ディメンションデータそしてNTTプロサイクリングとして活動してきた南アフリカチームが解散の危機を迎えている。メインスポンサーの降板が決定し、チームは「将来存続するために戦うことを約束する」とコメントしている。



チーム解散の危機を迎えたNTTプロサイクリングチーム解散の危機を迎えたNTTプロサイクリング photo:CorVos
9月28日付のNTTプロサイクリングのプレスリリースによれば、NTT(ロンドンに拠点を置くNTTグループの特定子会社NTT Ltd.)は2020年以降のスポンサー契約を更新しないことを通達。チーム代表のダグラス・ライダー氏は、28日の夕方にワールドチームとコンチネンタルチーム(育成下部チーム)に所属する全メンバーに対して、スポンサー降板を伝えたという。

NTTプロサイクリングには今年序盤にビャルネ・リース氏が加入。その伝(つて)でデンマーク企業がメインスポンサーに就く噂もあったものの、現在に至るまで明確な情報は報じられていない。NTTプロサイクリングはメインスポンサーに降板意思があるため、2021年以降に向けた新規選手獲得ができていない状態だった。

「もちろん非常に残念なニュースだが、我々はチームの将来のために戦うことを約束し、アプローチできるあらゆる可能な道を模索していく」とリリースでは触れられている。

チームは2007年、アフリカの自転車振興活動を後押しする南アフリカ籍のコンチネンタルチームとして発足し、2013年(MTNクベカ)にはプロコンチネンタルチームへと昇格。エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)ら大型補強を行った2015年にはアフリカチームとして初めてツール・ド・フランスに出場し、スティーブ・カミングス(イギリス)がステージ優勝を挙げるなど躍進。2016年からはワールドチームに昇格に伴ってディメンションデータとなり、2020年は企業戦略によってNTTプロサイクリングへ。数十年ぶりとなる日本企業がタイトルスポンサーに就き、全日本王者の入部正太朗を獲得していた。

新型コロナウイルスによる遅延進行中の2020シーズンだが、既に2021年まであと2ヶ月に迫ったタイミングでのメインスポンサー降板。チームはこの先2年間有効なワールドツアーライセンスを保有しているが、連絡先が記されたプレスリリース内容から判断するに、現在のところ有力候補は見つかっていないようだ。

text:So Isobe