11月6日から3日間に渡り行われるセラティジット・マドリードチャレンジbyブエルタ。與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ)も出場した第1ステージは、 ロレーナ・ウィーブス(オランダ、サンウェブ)が登りスプリントを制した。
スプリントを狙うアリス・バーンズ(イギリス、キャニオン・スラム) (c)CERATIZIT Challenge by La Vuelta
来季はモビスターへの移籍が決まっているアネミエク・ファンフルーテン(オランダ 、ミッチェルトン・スコット) (c)CERATIZIT Challenge by La Vuelta
強い向かい風と横風が選手たちを襲う (c)CERATIZIT Challenge by La Vuelta
第6回を迎えるセラティジット・マドリードチャレンジbyブエルタが11月6日より開幕した。同時期に開催中のブエルタ・ア・エスパーニャの主催者Unipublicによって行われるこのレースは、初年度のワンデーレースから2018年は2日間へと変わっていき、そして今年は3日間のステージレースとなって行われる。
初日の舞台はトレド市内からエスカローナまでの82km。多少の標高差はあるものの、決定的な動きには繋がりづらい平坦基調のコース。だがフィニッシュライン手前420mから始まる平均勾配6.6%の登りは、集団先頭での位置取りが勝負に大きく影響を及ぼす。
単独で逃げるミレイア・ベニート(スペイン、マッシ・タクティック) (c)CERATIZIT Challenge by La Vuelta
一塊となったメイン集団 (c)CERATIZIT Challenge by La Vuelta
メイン集団はミッチェルトン・スコットやモビスターなどのワールドツアーチームがコントロール (c)CERATIZIT Challenge by La Vuelta
スタートラインに並んだのは、6つのUCIワールドチームを含む17チーム。なおワールドチームのCCC・リブやブールス・ドルマンスなどは、新型コロナウイルスの感染拡大への懸念のため出走を取り止めている。
レース序盤から横風と向かい風が選手たちを苦しめ、ミレイア・ベニート(スペイン、マッシ・タクティック)が単独で逃げを決めるも、大きなタイム差を広げることなく吸収される。その後マウゴジャータ・ヤシンスカ(ポーランド、クロノス・カサドラダ)が単独で飛び出すも、アネミエク・ファンフルーテン(オランダ)を擁するミッチェルトン・スコットが集団をコントロールしたため、程なくしてヤシンスカは集団に引き戻される。
チームと2024年までの長期契約を結んでいるロレーナ・ウィーブス(オランダ、サンウェブ) (c)CERATIZIT Challenge by La Vuelta
登りスプリントを制したロレーナ・ウィーブス(オランダ、サンウェブ) (c)CorVos
集団のままレースは消化していき、最後の登りフィニッシュにやってくると、昨年の総合優勝者リサ・ブレナウアー(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング)が集団先頭で加速。しかし、残り150mから先頭に立ったロレーナ・ウィーブス(オランダ、サンウェブ)が、追いすがるエリザ・バルサモ(イタリア、ヴァルカー・ トラベル&サービス)を退け勝利に輝いた。
「スタートからスピードが速く、後半は向かい風と横風が集団をナーバスにさせた。私たちは、流れ次第で打てるあらゆる手を用意していた。最終的には集団スプリントとなり、チーム全員が先頭で私のために位置取りをしてくれた。最後はとてもハードだったけど、良い形でレースを終えることができた。とても嬉しい」と語るウィーブス。昨年16勝を挙げUCI女子世界ランキング首位に輝いた弱冠21歳のスプリンターが、今シーズン4勝目を掴んだ。
総合でも首位に立ちリーダージャージを獲得したロレーナ・ウィーブス(オランダ、サンウェブ) (c)CorVos
以下は與那嶺本人によるコメント。
久しぶりのレース。11月のブエルタで3日間のステージレース。楽しみにしていたベルギークラシックは、チーム内でのコロナ感染ですべてが吹き飛ばされてしまいました。隔離期間が明け、不思議なシーズンもこれが最後のレースです。
チームの作戦はエースのマルタ(バスティアネッリ)での勝利。彼女の調子がよく分からなかったので、私は集団内で仲良しの選手と雑談を楽しみ、久々のレースで元気を貰いました。
レースはとにかく風が強く、ナーバスな展開に。怒鳴り声と落車で位置取りも大変でした。「ああ、この感じ、久しぶりだなぁ」と思いながらフィニッシュへ。
プロトン全体で誤った道に入ってしまい、レースは一時中断。これもブエルタ名物なのでしょうか。そこから180度ターンをしてレースが再開されました。ワールドツアーなのに…。
フィニッシュに向けては動きが激しく、集団でなだれ込み、残り500mからは細い登り坂。ポジションを守りながら登りに入ると目の前で落車が発生。ギリギリ止まれたのですが、怖かった。
チームはアージニア(ブヤク)が最高位の16位。こんな日もあります。
こんな感じでカオスのワールドツアー最終戦の初日が終わりました。明日は10kmのタイムトライアル。雨天が予想されています。怖いですが、ブレーキに気をつけながら転ばないように。



第6回を迎えるセラティジット・マドリードチャレンジbyブエルタが11月6日より開幕した。同時期に開催中のブエルタ・ア・エスパーニャの主催者Unipublicによって行われるこのレースは、初年度のワンデーレースから2018年は2日間へと変わっていき、そして今年は3日間のステージレースとなって行われる。
初日の舞台はトレド市内からエスカローナまでの82km。多少の標高差はあるものの、決定的な動きには繋がりづらい平坦基調のコース。だがフィニッシュライン手前420mから始まる平均勾配6.6%の登りは、集団先頭での位置取りが勝負に大きく影響を及ぼす。



