「オランダが支配するだろうレースの、第一集団で粘り切りたい」。リオ五輪に続く2大会連続オリンピック出場を叶えた與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ/国内はOANDA JAPAN)はコメントを残した。



世界選手権に出場した與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ)世界選手権に出場した與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ) photo:Kei Tsuji
過去5度全日本選手権を制している元王者、與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ/国内はOANDA JAPAN)にとって、オリンピック出場は2016年のリオ大会に続く2度目。前回と同じく、個人タイムトライアル、そしてロードレースの2種目に参戦することとなる。

リオ大会のロードレースで日本勢歴代最高の17位、個人タイムトライアルで15位という結果を残した與那嶺の目標は、「(ロードレースで)第一集団で粘り切ること」。男子と異なり富士山麓、三国峠という2つの峠がないものの、距離137km・獲得標高2,692mというレースで「ヨーロッパの結果と経験を生かしてもう一つの前の集団でレースができるはず」と意気込む。

「レースはオランダが支配する展開になると思います。世界選手権を含め、一人での戦い方には慣れています。とにかく隠れて最後の展開に乗れるように。ヨーロッパツアーでの結果と経験を生かします。私はもう一つ前の集団でレースが出来ると思っています」。

世界選手権では21位という成績を残した與那嶺恵理世界選手権では21位という成績を残した與那嶺恵理 photo:Kei Tsuji
與那嶺は2016年リオ五輪代表選考争いにおいて、その年のアジア選手権で日本代表チームの方針に従わなかったとしてJCFから選考対象外とされるも、スポーツ仲裁機構へ提訴し、勝訴。全日本選手権を制して出場切符を掴み日本勢歴代最高結果を残した際、「不透明、恣意的な選考が今後も行われないためにも仲裁の判断を頂いた次第です。若い選手は日本の宝。公正であり、公開された選考基準においてこそ輝き、前に進むことができる」とコメント。今回も選考基準や選考機会に男女差があるとして仲裁を申し立てていた。

「東京オリンピックに向け、私は上位獲得を目的にヨーロッパ・ワールドツアーを戦っています。しかし連盟の選手強化体制は、2016年リオオリンピックから何も変わらず、不十分な状態です。上位獲得を目指すにふさわしい、適切な能力を持ったコーチ、メカニック、監督が私には必要です」と、全日本王者という立場を通しシクロワイアードのインタビューに対して応えている。

所属するアレ・BTCリュブリャナ内に新型コロナウイルス陽性反応が出たことで、10月7日のブラバンツペイルを最後にレースから遠ざかっている與那嶺だが、11月6日(金)から3日間開催される女子ワールドツアー最終戦のマドリードチャレンジbyブエルタに出場予定だ。

text:So.Isobe