ジロ・デ・イタリア1回目の休息日に行われたPCR検査で、スタッフ4名が陽性となったミッチェルトン・スコットがチーム撤退を発表。ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)も陽性が発覚したほか、アージェードゥーゼールとイネオス・グレナディアーズのスタッフ1人ずつも陽性となってしまった。



ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
多数のCOVID-19陽性が発覚したのはジロ・デ・イタリア初回の休息日に行われたPCR検査において。第10ステージのスタート前に出されたUCI(国際自転車競技連合)のプレスリリースによれば、571件のPCR検査の結果、選手2人(サンウェブとユンボ・ヴィスマ1人ずつ)と、スタッフ6名(ミッチェルトン・スコット4名、アージェードゥーゼールとイネオス・グレナディアーズ1人ずつ)という合計8名の陽性反応が検出された。

このうち、ユンボ・ヴィスマの選手は総合11位につけていたステフェン・クライスヴァイク(オランダ)だった。チームによればクライスヴァイクに自覚症状はなく、残るステージへの意欲を燃やしていたという。「チーム内では感染を避けるべく様々な手段を講じており、僕自身健康そのものだ。こんな結果が出たとは信じられないよ。ジロから去らねばならないこの現実はとても残念だ」と、前哨戦ドーフィネでの落車で肩を脱臼し、ジロに照準を合わせていたクライスヴァイクは失望を言葉にしている。

マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) photo:CorVos
また、サンウェブは追って陽性反応が出た選手がマイケル・マシューズ(オーストラリア)だったことを発表。幸いマシューズも無症状で健康を維持しており、現在隔離状態に置かれているという。

チーム単位での離脱を余儀なくされたミッチェルトン・スコットチーム単位での離脱を余儀なくされたミッチェルトン・スコット photo:LaPresse
また、スタッフ4名が陽性となったミッチェルトン・スコットは検査結果を受けてジロからの撤退を表明。ブレント・コープランドGMは「幸い陽性反応が出たスタッフは全員無症状か軽い症状だが、組織としての最優先事項は全選手とスタッフの健康だ。現在は撤退する選手とスタッフが快適に自主隔離できる場所まで安全に移動することだ」とコメントする。

「RCS Sportとジロに残るプロトンが、2020年のジロ・デ・イタリアを無事終えることを願っている。2021年大会に再び戻ってくることを楽しみにしている」とプレスリリースの最後に加えている。ミッチェルトン・スコットは、自主的PCR検査で陽性となったサイモン・イェーツ(イギリス)を含め合計5人が陽性となった。

クライスヴァイクのアシストを務めていたヨス・ファンエムデン(オランダ)は、陽性発覚前のインタビューで主催者のずさんな感染対策をやり玉にあげていた。ファンエムデンによれば、ジロ初日にミッチェルトンを含む複数チームが宿泊したホテルでは一般客やニュートラルサービスのスタッフなど「レースバブル」外の人々がチームと同じビュッフェで食事を摂っていたという。

ジロ・デ・イタリアはツール・ド・フランスの「ツーアウトルール(チーム内で2人陽性反応が出た場合チームごとリタイア)」を適用していない。各チームや選手から、感染拡大を心配する声が挙がる中での事態となった。

text:So Isobe

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