1級山岳モンティエール峠を含め、5つのカテゴリー山岳を通るツール・ド・ラン第2ステージ。ユンボ・ヴィズマがチーム力でイネオスのアシスト陣を引き剥がし、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)が余裕のスプリント勝利を上げ、総合順位でも首位に立った。
ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)らワールドチーム5人による逃げ集団 (c)Tour De L’Ain
ツール・ド・ラン2020 第2ステージコースプロフィール (c)Tour De L’Ain気温が35度を越す暑さの中で行われたツール・ド・ラン(UCI2.1)第2ステージは、距離140kmながら1級山岳モンティエール峠を含む5つのカテゴリー山岳が獲得標高3,280mを作り出す厳しい山岳コース。逃げ切りも十分に可能なコースレイアウトで逃げ集団を形成したのは、ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)、ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム)、ニルス・ポリッツ(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)、ヤーコ・ハンニネン(フィンランド、AG2Rラモンディアール)、シモン・グリエルミ(フランス、グルパマFDJ)というワールドチームの5人だった。
メイン集団に対して最大5分差を稼いだ逃げ集団だったが、集団牽引が総合リーダーのアンドレア・バジオーリ(イタリア)を抱えるドゥクーニンク・クイックステップからユンボ・ヴィズマに代わると、その差が一気に縮まる。残り30kmから1級山岳モンティエール峠(9.1km/平均勾配6.3%)の登りが始まると、一人、また一人とメイン集団に吸収され、最後まで粘ったこの日の敢闘賞ハンニネンが捉えられる頃には、メイングループの人数は9人まで絞られていた。
リーダージャージを着用するアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
モンティエール峠で集団から遅れたゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) (c)CorVos
残り2kmまで集団を引いたジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ)が先頭でペースを作り始めると集団の人数は更に減り、生き残ったのはユンボ・ヴィズマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)とステフェン・クライスヴァイク(オランダ)、エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)、ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)の6人。強豪勢ばかりに絞られた状態でモンティエール峠の頂上を越えた。
下りでヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)とジョナタン・カストロビエホ(スペイン、チームイネオス)が先頭集団に合流するが、フィニッシュラインのあるモン・ジュラを登り始めた残り12kmで、ユンボ・ヴィズマのもう一人のエースであるクライスヴァイクがすかさずアタック。息をつく間もなくカストロビエホがベルナルの為に追いかけ、残り8.5kmで捉えると、カストロビエホは仕事を終え脱落。ベルナルが再び単独でユンボ・ヴィズマの3人に挑む形となった。
余裕のスプリントでベルナルを下したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) (c)Tour De L’Ain
クライスヴァイクが先頭を引く集団のまま残り2kmを過ぎるが、平均勾配2.6%、最大でも6%しかない緩斜面の登りは、アシストのいないベルナルやモレマ、キンタナにとっては仕掛けどころが見つからない。残り500mでようやく踏み込んだモレマだったが、クリートが緩むトラブルでストップ。ベルナルが飛び出すが、ベネットとクライスヴァイクの後ろで脚を溜めることができたログリッチがその後ろから加速し追い抜いた。最後は余裕を見せながらフィニッシュラインを一番に通過し、総合リーダーでも首位に立った。
お馴染みテレマークを見せるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) (c)Tour De L’Ain
最終日となる第3ステージのグランコロンビエール峠の頂上フィニッシュに向け、調子の良さとチーム力を見せつけたログリッチ。「素晴らしいチームによるパフォーマンスだった。チーム全員が強さを見せつけた。ジョージ(ベネット)はよく頑張ったし、ステフェン(クライスヴァイク)はアタックしてくれた。スプリントまで待っていたかったんだ。昨日より今日が良い結果になって良かった。ようやくまた自転車に乗って、自分の仕事ができるようになってとても嬉しい。今日のレースを楽しめた」とコメントしている。
モンティエール峠で集団から遅れたゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)は、トム・デュムランと共にトップから4分51秒遅れでフィニッシュ。昨日パンクで遅れたクリストファー・フルーム(イギリス、チームイネオス) は、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)や中根英登(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)と同じ集団の12分17秒遅れ、別府史之(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)は28分41秒遅れででゴールにたどり着いている。


