活動継続に青信号が灯ったNTTプロサイクリング(来季はチームクベカ・アソス)がジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)の契約更新を発表。現イタリア&ヨーロッパ王者の31歳が来年も南アフリカチームの主軸を担う。



ヨーロッパチャンピオンのジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)ヨーロッパチャンピオンのジャコモ・ニッツォーロ(イタリア) (c)CorVos
NTT(ロンドンに拠点を置くNTTグループの特定子会社であるNTT Ltd.)のスポンサー撤退により経営危機に陥っていたものの、クベカとアソス社を共同スポンサーに迎え活動継続にGoサインを灯した南アフリカチームが、今年再ブレイクしたイタリア&ヨーロッパ王者のスプリンター、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)の契約延長を発表した。

ニッツォーロはアワーレコードホルダーのヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)、マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ)、ミヒャエル・ゴグル(オーストリア)、ディラン・サンダーランド(オーストラリア)、アンドレアス・ストクブロ(デンマーク)、そしてドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア)に続く、チーム7人目の2021年契約発表選手となる。

2011年にレオパード・トレックでプロデビューして以降、8年間トレックファクトリーレーシング〜トレック・セガフレードと変遷した同チームに在籍し、2019年にディメンションデータ入りしたニッツォーロ。2017年は勝利数ゼロに終わったものの徐々に復調し、今年はダウンアンダーでの区間勝利を皮切りに、パリ〜ニース第2ステージ、イタリアナショナル選手権、そしてヨーロッパ選手権を立て続けに制覇。初のグランツール区間勝利が期待されたツール・ド・フランスでは前半戦で怪我を負い、そのままオフシーズンに入っていた。

今季4レースを制したジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)今季4レースを制したジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) photo:CorVos
「残留の決め手になったのは、クベカのチャリティー活動に胸を打たれたこと。2年前に南アフリカで子供たちに自転車をプレゼントするシーンを見た時に感動を覚えたんだ。そしてチームが僕を100%信じているように感じていること。チームは僕にモチベーションを湧き起こすプロジェクトを与えてくれ、チームメイトやスタッフも僕がチームリーダーとして自信を持つよう振る舞ってくれる」と、ニッツォーロは契約更新した理由を話している。

2021年のターゲットは、昨年5位に入ったミラノ〜サンレモと、ジロ・デ・イタリア、そしてツール・ド・フランス。「(母国イタリアの)ジロでイタリアチャンピオンとして、ヨーロッパチャンピオンジャージを着て走るのは素晴らしいこと。でもまだレースカレンダーを見て身長にスケジュールを議論していく必要がある」と、31歳のスプリンターは意気込んでいる。

予算縮小が予想されるチームクベカ・アソスはエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)やミケル・ヴァルグレン(デンマーク)といった主要選手を手放しており、ワールドチームとしてクリアすべき選手登録人数(27名)にはまだまだ届いていない。全日本王者の入部正太朗や、エンリコ・ガスパロット(イタリア)らの去就に注目が集まっている。

text:So Isobe

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