ミッチェルトン・スコットを運営するグリーンエッジサイクリングが、新スポンサーになるはずだったスペインのマヌエラ財団との契約を白紙撤回することを発表。来月のシーズン再開は現ジャージのまま臨むこととなった。



ツアー・ダウンアンダーを走るミッチェルトン・スコットツアー・ダウンアンダーを走るミッチェルトン・スコット photo:Kei Tsuji
ミッチェルトン・スコットは6月12日にスペインのマヌエラ財団を新タイトルスポンサーに迎え、今季からチームマヌエラ・フンダシオンとして活動するとしていたが、その僅か6日後の18日には一転して契約撤回することをアナウンスした。

報道によれば、その発端となったのはチームの所有権やUCIライセンスの移譲問題。現チームオーナーのゲリー・ライアン氏は各権利を売り渡したつもりは無いと発言し、マヌエラ財団側は反発。事態は泥沼化を辿るかと思われたが、突如チーム側から契約の白紙撤回が発表されることとなった。

「我々はフランシスコ・フエルタス氏とマヌエラ財団、そして彼らの尊い目的に強い繋がりを感じた。しかし最初の発表以降交渉が"進展"したため、これ以上関係が進展しないと結論付けた。フエルタス氏とマヌエラ財団のこれからの発展に期待している」と、ライアン氏はチームリリースの中でコメントしている。なおマヌエラ財団は今秋より正式に活動開始するとのことで、その詳細は明らかになっていない。

また、リリースでは「今後我々の男女チームはライアンが財政上、技術構造上で完全サポートする体制のもと、ミッチェルトン・スコットとしてシーズンを再開することになる」と財務面で問題がないこともアピールされている。

また、ライアン氏はリリースの最後で以下のように語っている。

「新型コロナウイルスの世界的危機は多くの新しい課題を引き起こしたが、我々の優先事項は、ワールドクラスの選手とサポートスタッフにある。これには8月のワールドツアー再開後に全選手とスタッフの賃金を100%に戻すこと、そして2021年に最適なスポンサーシップを模索する取り組みが含まれている。我々はこのチーム、そして(創設以降)8年の間に成功してきた人々とカルチャーを信じている。選手たちはここ最近の不安定な時期にもモチベーションを高く保ち、スタッフは多忙で困難になるであろうシーズン再開後にできる限りのサポートを提供することを決意している。あるべき場所に戻り、さらに多くのレースで勝ち星を伸ばすことが楽しみでならない」。

text:So.Isobe