チェコツアー2日目は集団スプリントに持ち込まれ、最終コーナーを先頭で駆け抜けたヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー)が金星。ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)はリーダージャージを確保している。



各チームが隊列を組んでフィニッシュまでの距離を減らしていく各チームが隊列を組んでフィニッシュまでの距離を減らしていく (c)CorVos
プロスチェヨフを出発し、ジグザグにウニチョフを目指す193.7kmが舞台のチェコツアー (UCI2.1)2日目。中盤過ぎまで難易度の低いカテゴリー山岳が現れるが、後半50kmは完全フラットなスプリンター向けステージだ。第3、第4ステージがパンチャー向けの総合ステージであるため、登りを得意としない重量級スプリンターにとっては今大会唯一のチャンスと言える。

この日は3年連続でジャパンカップに出場したことでお馴染みのクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とマッテオ・ファッブロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、そしてヤニック・アフテルベルグ(ドイツ、マホラ・プッシュバイカーズ)が逃げを打つ。ミッチェルトン・スコットがコントロールし、定石通りの落ち着いた展開でフィニッシュまでの距離を減らしていった。

山岳賞ランキング首位に立ったクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)山岳賞ランキング首位に立ったクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
アシストとしてメイン集団を牽く総合首位のルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)アシストとしてメイン集団を牽く総合首位のルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
ポイントを稼ぎ、翌日の山岳賞ジャージ着用権利を得たボウマンらは周回コースに入ると捉えられる。散発的なカウンターアタックが続いたもののスプリンターチームを振り切るには至らず、勝負は集団スプリントへ。「決定的に主導権を握るチームが存在せず、集団内はかなりナーバスでカオスな状態だった」とカーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が振り返る展開の中、残り250m手前の最終コーナー目掛けてヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー)が飛び出した。

「最終コーナーを先頭通過して残り250mを全力で逃げ切れば勝機があると思っていた」と言う22歳のメーウスは瞬く間にリードを稼ぎ、ベルギー王者ティム・メルリエ(アルペシン・フェニックス)やマックス・カンター(ドイツ、サンウェブ)の追撃を許さず先着。アンダー23カテゴリーのメーウスが嬉しいキャリア2勝目を掴んだ。

集団スプリントを制したヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー)集団スプリントを制したヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー) (c)CorVos
スプリントに加わった総合首位のルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)はステージ9位で終え、危なげなく総合首位に。ミッチェルトン・スコットはダーブリッジに代わり総合2位グローブスでリーダージャージ堅守を狙う。

またこの日、新城幸也(バーレーン・マクラーレン)はグレガ•ボーレ(スロベニア)と共に集団後方でフィニッシュしている。
チェコツアー2020 第2ステージ結果
1位 ヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー) 4:41:34
2位 ティム・メルリエ(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
3位 マックス・カンター(ドイツ、サンウェブ)
4位 オラフ・クーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマデベロップメント)
5位 ショーン・デビー(ベルギー、ビンゴール・ワロニーブリュッセル)
6位 ダニエル・フールゴー(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム)
7位 アモリ・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)
8位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
9位 ドミニク・ニューマン(チェコ、エルコフ・カスパー)
10位 エリック・バスカ(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
個人総合成績
1位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 5:01:23
2位 カーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
3位 ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
4位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
5位 ジャック・バウアー(ニュージーランド、ミッチェルトン・スコット)
6位 ニコ・デンツ(ドイツ、サンウェブ) 0:22
7位 ニクラス・ラーセン(デンマーク、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム)
8位 ヨリス・ニューエンハイス(オランダ、サンウェブ) 0:24
9位 アンネシュ・スコーシェス(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチー)
10位 マルクス・フールゴー(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム) 0:25
その他の特別賞
ポイント賞 ヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー)
山岳賞 クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
ヤングライダー賞 カーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
チーム総合成績 ミッチェルトン・スコット
text:So.Isobe
photo:CorVos