トップスプリンターであるエリア・ヴィヴィアーニの足元を支えるDMTのフラッグシップロードシューズのKR1。ニット生地をアッパーに採用し、履き心地を高めた一足をインプレッションしよう。



DMT KR1DMT KR1
数多くのプロダクトが供給されるプロ選手でも、シューズにこだわりを持ち好みの物を選ぶ選手も少なくない。コフィディスのエーススプリンターであるエリア・ヴィヴィアーニは、イタリアのシューズブランドDMTより個人的にスポンサードを受けている。彼が履くモデルはフラッグシップのKR1。ヴィヴィアーニとDMTが共同開発を行ったニット素材のアッパーを使用した一足だ。またDMTはNIPPOデルコ・ワンプロヴァンスをサポートしており、今季は別府史之ら日本人選手も着用している。

これまで合成皮革などをメイン素材としてきたアッパーにニット生地が用いられるようになったのはこの数年。ランニング用シューズからニット生地が採用され始め、徐々にサイクリングシューズでも見かけるようになってきており、その中でも早いタイミングでリリースされていたのがDMTのKR1である。

アッパーはタン部分も含め1枚のニット生地とされているアッパーはタン部分も含め1枚のニット生地とされている メッシュ構造となる部分やそうでない部分など様々な編み込みが行われているメッシュ構造となる部分やそうでない部分など様々な編み込みが行われている

足首部分も靴下のようなニット生地とされている足首部分も靴下のようなニット生地とされている タン部分の生地中央部はひと段階厚く作られているタン部分の生地中央部はひと段階厚く作られている


KR1に使用されている生地は3Dニットアッパーと呼ばれており、編み込みの段階で既に3次元構造としていることが特徴。一般的な生地の場合は平面的なパーツを折り曲げ、複数の生地を組み合わせ立体に仕上げるが、KR1の場合は3Dニットテクノロジーによりアッパーを一枚で完結させている。

1枚のアッパーとすることで縫い目や生地の重なり部分が無くなるため、より柔軟なフィット感、通気性を確保する事ができ、ニット素材の柔らかさや通気性の良さを引き出す事が可能となる。

シューズの内側にはインサートを備え、縫い目が直接当たることを防いでいるシューズの内側にはインサートを備え、縫い目が直接当たることを防いでいる スリップ防止のためにグリッパーが設けられているスリップ防止のためにグリッパーが設けられている

DMTの剛性指数では15をマークする。ヴィヴィアーニのスプリントを支えるアウターソールだDMTの剛性指数では15をマークする。ヴィヴィアーニのスプリントを支えるアウターソールだ インソールの前足部にはパンチングが行われた。シューズ本体にも同様のパンチングが施されているインソールの前足部にはパンチングが行われた。シューズ本体にも同様のパンチングが施されている


一方でニット生地の弱点である生地の伸びや型崩れを防ぐためにライナーを走らせている。かかと部分にもコーティングを施すことで、引き足などでストレスがかかりやすい部分の生地を保護している。素材の良さとロードシューズとして求められる機能の両立を目指した形だろう。

また、ニット生地も部分によって与えられている機能が変化させられている。足にプレッシャーがかかる部分は3mm厚の生地とすることで生地から受けるストレスを低減。足首部分には柔軟性、本来タンが来るべきシューズ中央部には伸縮性を与えることで、フィット感と快適な着用感を実現している。

42.5サイズの実測重量は258gだ42.5サイズの実測重量は258gだ
クロージャーシステムはBOAダイヤル一つの仕様だ。アウターソールはDMTが指標とするインデックスで "15"という非常に高剛性なカーボン製としている。トラックで金メダルを獲得するヴィヴィアーニの踏力に応えるためのシューズというのが納得できる仕様だ。

ラインアップにはオレンジ、ブラック、ホワイトの3色が揃う。37〜44まで、39.5〜43.5まではハーフサイズも揃う非常に豊富なサイズ展開とされている。重量は240g。価格は45,000円(税抜)。それではインプレッションに移ろう。



―編集部インプレッション

JPTを走るCW編集部の高木がインプレッションを担当JPTを走るCW編集部の高木がインプレッションを担当
今回、インプレッションするのは2018年にDMTよりデビューしたフラッグシップシューズ「KR1」。2019年のヨーロッパチャンピオンであるエリア・ヴィヴィアーニが開発に携わったこともあり、プロ選手が求めるフィット感とスプリンターの期待に応える剛性感を備える一足だ。

