コロンビアの運輸大臣は5月20日夜、緊急事態宣言が続く8月31日まで国際線運航の再開見込みはないと発表。エガン・ベルナル(チームイネオス)ら、母国に戻ったコロンビア選手のツール・ド・フランス(8月29日開幕)出場に黄色信号が灯っている。



コロンビアの自転車熱は選手たちの特別許可取得に繋がるか?コロンビアの自転車熱は選手たちの特別許可取得に繋がるか? (c)CorVos
問題の発端となったのは、5月19日夜にコロンビアのイバン・ドゥケ大統領が国内の緊急事態宣言を8月31日まで延長すると発表したこと。翌5月20日にはアンヘラ・オロスコ運輸大臣が8月31日までは再開の見通しがないこと、そして国境閉鎖も同日まで継続すると話したことで、これに照らし合わせた場合、現在母国に戻っているコロンビア人選手が8月29日にニースで開幕するツール・ド・フランスに参加することが不可能となった。

ディフェンディングチャンピオンのエガン・ベルナル(チームイネオス)やナショナルチャンピオンのセルジオ・イギータ(EFプロサイクリング)、母国のスーパースター、リゴベルト・ウラン(EFプロサイクリング)、ナイロ・キンタナ(アルケア・サムシック)らツール出場が期待されるコロンビア人選手は軒並み母国に戻っている。

しかしAP通信によれば、コロンビア車連のマウリシオ・バルガス代表は同国の大統領や運輸大臣、スポーツ大臣に対し、選手たちに特別な許可を与え、ツールやその前哨戦の前にヨーロッパへと渡れるよう取り計らうことをアナウンス。選手たちの特別許可取得は問題ないと話している。

実際にロックダウン中の4月後半にもシパキラ市の市長はベルナルら市内在住選手たち特別許可を与え、早朝の屋外練習許可を出していた経緯もある。国規模で自転車人気の高まるコロンビアにおいて、国が動くかどうかが大きな焦点となる。

text:So.Isobe