2019年ツール覇者エガン・ベルナル(コロンビア)が目指すのは初出場となるジロ・デ・イタリアでの総合優勝。トーマスや昨年ジロ覇者のゲイガンハート、カラパスはツール・ド・フランス、そしてアダム・イェーツはブエルタ・ア・エスパーニャに出場する。デイブ・ブレイルスフォードGMが2021年のグランツールで総合エース計画について言及した。



ジロ・デ・イタリアを目指すこととなったエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)ジロ・デ・イタリアを目指すこととなったエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
「ベルナルは若い頃をイタリアで過ごし、イタリアのチームに所属していた。イタリアと強い結びつきがあるし、何より本人が毎年ツールに囚われるのではなく、3大グランツールすべてに出場したいと考えているんだ」と語るのは、イネオス・グレナディアーズのデイブ・ブレイルスフォードGM。

ベルナルは昨年のツールを背中の痛みで途中棄権。その後はリハビリと、痛みの原因である非対称な左右の脚の長さを補うため、筋力トレーニングに励んできた。

「彼には笑顔を取り戻してほしい。選手であることを楽しんでほしいんだ。そうすれば結果がついてくるし、結果だけではなくその過程にも注目しなければない。彼が再びレースを楽しめるようサポートしていきたい。また、エガンがジロとツールの両方に出場する可能性は否定しないが、それはその時が来てから判断することだろう」。

ベルナルと共にエトワール・ド・ベッセージュ出場中のゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)ベルナルと共にエトワール・ド・ベッセージュ出場中のゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
一方ツール・ド・フランスには、2018年覇者のゲラント・トーマス(イギリス)が2年振りに出場する。

「(出場中のレース地である)ベッセに到着する前日の夜に伝えた。彼はとても興奮していたよ。開幕が待ちきれない様子で、まるでジュニア時代に戻ったみたいだった」。

個人タイムトライアルが2回(第5ステージ:27km/第20ステージ:31km)登場する今年のツールは、TT能力に長けたトーマスに適したコースレイアウトと言える。ブレイルスフォード氏も、「タイムトライアルや山岳の特性、第1週目の横風、それらの要素は彼のスキルと属性にピッタリだ。コースプロフィールだけ見ると、まるで”ツール・ド・ゲラント” みたいだ」と、選出理由を話す。

ツールに出場するテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)ツールに出場するテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:LaPresse
リチャル・カラパス(エクアドル 、イネオス・グレナディアーズ)リチャル・カラパス(エクアドル 、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
同じくツールには2020年ジロ・デ・イタリアで総合優勝したテイオ・ゲイガンハート(イギリス)と、2019年ジロ覇者のリチャル・カラパス(エクアドル)が並ぶトリプルエース体制に。そして昨年総合3位に入ったリッチー・ポート(オーストラリア)も古巣でアシストとして尽力する予定だ。

ゲイガンハートをジロではなくツールに選出した理由について、ブレイルスフォード氏は「再びイタリアに戻り、ジロのタイトルを守る考えもあった。しかし、彼がステップアップするためはツールへの挑戦が最善だと思ったんだ」と説明する。

2018年以来、3年ぶりにブエルタ出場を果たすアダム・イェーツ(イギリス)2018年以来、3年ぶりにブエルタ出場を果たすアダム・イェーツ(イギリス) photo:Kei Tsuji
そしてブエルタ・ア・エスパーニャの総合エースは、イギリス人として期待のかかる新加入アダム・イェーツ(イギリス)が務める。

「アダムは結果を出すためにこのチームに来た。彼はステップアップを望み、我々はその手助けがしたい。アダムがブエルタに集中することは、かなりエキサイティングなことだと思っている」

シーズン開幕レースに合わせ、各グランツールの総合リーダーを挙げたブレイルスフォード氏だが、ジロとブエルタについてはコースがいまだ未発表。そのため「エガンもツールではなくブエルタに出場するかもしれないし、カラパスもブエルタのメンバーに入るかもしれない」と、選手選考はあくまでも流動的だと強調した。
イネオス・グレナディアーズ クランツール出場予定メンバー
ジロ・デ・イタリア
エガン・ベルナル(コロンビア)
フィリッポ・ガンナ(イタリア)
ダニエル・マルティネス(コロンビア)
パヴェル・シヴァコフ(ロシア)
ツール・ド・フランス
ゲラント・トーマス(イギリス)
テイオ・ゲイガンハート(イギリス)
リチャル・カラパス(エクアドル)
リッチー・ポート(オーストラリア)
ブエルタ・ア・エスパーニャ
アダム・イェーツ(イギリス)
トーマス・ピドコック(イギリス)
text:Sotaro.Arakawa

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