NIPPOデルコ出場のシビウツアー開幕　雨に翻弄されたプロローグでホラーが金星

ロックダウン以後最初の国際ステージレース「シビウツアー（UCI2.1）」がルーマニアで開幕。中根英登（NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス）やボーラ・ハンスグローエなどが出場する大会の初日プロローグで、降雨前に好タイムを叩き出したニコデムス・ホラー（ドイツ、バイクエイド）が勝利を飾った。

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中根英登とNIPPOデルコ・ワンプロヴァンスの出場選手たち (c)Turul Ciclist Al Sibiului/Focus Photo Agency
シビウ市街地を走る初日プロローグ。距離2.5kmで15箇所以上のコーナーが用意された (c)Turul Ciclist Al Sibiului/Focus Photo Agencyルーマニアを舞台に7月23日（木）から26日（日）までの4日間5ステージ（最終日は個人TTと短距離ロードレースの2ステージ制）で開催されるシビウ・サイクリングツアー（UCI2.1）は、新型コロナウイルスがもたらしたロックダウン以降初となる国際レース。第1ステージは終盤20km以上にわたって平均6.12％の勾配が続く山頂フィニッシュ、第3Aステージは12.5kmの大部分が登坂となる個人タイムトライアルが用意されるなど、総合成績を狙う上では登坂力が鍵となる。

ここ近年はエガン・ベルナルとイバン・ソーサ（共にコロンビア、現チームイネオス）、ケビン・リベラ（コスタリカ、アンドローニジョカトリ・シデルメク）といった南米クライマーが連続優勝している大会だ。

当初参戦を予定していたマチュー・ファンデルプール（オランダ）らアルペシン・フェニックスは感染状況を見て参加を取りやめたものの、ボーラ・ハンスグローエとイスラエル・スタートアップネイションを筆頭に、プロチームはNIPPOデルコ・ワンプロヴァンス、ヴィーニザブKTM、バルディアーニCSFファイザネと3チームが参加。NIPPOからは中根英登や元ルーマニアナショナル王者のエドゥアルド・グロスが名を連ねた。チームリリースによれば中根は総合エースとしての出場だ。

大雨によってコースはスリッピーに。落車や強風によるフェンス倒壊などトラブルが多発した (c)Turul Ciclist Al Sibiului/Focus Photo Agency
濡れた石畳を行く (c)Turul Ciclist Al Sibiului/Focus Photo Agency
ツアー名称となった古都シビウを舞台にした開幕プロローグの距離は2.5km。石畳敷きの古い街並みを使い、15箇所以上の直角コーナーを抜けるというただでさえテクニカルなコースには序盤から激しく雨が降り注ぎ、ステージ上位は降雨前に走り終えた序盤スタート組が独占する結果となった。

その中でトップタイムを叩き出したのは29歳のニコデムス・ホラー（ドイツ、バイクエイド）だった。スリッピーなウェット石畳を走る選手は慎重な走りを強いられ、後半になると雨は止んだものの条件が悪いことには変わらない。軒並み中盤以降スタートだったワールドツアー勢は沈み、ルディ・バルビエ（フランス、イスラエル・スタートアップネイション）が9位、パトリック・コンラッド（オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ）が10位に入るのがやっとだった。

慎重にプロローグを消化したパスカル・アッカーマン（ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ） (c)Turul Ciclist Al Sibiului/Focus Photo Agency
ジュリアン・トラリュー（フランス、NIPPOデルコワンプロヴァンス） (c)Turul Ciclist Al Sibiului/Focus Photo Agency
リーダージャージを獲得したニコデムス・ホラー（ドイツ、バイクエイド） (c)Turul Ciclist Al Sibiului/Focus Photo Agency
また、中根はホラーから30秒遅れのステージ42位で初日を終了。自身のTwitterでレースを「スタート前に土砂降り。コースの半分以上がパヴェ区間。チームで1走目だった元MTBフランスチャンピオンの自分より圧倒的にバイクコントロールが上手いトラリウーですら滑ってしまった事もあり(軽傷なので大丈夫です)、怖すぎてビビり過ぎてとにかく安全第一でフィニッシュ」と振り返っている。