フランス東部に広がるジュラ山脈を舞台とする3日間のステージレース、ツール・ド・ランが開幕。平坦ステージの初日はアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が混戦スプリントを制し、リーダージャージを獲得した。
ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) (c)CorVos
420日振りのレースとなるトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
アレクシス・ブルネル(フランス、グルパマFDJ)ら4名による逃げグループ (c)Tour de l’Ain
今年32回目を迎え、スイスとの国境にほど近いフランス東部のジュラ山脈を走る3日間のツール・ド・ラン。今年のステージ構成は昨年大会と同様に初日に平坦ステージ、2日目にジュラ山脈を登る中級山岳フィニッシュ、そして最終日は標高1501mのグランコロンビエール峠の頂上フィニッシュで優勝者が決まる。
例年であれば5月下旬にフランス人選手を中心に行われていたレースだが、ツール・ド・フランス前哨戦クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(8月12日〜16日)の直前ということもあり、ツール総合優勝狙うをエースを中心に12のワールドチームを含む24チームが集った。
ツール・ド・ラン2020 第1ステージコースプロフィール (c)Tour de l’Ain
ツール・ド・ラン2020 第3ステージコースプロフィール (c)Tour de l’Ain
特にチームイネオスはエガン・ベルナル(コロンビア)、ゲラント・トーマス(イギリス)、クリストファー・フルーム(イギリス)を、対するユンボ・ヴィズマはプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ)、トム・デュムラン(オランダ)ら豪華メンバーを揃えてきた。その他にもトレック・セガフレードはバウケ・モレマ(オランダ)とリッチー・ポート(オーストラリア)、アルケア・サムシックはナイロ・キンタナ(コロンビア)、そして日本からはNIPPOデルコ・ワンプロヴァンスの別府史之と中根英登が出場している。
ベアール=ジオヴレシアでアクチュアルスタートが切られると、早々にアレクシス・ブルネル(フランス、グルパマFDJ)、ミハウ・パルタ(ポーランド、CCCチーム)、マーティン・セルモン(ドイツ、サンウェブ)、イヴァン・チェントローネ (ルクセンブルグ、ナチュラ4エヴァー・ルーベリールメトロポール)の4人による逃げグループが形成。一方のメイン集団はアンドレ・グライペル(ドイツ)でスプリント勝利を狙いたいイスラエル・スタートアップネイションや、ユンボ・ヴィズマのトニー・マルティン(ドイツ)が中心となり、1分半のタイム差をキープしながらペースを作った。
集団先頭を引くトニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
その後セバスティアン・シェーンベルガー(オーストリア、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)が集団牽引に加わわると順調に逃げ集団とのタイムを縮め、残り18kmで前方に選手を送り込んでいるCCCチームのゲオルク・ツィンマーマン(ドイツ)が単騎で飛び出し、22秒差あったチームメイトと無事合流を果たす。しかしトニー・マルティンによって完璧にコントロールされたメイン集団が残り10km付近で吸収し、レースは振り出しに戻った。
相変わらずユンボ・ヴィズマやイスラエル・スタートアップネイション、総合リーダーを守りたいチームイネオスが前方でトレインを組む展開が続くが、残り2kmを切りジョナタン・カストロビエホ(スペイン、チームイネオス)が牽引の仕事を終えると、傾斜面を使いログリッチが先頭に位置を上げる。
すかさずベルナルがマークすると、それに続いたゲラント・トーマスやポート、キンタナの間に僅かなギャップが生まれる。残り1kmを切り緩やかな下りで再び集団となるも、登りで千切れたスプリンターの姿は消え、総合系選手たちによるスプリント勝負になった。
デュムランのリードアウトから飛び出すプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
信じられない表情で頭を抱えるアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
右にカーブを曲がると先頭集団は牽制を始めるが、登りで位置を上げていた420日振りのレースとなるトム・デュムランがログリッチのためにリードアウトを開始し速度を上げる。その後ろにスペイン籍CTのコメタ・エクストラサイクリング2選手がつくも、さらに左後方から猛然と加速してきたアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が混成を制し、キャリアハイとなる嬉しい勝利を上げた。
2018年のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュU23で2位、2019年のロンド・ド・リザールでは総合優勝し、今季からドゥクーニンク・クイックステップに加入したバジオーリ。「この信じられない勝利はチームとファビオ(ヤコブセン)のためのものだ。彼は真のファイターで、早く回復することを願っている」と、喜びとともに2日前のツール・ド・ポローニュ第1ステージで落車し人工的昏睡状態が続くチームメイトを激励し、リーダージャージに袖を通した。
初日ステージを終えたリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) (c)CorVos
パンクで遅れたクリストファー・フルーム(イギリス、チームイネオス) (c)CorVos
総合リーダーの他にポイント賞とヤングライダー賞も獲得したアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
別府と中根は先頭集団と同タイムでフィニッシュ。フルームは残り10km地点でのバイク交換に時間がかかり、集団を猛追するも1分56秒遅れでレースを終えている。



