逃げが生まれない珍しい展開となったツール第5ステージ。チームに2連勝をもたらしたファンアールトや、完璧なトレインを組みながらも敗れたボル、ペナルティによりマイヨジョーヌを失ったアラフィリップなどのコメントを紹介します。



ステージ優勝 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)

集団スプリントを制したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)集団スプリントを制したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto.AYANO
とても良い勝利だ。今日のチャンスを与えてくれたチームにとても感謝している。ステージ勝利によって彼らの自信に報いることができたのが、何より嬉しい。一度きりのチャンスを掴んだんだ。これはとても素晴らしいことだ。

すごく楽なステージだったが、やはり最後はかなり難しいかった。ステージを通して逃げができなかったからペースはそこまで速くなく、多くの選手がフィレッシュな状態だった。終盤の1時間は速度も速く、風もあったから最後はかなり慌ただしかった。

このステージが僕にピッタリだと分っていた。位置取りがとても重要だった。サンウェブのリードアウトの後ろという非常に良いポジションにつくことができた。(ケース)ボルが加速したと同時にスプリントを開始した。とても狭かったが、数cmあれば十分だった。これで勝利を手に入れたから、明日からはプリモシュ(ログリッチ)とトム(デュムラン)の為に働くよ。大きな喜びと幸せを感じながら、仕事をしたいと思っている。

ステージ2位 ケース・ボル(オランダ、サンウェブ)

ファンアールトと競り合うケース・ボル(オランダ、サンウェブ)ファンアールトと競り合うケース・ボル(オランダ、サンウェブ) photo:CorVos
残り5kmから僕たちは先頭に立つことができた。チームメイトのみんなは本当に強かった。チームから自信を感じられたし、みんな素晴らしい引きをしてくれた。僕自身良いスプリントができたし、僕たちは何のミスもしていない。でも残念ながら自転車レースでは最後に一人の選手が僕たちより速いだけで、それらが報われないときもある。

今日はいつもより少しだけ難しかったので、先頭がキツいと後ろの選手も苦しむようになっていた。チームのみんなはとても良いペースを保ったのだが、最後はああなってしまった。最後はワウト(ファンアールト)が少しだけ速かった。もちろん残念だが、今日のような走りを続けていけば、必ず勝利を掴めると確信している。

ステージ3位&マイヨヴェール サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)

マイヨヴェールを手に入れたサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)マイヨヴェールを手に入れたサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Makoto.AYANO
本当に慌ただしいスプリントだった。正直、残り3kmでスプリントする脚がないと感じていたんだ。最後はとても難しく、フィニッシュラインに近づくにつれそう感じていた。今日はグリーンジャージを手に入れることに集中していた。(同じアイルランド人である) ショーン・ケリーやステファン・ロッシュの足跡に続くことができ、信じられない気持ちだ。マイヨヴェールを着用できて嬉しいし、誇りに思う。この瞬間を楽しんで引き続きグリーンジャージの為に戦い続けたいと思っている。

ステージ4位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

ファンの声援に応えるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)ファンの声援に応えるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Makoto.AYANO
思った通り最後は集団スプリントになった。今日はポイントをいくつか失ったが、同時にいつか獲得したので問題ない。ダニエル(オス)が最後のスプリントに向け良い位置につけてくれた。(ワウト)ファンアールトが良いスプリントで勝利した一方で、俺は4位だった。ツール・ド・フランスはまだ長いし、山岳ステージが待っている。リラックスして走らなければならない。

ステージ5位 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)

簡単な一日だったから最後はクレイジーになると分っていた。僕たちはすごく良かったが、残り10kmでマッズ(ピーダスン)がバイク交換をしなければならず、そこでエネルギーを使ってしまった。そこで10秒ほど遅れたから(スプリントでは)ギャンブルを強いられた。

このフィニッシュは好きだったから、コーナーで(先頭集団から)離れすぎてしまったのは残念だ。またマッズを戻すために多くのエネルギーを使わなければなず、チームワークが上手くいかなかったことも残念だ。でもしょうがないし5位には入れた。もっと上の順位に入れたかもしれないが、トライはした。

今日が第5ステージでまだ4日しか経っていないのにも関わらずプロトン全体が疲れていることに、みんな驚いているだろう。例年だったら最初の休息日明けに向かって脚の疲れを感じていくのに、今年はそれが通常より早いんだ。

マイヨジョーヌ アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

転がり込んだマイヨジョーヌ表彰台に登壇するアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)転がり込んだマイヨジョーヌ表彰台に登壇するアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:Makoto.AYANO
今日は本当に穏やかな一日だった。逃げもなく最初の100kmほどはただ走っていただけだ。その後の終盤では、向かい風と横風が吹いていたのでかなり緊張した。

思っていたジャージの手に入れ方ではない。ジュリアン(アラフィリップ)に何が起こったのかまだ分からないが、補給を取るのが遅れたからペナルティを受けたとかだと聞いた。このような状況でイエロージャージを着たい選手はいないと思う。ペナルティよりも自分の脚で着る方がいい。バスでシャワーを浴びた後まで知らなかったんだ。

彼には申し訳ないと思っている。ジャージは明日手に入れたいと思っていたので、同じ作戦で挑み、ステージを勝ちたいと思っている。

ペナルティでマイヨジョーヌを失ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

マイヨジョーヌを失うことになるジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)マイヨジョーヌを失うことになるジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:A.S.O./Alex Broadway
どうやら許可されていない場所で補給を取ったようだ。審判の判断だからどうすることもできない。(悪いことは)全くしていない、全くしていないよ。

今日はとても長く、とても退屈なステージだった。そしてとてもナーバスな最後だった。ジャージを守るため集中しなければならなかったし、サム(ベネット)で勝とうと思っていた。彼がグリーンジャージを着ることになったのは良いニュースだ。

そういうことなら仕方ない。明日(マイヨジョーヌを)取り戻し、もうこの話はしない。

肋骨骨折しながらも完走し敢闘賞を獲得したワウト・プールス(オランダ、バーレーン・マクラーレン)

肋骨骨折中のワウト・プールス(オランダ、バーレーン・マクラーレン)肋骨骨折中のワウト・プールス(オランダ、バーレーン・マクラーレン) photo:Makoto.AYANO
まだまだ先は長い。最初の休息日で様子を見ようと思う。いつでもバイクを降りる心づもりはできている。いま自転車に乗ることはそこまで身体に悪いことではないし、身体にダメージを与えることもない。

text:Sotaro.Arakawa

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