダル) |
その他の特別賞
ポイント賞 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) |
山岳賞 | アレクサンドル・ドゥレットル(フランス、デルコ) |
ヤングライダー賞 | ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | ロット・スーダル |
text:So Isobe
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