メイン集団に対して最大5分差を稼いだ逃げ集団だったが、集団牽引が総合リーダーのアンドレア・バジオーリ(イタリア)を抱えるドゥクーニンク・クイックステップからユンボ・ヴィズマに代わると、その差が一気に縮まる。残り30kmから1級山岳モンティエール峠(9.1km/平均勾配6.3%)の登りが始まると、一人、また一人とメイン集団に吸収され、最後まで粘ったこの日の敢闘賞ハンニネンが捉えられる頃には、メイングループの人数は9人まで絞られていた。



ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ)が先頭でペースを作り始めると集団の人数は更に減り、生き残ったのはユンボ・ヴィズマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)とステフェン・クライスヴァイク(オランダ)、エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)、ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)の6人。強豪勢ばかりに絞られた状態でモンティエール峠の頂上を越えた。
下りでヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)とジョナタン・カストロビエホ(スペイン、チームイネオス)が先頭集団に合流するが、フィニッシュラインのあるモン・ジュラを登り始めた残り12kmで、ユンボ・ヴィズマのもう一人のエースであるクライスヴァイクがすかさずアタック。息をつく間もなくカストロビエホがベルナルの為に追いかけ、残り8.5kmで捉えると、カストロビエホは仕事を終え脱落。ベルナルが再び単独でユンボ・ヴィズマの3人に挑む形となった。

クライスヴァイクが先頭を引く集団のまま残り2kmを過ぎるが、平均勾配2.6%、最大でも6%しかない緩斜面の登りは、アシストのいないベルナルやモレマ、キンタナにとっては仕掛けどころが見つからない。残り500mでようやく踏み込んだモレマだったが、クリートが緩むトラブルでストップ。ベルナルが飛び出すが、ベネットとクライスヴァイクの後ろで脚を溜めることができたログリッチがその後ろから加速し追い抜いた。最後は余裕を見せながらフィニッシュラインを一番に通過し、総合リーダーでも首位に立った。

最終日となる第3ステージのグランコロンビエール峠の頂上フィニッシュに向け、調子の良さとチーム力を見せつけたログリッチ。「素晴らしいチームによるパフォーマンスだった。チーム全員が強さを見せつけた。ジョージ(ベネット)はよく頑張ったし、ステフェン(クライスヴァイク)はアタックしてくれた。スプリントまで待っていたかったんだ。昨日より今日が良い結果になって良かった。ようやくまた自転車に乗って、自分の仕事ができるようになってとても嬉しい。今日のレースを楽しめた」とコメントしている。
モンティエール峠で集団から遅れたゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)は、トム・デュムランと共にトップから4分51秒遅れでフィニッシュ。昨日パンクで遅れたクリストファー・フルーム(イギリス、チームイネオス) は、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)や中根英登(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)と同じ集団の12分17秒遅れ、別府史之(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)は28分41秒遅れででゴールにたどり着いている。
ツール・ド・ラン2020 第2ステージ結果
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 3:58:14 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | |
3位 | ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | |
5位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:07 |
6位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 0:15 |
7位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:16 |
8位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | ジョナタン・カストロビエホ(スペイン、チームイネオス) | 0:20 |
10位 | ヤン・ヒルト(チェコ、CCCチーム) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 7:14:58 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 0:10 |
3位 | ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:12 |
4位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:16 |
5位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | |
6位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:23 |
7位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 0:31 |
8位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:32 |
9位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | ヤン・ヒルト(チェコ、CCCチーム) | 0:36 |
その他の特別賞
山岳賞 | ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード) |
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) |
ヤングライダー賞 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
敢闘賞 | ヤーコ・ハンニネン(フィンランド、AG2Rラモンディアール) |
チーム総合成績 | ユンボ・ヴィズマ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Tour de l'Ain
photo:CorVos, Tour de l'Ain
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