EFプロサイクリングに所属するラクラン・モートン(オーストラリア)が、エベレストと同じ獲得標高8,848mに挑む「エベレスティング」に挑戦。7時間32分54秒で世界新記録を塗り替えた。



チャリティーのために丸刈りになったラクラン・モートン(オーストラリア、EFプロサイクリング)チャリティーのために丸刈りになったラクラン・モートン(オーストラリア、EFプロサイクリング) photo:Kei Tsuji
6月13日にラクラン・モートン(オーストラリア、EFプロサイクリング)は、同一の坂の登り下りを繰り返し、エベレストの8,848mを獲得標高を獲得する「エベレスティング」に挑戦。今年5月にマウンテンバイク選手キーガン・スウェンソンが記録した7時間40分を8分上回る、7時間32分で世界記録を打ち立てた。

モートンが挑戦の場に選んだのは、アメリカ・コロラド州にある標高2432mの山頂までの1.9km(平均勾配11%)。ここを42回往復した。モートンのSTRAVAによると総距離169.48kmで、所要時間は7時間32分54秒。平均パワーは276Wで合計運動量は6,891kJだった。(GPSのラグによりSTRAVAでは8,523mとなっているなど数字が異なっている)

EFプロサイクリングのジョナサン・ヴォーターズGMは自身のインスタグラムに「おめでとうラクラン!エベレストは君のものだ。君の新しいニックネームはシェルパだ」とコメント。また自身の記録を塗り替えられたスウェンソンはモートンに対し「これは立派な走りだ、ラクランに拍手を送りたい」「高い標高で行ったことがクールで、さらに素晴らしい」と称賛している。

エベレスティングは豪CyclingTipsの記者アンディー・ヴァン・ベルゲンが2014年に開始し、世界中のサイクリストの間で認知されるようになったチャレンジ。公式Webサイトによると、これまで96ヶ国で7,607回の達成が報告されている。

これまではアマチュアサイクリストや元プロ選手による挑戦が主だったが、新型コロナウイルスの影響でレースが中断されたこともあり、トップ選手たちによる挑戦が活発になっている。5月30日にはエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が、チャリティーの一環として7時間28分の新記録を達成したものの、主催者の規定するルールに準じていなかったとして無効になっている。



(6/19追記)

エベレスティングを管理するHell500は、モートンの獲得標高が約450m足りなかったとして新記録が無効であると発表した。報道によるとSTRAVAとモートンのサイクルコンピュータの標高表示が異なっていたことが原因と言われている。しかしモートンはインスタグラムで「もう一度やらなくちゃいけないようだ」とコメントしている。

text:Sotaro.Arakawa