「最後まで勝てると信じてスプリントし続けた」。そう語るのは、両手をあげたジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)の横でハンドルを投げ込んで先着したプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)。波乱のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを走った選手のコメントを紹介します。


1位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

最後まで勝てると信じてスプリントし続けた。タイトなフィニッシュで、この結果は信じられない。信じられない気持ちに包まれている。終盤に力強い走りを見せてくれたトム・デュムランだけじゃなく、ユンボ・ヴィスマのメンバー全員がこの勝利をお膳立てしてくれた。初出場のリエージュで初のモニュメント制覇。勝ちたいと思っていたレースで勝ったことを嬉しく思う。

残念な結果に終わったツール・ド・フランスの後、すぐに気持ちを切り替えた。これまでモニュメントではいつも何かが足りていなかったけど、ワンデークラシックでも勝てるという自信があったし、キャリアを終えるまでに少なくともモニュメントで1勝したいという強い気持ちがあった。

アタックを仕掛けるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)アタックを仕掛けるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos


2位 マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)

再びチームに良い結果をもたらすことができた。チームのおかげで重要な局面で良いポジションをキープして、ラ・ロッシュ・オ・フォーコンでのアラフィリップのアタックに反応。自分からカウンターを仕掛けたけど彼をふるい落とすことはできなかった。4人での先行が始まってからは、スプリントで勝てると思っていた。協調しながら逃げて、最後はアラフィリップの後ろからスプリント。ちょうど並びかけた時に左に寄せてきた彼のホイールと接触してしまい、ペダルからクリートが外れてしまった。

アラフィリップが降格したから2位という結果に終わったけど、あの接触がなければ違う結果になっていた(優勝していた)かもしれないだけに残念。でも起こったことは仕方がない。2位という結果には満足しているし、未来に向けての自信にもなった。

登りでアタックしたマルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)にジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が反応登りでアタックしたマルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)にジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が反応 photo:CorVos


3位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

複雑な心境だ。ずっと調子の良さを感じていて、それに応えるようにチームもよく働いてくれて、最後のセレクションに残ることができた。そして脚に力を感じながら最終ストレートでスプリント。勝利に向けて加速したけど、一瞬で状況が変わった。とにかく落車せずに安全にフィニッシュできたことを喜ばないといけない。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュは出場するだけで嬉しくなる偉大なレース。昨年初出場で18位に入った時、このレースのことがとても気に入ったんだ。だから1年後こうして勝負に絡むことができて素晴らしい気分。来年以降また出場して、今度は運を味方につけたい。

2位マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)、1位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)、3位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)2位マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)、1位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)、3位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos


4位 マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・マクラーレン)

調子は良かったし、チームのサポートを受けて良いポジションで勝負に挑むことができた。ツールが終わってから調整を合わせてきたレースで結果を残すことができて良かった。最後は脚が攣ってまともにスプリントできなかったけど、結果には満足している。



5位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

調子も良く、強力なチームの働きに勝利で応えたかった。ラ・ロッシュ・オ・フォーコンの急勾配区間でアタックを仕掛けて何人かで先行。協調体制を築いて追走グループとのタイム差を広げ、自信をもって残り1kmを迎えた。

残り200mからスプリントを開始したけど、そこで間違いを犯してしまった。すべての責任は自分にある。自分の斜行が他の選手たちを妨害してしまったことを謝りたい。でも同時に故意の進路変更ではなかったことを強調したい。審判団の判定を受け入れて、次のレースに集中したい。



6位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)

6位という結果に自分でも驚いているけど、同時に悔しい気持ちもある。実際に追走グループを飛び出したモホリッチが先頭に追いつくことができただけに、チャンスを逃してしまったという印象。

最後の登りで4〜5人が飛び出した時、反応する力が自分には足りなかった。正直言って限界だった。そこから力が戻ってきて追走したものの、協調体制を築けなかった。登りのアタックに反応できなかったことよりも、モホリッチのように追走できなかったことが悔しい。モホリッチは追走グループから2回アタックした後、そこまで力を使わずに3回目のアタックで飛び出した。

初出場のリエージュで6位という結果には満足しないといけない。試走もしていなかったし、直前のレースで調子の良さを見せていただけにライバルたちのマークも厳しかった。将来的にこのリエージュで勝てると思う。今は望み通りの調子の良さ。次のレースが楽しみだ。

「コート・ド・ラ・ルドゥット」の登りをこなすマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)「コート・ド・ラ・ルドゥット」の登りをこなすマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:CorVos


16位 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)

トレックジャージで走る最後のレースでもっと良い結果を出したかった。長いシーズンの中で身体は疲れ切っているけど、今日もチームは強力にサポートしてくれた。先頭からそこまで離れていない集団でモニュメントを終えることができて良かった。これから残りのシーズンは家族と過ごす。2年間サポートしてくれたトレック・セガフレードに感謝。ファンタスティックな2年間だった。

text:Kei Tsuji

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