インプレッションを担当したのはCW編集部・高木。普段のレースや練習で着用しているシューズはスペシャライズドの42サイズで、シマノやジロを履く場合は43サイズを選択している。また、足の幅が広いため、ワイドモデルが設定されている場合はそちらを選ぶことも多い。

そんな私がKR1のテストにあたり選んだサイズはハーフサイズの42.5。結果的にはこれがジャストフィット。イタリアンブランドのシディやフィジークなどは細身のものが多く、ワイドモデルが欲しくなることもあったが、同じイタリアンブランドでもDMT KR1は私の幅広の足でもすんなりと収まる。

非常に柔軟性に優れているため、タンとアッパーが一体とされていても履きやすい非常に柔軟性に優れているため、タンとアッパーが一体とされていても履きやすい
縫い目のないニットを採用したシューズを着用する機会は今回のテストが初めて。足をシューズに入れたと同時に柔らかく足を包み込むようなフィット感が得られ、この柔軟な履き心地がニット素材の良さだと感じる。特にタンと一体化したシームレスニットアッパーにより、甲が高い日本人の足でも一般的なシューズに比べ圧迫感を感じない。

アッパー素材は厚すぎず、薄すぎない厚みのため、BOAダイヤルを搭載したシューズでありがちなダイヤル本体が足の甲に食い込んで痛みが出る症状は無い。そのため、強めにBOAダイヤルを締めても、足の甲に沿って綺麗にフィットして履くことができる点において非常に好印象。

ソックスの上にさらにもう一枚厚みのあるソックスを履いているような感覚で、ペダリング時には足とシューズが一体化しているよう。KR1はアッパーがくるぶしにかかるほど高く作られているが、生地の柔軟性が優れているため足の動きに合わせて伸縮してくれる。シッティングとダンシングの切り替えで踏み方を変えた時も違和感なくペダリングできる上、くるぶしが高いことで足首がサポートされているような感覚がある。

ソールはヴィヴィアーニが使うシューズらしく超高剛性ソールはヴィヴィアーニが使うシューズらしく超高剛性
ニット素材の弱点である伸びに関しては、症状が出やすいと思われるスプリントで感触を確かめてみた。1000Wを超えるパワーを出力してもKR1は一般的なシューズとほぼ変わらない感覚でスプリントすることが可能だった。気になることがあるとしたら、引き足を強く使う時に若干の伸びが感じられる程度。ただ実用上は問題無く、1000Wを超えるようなシチュエーションではないとその違いは感じられない。

これはアッパーのタン部に丈夫なニットを使用していることやインサートライナーで補強されていることで強度を確保しているためだろう。また、シューズの内側の踵には狭いヒールカップとシリコングリッパーが設けられているため、踵のホールド感も抜群に良い。

アウトソールはスプリントでも力を逃さず、力を全て自転車へ伝えると感じるほど非常に硬い。流石、スプリンタ―のエリア・ヴィヴィアーニが開発しただけある。まさにレーサーのためのシューズであると再認識させられる。

DMT KR1DMT KR1
通気性に関しても好感触を得ている。アッパーのつま先部に大きめのパンチング加工とアウトソールの前部に通気口、インソールには大きめのパンチング加工が施されているおかげで、30℃を超える気温の中でも快適に走ることができた。涼しすぎることもなく、ソックスやシューズカバーで気候に合わせて組み合わせればオールシーズン使えそうだ。

ニット素材を使用したシューズの懸念事項は、生地の柔らかさゆえの型崩れ。KR1の場合はアッパー下部に強化コーティングが施されているため、型崩れも起こりにくそうだ。また、コ―ティングにより汚れが付着しにくくなっており、雨のライドでも安心して走れるだろう。

今回、インプレッションしたオレンジは目を引く色で、ウェアコーディネートのワンポイントアクセントとしても良さそうだ。ブラックとホワイトも用意されており、大人しい色を求めるライダーにはそちらを選ぶことも可能だ。このKR1はレーサー仕様ではあるが、シューズに快適さを求めるホビーライダーにもオススメ出来るシューズである。(CW編集部・高木)

DMT KR1
カラー:オレンジ、ブラック、ホワイト
サイズ:37、38、39、40、41、42、43、44(ハーフ39.5-43.5)
重量:240g
価格:45,000円(税抜)
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