ドイツの総合サイクルアクセサリーブランドのSKSが誇るフロアポンプのベストセラーが「RENNKOMPRESSOR」だ。1966年の登場以降、大きくデザインが変わることなくラインアップされ続ける銘品だ。デジタル空気圧計AIRCHECKERをあわせて紹介しよう。



SKS RENNKOMPRESSOR(レンコンプレッサー)SKS RENNKOMPRESSOR(レンコンプレッサー)
1921年、第一次世界大戦が終結した2年後のドイツで創業したのが、現在の総合サイクルアクセサリーブランドのSKSだ。創業当初はカーテンロッドの製造から始まり、1932年に金属製自転車ポンプの製造に移り現在のSKSの基盤を作り上げた。その後もサッカーボール用のポンプや、プラスチックなどの新素材を使用したポンプなどを開発し着実に会社は成長し続けてきた。

1966年、エディ・メルクスらの活躍でサイクリングブームが訪れていた頃、SKSはRENNKOMPRESSOR(レンコンプレッサー)という自転車用フロアポンプを開発。SKSのサイトによるとRENNKOMPRESSORは「the »father« of all floor pumps(全てのフロアポンプの父)」だという。自転車の歴史、SKSの歴史に名を刻む名プロダクトとして現在まで続くフロアポンプがこの時生まれた。

木製のハンドルは手に馴染みやすい形状木製のハンドルは手に馴染みやすい形状 一つで仏式、英・米式のバルブに対応するヘッド一つで仏式、英・米式のバルブに対応するヘッド

ベースにはグリッパーも備えられているベースにはグリッパーも備えられている 最大16気圧まで対応するRENNKOMPRESSOR最大16気圧まで対応するRENNKOMPRESSOR


その後、SKSはフェンダーなど様々なアイテムの展開を始め、総合アクセサリーブランドとして成長を遂げた。SKSのルーツとなったフロアポンプが55年近くラインアップされ続けている理由は、ポンプとしてRENNKOMPRESSORの信頼度が非常に高いためだろう。

質実剛健というワードがふさわしいRENNKOMPRESSOR。焼入れすることで強度や耐疲労性を向上させたスチール製シリンダーにより、長期使用による摩耗や高圧によるストレスに耐えることが可能となっている。また、非常にシンプルかつ分解しやすい構造により、メンテナンスが行いやすいため、お手入れ次第で非常に長い期間使用し続けることが可能となっている。

焼入れされたシリンダーにより高圧を入れやすいポンプに仕上がっている焼入れされたシリンダーにより高圧を入れやすいポンプに仕上がっている 簡単に内部にアクセスができ、パッキンなどを交換することができる簡単に内部にアクセスができ、パッキンなどを交換することができる

SKSの歴史はRENNKOMPRESSORとともにあるSKSの歴史はRENNKOMPRESSORとともにある ホースも根本から脱着することができ、交換可能ホースも根本から脱着することができ、交換可能


高強度なシリンダーは細身かつ低身長なフォルムながら、最大16barの空気充填を可能としている。高圧充填が可能ということは、ロードバイクで常用する6~7bar前後の空気圧であれば容易に入れられるということでもある。また、RENNKOMPRESSORは全長650mmとされているため、ピストンを最後まで押し込みやすいこともポイントだ。しっかりした重量感を備え、ポンピング時のスタビリティも高い。

手に馴染みやすい木製のハンドルや、フットステップに備えられた滑り止めなど細かい配慮も行き届いている。ホース長は120cm程度と十分な長さだ。ポンプヘッドは英、仏、米に対応する物が装着されており、仏式のスポーツバイクだけではなく英式の軽快車なども持つ家庭であれば重宝するはずだ。

価格は12,000円(税抜)と高価ではあるものの、信頼性とメンテナンス性、アフターパーツの充実ぶりを考慮すると非常に長い期間使えるはずだ。発売から50年以上経過した今でも世代を超えてラインアップされつづけるロングセラーは、ほぼ一生モノとして手にしてもよいだろう。

RENNKOMPRESSORの歴史が詰まったスペシャルブックRENNKOMPRESSORの歴史が詰まったスペシャルブック
SKS RENNKOMPRESSOR(レンコンプレッサー)SKS RENNKOMPRESSOR(レンコンプレッサー)
SKS RENNKOMPRESSOR(レンコンプレッサー)
寸法:650mm
対応気圧:16bar、230psi
対応バルブ:英、仏、米(マルチバルブヘッド)
価格:12,000円(税抜)




SKS AIRCHECKER(エアチェッカー)

SKS AIRCHECKER(エアチェッカー)SKS AIRCHECKER(エアチェッカー)
フロアポンプの父を生み出したSKSはトラディショナルなRENNKOMPRESSORだけではなく、デジタル機器「AIRCHECKER(エアチェッカー)」という空気圧計をラインアップし、常に時代の流れに乗り続けている。エアボリュームが大きいタイヤは0.1気圧で性能が変わるため、ワイドタイヤ化が進む最新バイクのパフォーマンスを発揮させるためには細かい空気圧管理が必要になる。0.01気圧単位での表示となるため、アナログメーターよりも正確な数値を把握しやすいエアゲージだ。

SKSのAIRCHECKERはスウィベリングデュオヘッド(回転式デュアルヘッド)により、常に画面の数値を読み取りやすい角度に調節できることが特徴だ。文字を読み取るためにバルブ位置を調節したり、頭をかしげたりする必要がないのはありがたい。ヘッドは仏式と米式両対応。

ヘッドの向きを調節可能。現在は仏式バルブ口を地面に向けているヘッドの向きを調節可能。現在は仏式バルブ口を地面に向けている バルブが水平に近い状態でもメモリを難なく読むことができるバルブが水平に近い状態でもメモリを難なく読むことができる

ヘッドの向きを自由に調節することができるヘッドの向きを自由に調節することができる 表示単位はPSIとBARの2種表示単位はPSIとBARの2種


またヘッドには減圧ボタンが備えられており計測中に空気を抜くことが可能。リアルタイム計測モードにしておけば、ボタンを押すのと同時に空気圧表示が変動するため、減圧しすぎというミスを減らすことができる。0.01気圧単位で空気圧調整を行うシクロクロスやマウンテンバイクのようなオフロード競技では非常に重宝する機能だろう。

表示単位はbarとpsiの2種類。電源はCR2032コイン電池を採用している。オートオフ機能が備えられているため、電源の切り忘れで電池を消耗させてしまう心配も少ない。価格は4,500円(税抜)。

SKS AIRCHECKER(エアチェッカー)
重量:54g
表示単位:bar/psi
ヘッド:回転式デュアルヘッド、米式仏式両対応
対応空気圧:10bar/144psi
バッテリー:CR2032
価格:4,500円(税抜)