奈良県内で様々なサイクルイベントを企画する「FABU Project」が2010年より始動し、その第1戦目となる「花吉野クリテリウム」が4月25日、緑豊かな奈良県中南部大淀町で開催された。

この新しく生まれたレースイベントに、一般レーサーとして参加したEURO-WORKSレーシングの森 俊夫さんによるレポートをお届けしよう。

C1クラスのレースの模様 さすが上級者C1クラスのレースの模様 さすが上級者

花吉野クリテは年間4戦開催を目指し、奈良県のロード競技のレベルアップと超初心者でもロードレースの基本を学べる大会を目標にしている。
カテゴリーは超初心者C5から登録者が参加するC1まで細かく分け、参加者がステップアップすることが出来るようなルール作りも行っている。今回は第1回花吉野クリテに参加した、参加者目線のレポートを書きたいと思う。

当日は4月とは思えないほどの暖かい天候に恵まれ、100名超える様々なレベルの参加者が集まった。
会場の雰囲気は「手作り感あふれる」感じ。スタッフの方達もあわただしく会場の設営にあたっている。

コースは約2kmの周回コースで、少しのアップダウンと左右に連続するコーナー、ストップ&ゴーのU字コーナーなど非常にテクニカルなコース設定だ。
実際に走ってみた感想は、レースのスピードはそれほど上がらないが、実力差ははっきり出るコースだと感じた。

さて、C3からスタートするレースは、各カテゴリー30名ほどのスタートとなった。

C3クラスのレースの模様C3クラスのレースの模様 C3クラスのゴールC3クラスのゴール


このクラスはさすがにレースに慣れた方達も多く、大した混乱も無くレースが進み、最後は集団ゴールスプリントになった。

あわせて駐車場の一角を使い、キッズライディングスクールも開催。地元奈良のプロチーム「CIERVO NARA」の辻貴光選手と一緒にキッズ達は自転車を楽しんでいた。

続いてC4クラスがスタート。こちらはまだ初級クラスだけあり、少し緊張した雰囲気。だが落車も無くレースは進み、最後は最終周回で飛び出した3名によるスプリント勝負になった。

C4クラスのレース 初級クラスだけあり、少し緊張した雰囲気だC4クラスのレース 初級クラスだけあり、少し緊張した雰囲気だ

次に小学生のクラスであるアンダー12、アンダー9が行われる。
花吉野クリテは、近郊の小学生とレース経験のある子供達が一緒に走れる機会になればと、小学生、未就学クラスは無料で参加出来るのが魅力の一つになっている。

小学生クラスはショートコースを使って行われ、アンダー12のレースの方は地元の選手が独走で優勝を飾り、アンダー9はまだあどけない子供達が一生懸命ペダルをこいでいる姿に歓声が上がる。
未就学クラスは超ショートコースで行い、全員無事完走を果たした。
花吉野クリテをきっかけにロードレースの世界に、そしていつか地元の子達がヨーロッパへと...。夢は大きい。

レースに先立ってプロ選手によるアドバイス走行を実施

C5クラスのスタート プロ選手や上級クラスの選手が集団走行のアドバイスを行うC5クラスのスタート プロ選手や上級クラスの選手が集団走行のアドバイスを行う

次に超初心者クラスのC5がスタートラインに並ぶ。またここでも花吉野クリテ独自のプランが試された。
C5は全7周回と、距離は一つ上位カテゴリーのC4と同じだが、スタートから3周はレースをコントロールするスタッフを追い抜いてはいけないというもの。そしてその3周の間は、プロ選手や上級クラスの選手が集団走行のアドバイスやレース中にやると危険な行為などをアドバイスしながらレースを完全にコントロールするという試み。
これもレース初心者が安全にレースを走るルールを学び、レベルアップしていって欲しいというFUBU Projectの気持ちの表れだ。

C5クラスのゴールC5クラスのゴール

実際のレースは地元チームと辻選手の協力で狙い通りのレース運びになった。3周の間に徐々にペースは上がり、実力のある選手は前方へ、まだ十分でない選手は中盤から後方へという隊列になり、最後は最終周回で抜け出した4名のスプリントになった。

また本レースがスタートしたあとも落車ゼロで無事レースを終えたのは大きな成果だ。

実際のC5参加者たちは「集団でレースが進んで自分もレースに出てるんだ!と興奮した」「3周目くらいからレースの雰囲気に慣れてきて、本番がスタートしたので怖くなかった」といったコメントもあり、試みは成功したようだ。

またタンデムでの参加(オープン参加のため順位はつかない)も認められていたので、1組がレースに参加された。

次は上級クラスであるC1とC2のレースが行われた、今回はC1の参加が少なくC2と混合でレースをスタートした。こちらは18周回・約1時間の白熱したレース展開に観客も盛り上がりをみせた。

レースはゲスト参加の辻選手が後続を大きく引き離し単独でゴール。後続は大学生が集団スプリントを制した。

午後からはまたまた花吉野クリテ独自のプラン「チャレンジレース」が開催された。午前中のレース結果を元に、各クラス上位と下位に分け、上位と一つ上のクラスの下位を組み合わせてレースを行った。一日に2レース走れる「お得感」と、上位クラスと走る「チャレンジ」が組み合わさったレースだ。
こちらも各クラス激しいバトルがあり、大会は締めくくられた。

その後、表彰式では入賞者に地元でとれた野菜や地酒が賞品として贈られた。

終わってみれば単独での落車はあったものの、大きな落車は無しというクリテリウムとしては珍しい結果になった。比較的安全なコースと安全を重要視したレース運営のおかげと言えるだろう。
そして随所に出場する選手の事を一番に考えた試みがあり、満足度は高いイベントだったと思う。

次回は7月11日に開催が決定している。花吉野クリテを始めてのレースにされてはどうだろうか? 関西近郊の自転車レーサーの皆さんの参加をお待ちしています。



text:森 俊夫(EURO-WORKS)