今年32回目を迎え、スイスとの国境にほど近いフランス東部のジュラ山脈を走る3日間のツール・ド・ラン。今年のステージ構成は昨年大会と同様に初日に平坦ステージ、2日目にジュラ山脈を登る中級山岳フィニッシュ、そして最終日は標高1501mのグランコロンビエール峠の頂上フィニッシュで優勝者が決まる。
例年であれば5月下旬にフランス人選手を中心に行われていたレースだが、ツール・ド・フランス前哨戦クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(8月12日〜16日)の直前ということもあり、ツール総合優勝狙うをエースを中心に12のワールドチームを含む24チームが集った。


特にチームイネオスはエガン・ベルナル(コロンビア)、ゲラント・トーマス(イギリス)、クリストファー・フルーム(イギリス)を、対するユンボ・ヴィズマはプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ)、トム・デュムラン(オランダ)ら豪華メンバーを揃えてきた。その他にもトレック・セガフレードはバウケ・モレマ(オランダ)とリッチー・ポート(オーストラリア)、アルケア・サムシックはナイロ・キンタナ(コロンビア)、そして日本からはNIPPOデルコ・ワンプロヴァンスの別府史之と中根英登が出場している。
ベアール=ジオヴレシアでアクチュアルスタートが切られると、早々にアレクシス・ブルネル(フランス、グルパマFDJ)、ミハウ・パルタ(ポーランド、CCCチーム)、マーティン・セルモン(ドイツ、サンウェブ)、イヴァン・チェントローネ (ルクセンブルグ、ナチュラ4エヴァー・ルーベリールメトロポール)の4人による逃げグループが形成。一方のメイン集団はアンドレ・グライペル(ドイツ)でスプリント勝利を狙いたいイスラエル・スタートアップネイションや、ユンボ・ヴィズマのトニー・マルティン(ドイツ)が中心となり、1分半のタイム差をキープしながらペースを作った。

その後セバスティアン・シェーンベルガー(オーストリア、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)が集団牽引に加わわると順調に逃げ集団とのタイムを縮め、残り18kmで前方に選手を送り込んでいるCCCチームのゲオルク・ツィンマーマン(ドイツ)が単騎で飛び出し、22秒差あったチームメイトと無事合流を果たす。しかしトニー・マルティンによって完璧にコントロールされたメイン集団が残り10km付近で吸収し、レースは振り出しに戻った。
相変わらずユンボ・ヴィズマやイスラエル・スタートアップネイション、総合リーダーを守りたいチームイネオスが前方でトレインを組む展開が続くが、残り2kmを切りジョナタン・カストロビエホ(スペイン、チームイネオス)が牽引の仕事を終えると、傾斜面を使いログリッチが先頭に位置を上げる。
すかさずベルナルがマークすると、それに続いたゲラント・トーマスやポート、キンタナの間に僅かなギャップが生まれる。残り1kmを切り緩やかな下りで再び集団となるも、登りで千切れたスプリンターの姿は消え、総合系選手たちによるスプリント勝負になった。


右にカーブを曲がると先頭集団は牽制を始めるが、登りで位置を上げていた420日振りのレースとなるトム・デュムランがログリッチのためにリードアウトを開始し速度を上げる。その後ろにスペイン籍CTのコメタ・エクストラサイクリング2選手がつくも、さらに左後方から猛然と加速してきたアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が混成を制し、キャリアハイとなる嬉しい勝利を上げた。
2018年のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュU23で2位、2019年のロンド・ド・リザールでは総合優勝し、今季からドゥクーニンク・クイックステップに加入したバジオーリ。「この信じられない勝利はチームとファビオ(ヤコブセン)のためのものだ。彼は真のファイターで、早く回復することを願っている」と、喜びとともに2日前のツール・ド・ポローニュ第1ステージで落車し人工的昏睡状態が続くチームメイトを激励し、リーダージャージに袖を通した。



別府と中根は先頭集団と同タイムでフィニッシュ。フルームは残り10km地点でのバイク交換に時間がかかり、集団を猛追するも1分56秒遅れでレースを終えている。
ツール・ド・ラン2020 第1ステージ結果
1位 | アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 3:17:00 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | |
3位 | ステファン・ビッセガー(スイス、スイスナショナルチーム) | |
4位 | トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
5位 | エリック・フェッター(ハンガリー、コメタ・エクストラサイクリング) | |
6位 | ギアコモ・ガラヴァグリア(イタリア、コメタ・エクストラサイクリング) | |
7位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) | |
8位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
10位 | ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 3:16:50 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 0:04 |
3位 | ステファン・ビッセガー(スイス、スイスナショナルチーム) | 0:06 |
4位 | トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:10 |
5位 | エリック・フェッター(ハンガリー、コメタ・エクストラサイクリング) | |
6位 | ギアコモ・ガラヴァグリア(イタリア、コメタ・エクストラサイクリング) | |
7位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) | |
8位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
10位 | ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
山岳賞 | イヴァン・チェントローネ (ルクセンブルグ、ナチュラ4エヴァー・ルーベリールメトロポール) |
ヤングライダー賞 | アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
チーム総合成績 | ユンボ・ヴィズマ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Tour de l'Ain
photo:CorVos, Tour de l'Ain
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