スタートラインに並んだのは、6つのUCIワールドチームを含む17チーム。なおワールドチームのCCC・リブやブールス・ドルマンスなどは、新型コロナウイルスの感染拡大への懸念のため出走を取り止めている。
レース序盤から横風と向かい風が選手たちを苦しめ、ミレイア・ベニート(スペイン、マッシ・タクティック)が単独で逃げを決めるも、大きなタイム差を広げることなく吸収される。その後マウゴジャータ・ヤシンスカ(ポーランド、クロノス・カサドラダ)が単独で飛び出すも、アネミエク・ファンフルーテン(オランダ)を擁するミッチェルトン・スコットが集団をコントロールしたため、程なくしてヤシンスカは集団に引き戻される。


集団のままレースは消化していき、最後の登りフィニッシュにやってくると、昨年の総合優勝者リサ・ブレナウアー(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング)が集団先頭で加速。しかし、残り150mから先頭に立ったロレーナ・ウィーブス(オランダ、サンウェブ)が、追いすがるエリザ・バルサモ(イタリア、ヴァルカー・ トラベル&サービス)を退け勝利に輝いた。
「スタートからスピードが速く、後半は向かい風と横風が集団をナーバスにさせた。私たちは、流れ次第で打てるあらゆる手を用意していた。最終的には集団スプリントとなり、チーム全員が先頭で私のために位置取りをしてくれた。最後はとてもハードだったけど、良い形でレースを終えることができた。とても嬉しい」と語るウィーブス。昨年16勝を挙げUCI女子世界ランキング首位に輝いた弱冠21歳のスプリンターが、今シーズン4勝目を掴んだ。

以下は與那嶺本人によるコメント。
久しぶりのレース。11月のブエルタで3日間のステージレース。楽しみにしていたベルギークラシックは、チーム内でのコロナ感染ですべてが吹き飛ばされてしまいました。隔離期間が明け、不思議なシーズンもこれが最後のレースです。
チームの作戦はエースのマルタ(バスティアネッリ)での勝利。彼女の調子がよく分からなかったので、私は集団内で仲良しの選手と雑談を楽しみ、久々のレースで元気を貰いました。
レースはとにかく風が強く、ナーバスな展開に。怒鳴り声と落車で位置取りも大変でした。「ああ、この感じ、久しぶりだなぁ」と思いながらフィニッシュへ。
プロトン全体で誤った道に入ってしまい、レースは一時中断。これもブエルタ名物なのでしょうか。そこから180度ターンをしてレースが再開されました。ワールドツアーなのに…。
フィニッシュに向けては動きが激しく、集団でなだれ込み、残り500mからは細い登り坂。ポジションを守りながら登りに入ると目の前で落車が発生。ギリギリ止まれたのですが、怖かった。
チームはアージニア(ブヤク)が最高位の16位。こんな日もあります。
こんな感じでカオスのワールドツアー最終戦の初日が終わりました。明日は10kmのタイムトライアル。雨天が予想されています。怖いですが、ブレーキに気をつけながら転ばないように。
セラティジット・マドリードチャレンジbyブエルタ2020 第1ステージ結果
1位 | ロレーナ・ウィーブス(オランダ、サンウェブ) | 2:00:16 |
2位 | エリザ・バルサモ(イタリア、ヴァルカー・ トラベル&サービス) | |
3位 | リサ・ブレナウアー(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | |
4位 | イェレーナ・エリック(セルビア、モビスター) | |
5位 | アリス・バーンズ( イギリス、キャニオン・スラム) | 0:03 |
6位 | シルヴィア・ザナルディ(イタリア、ビーピンク) | 0:04 |
7位 | アレクシス・ ライアン(アメリカ、キャニオン・スラム) | |
8位 | ラウラ・アセンシオ(フランス、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | |
9位 | ヴィットリア・ グァッツィーニ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) | |
10位 | サラ・ロイ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
43位 | 與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ) |
個人総合成績
1位 | ロレーナ・ウィーブス(オランダ、サンウェブ) | 2:00:01 |
2位 | エリザ・バルサモ(イタリア、ヴァルカー・ トラベル&サービス) | 0:05 |
3位 | リサ・ブレナウアー(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | 0:10 |
4位 | イェレーナ・エリック(セルビア、モビスター) | 0:15 |
5位 | アリス・バーンズ( イギリス、キャニオン・スラム) | 0:18 |
6位 | シルヴィア・ザナルディ(イタリア、ビーピンク) | 0:19 |
7位 | アレクシス・ ライアン(アメリカ、キャニオン・スラム) | |
8位 | ラウラ・アセンシオ(フランス、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | |
9位 | ヴィットリア・ グァッツィーニ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) | |
10位 | サラ・ロイ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
43位 | 與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ) |
ポイント賞
1位 | ロレーナ・ウィーブス(オランダ、サンウェブ) | 5pts |
2位 | エリザ・バルサモ(イタリア、ヴァルカー・ トラベル&サービス) | 4pts |
3位 | リサ・ブレナウアー(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | 3pts |
チーム総合成績
1位 | セラティツィット・WNTプロサイクリング | 6:00:56 |
2位 | サンウェブ | |
3位 | ヴァルカー・ トラベル&サービス |
text:Sotaro Arakawa
photo:CorVos, CERATIZIT Challenge by La Vuelta
photo:CorVos, CERATIZIT Challenge by La Vuelta
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