5月11日に外出制限が解かれたフランスで、プロ選手たちが順次屋外トレーニングに復帰している。フランス王者のワレン・バルギル(アルケア・サムシック)はチームニュースの中で「(外を走るのは)ただただ幸せだった」と話している。フランス車連による感染拡大を防ぐガイドラインも紹介する。



ブルターニュのホームコースを走ったワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)ブルターニュのホームコースを走ったワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) (c)www.team-arkea-samsic.fr
「ただただ幸せだった。外を走るのは本当に楽しくって、外を走るために作られたキャニオンバイクに乗って、僕がずっと走ってきた、美しく、走りたくてたまらなかったホームコースに出ることができた。本当に嬉しかった。もちろん、美しいフランスチャンピオンジャージを着て走れたことも」。

そうチームニュースの中で話したのは、フランス王者のワレン・バルギル(アルケア・サムシック)。バルギルは今年ツール・ド・ラ・プロヴァンスでシーズンインし、ロイヤルベルナールクラシックでは2位に入るなど調子を上げていたが、新型コロナウイルスによるフランス国内のロックダウンを受け、フランスに居住する他選手同様屋内トレーニングを強いられてきた。フランス国内の外出制限は5月11日から段階的に解除されており、プロ選手たちは感染防止策を取りつつ屋外トレーニングに復帰している。

自宅を置き、チームの本拠地もあるブルターニュ地方で、海を目指して走ったバルギル。「雨予報だったので多くの仲間が外出をためらったけれど、結局雨は1滴も降らなかった。結局風が強かったから、ズイフトで使う扇風機の前で走っているみたいだったよ」と笑う。

「いつものコースだったけれど、いつもよりずっと景色が美しく見えたような気がした。ロックダウンは正しい判断だったし、必要な措置だったし、その判断は僕たちを助けてくれたと思っている。そして今、屋外トレーニングの再開が本当に幸せだ。なぜなら僕ら選手にとってロードは職場、つまりオフィスだから」と語った28歳のフランス王者。今週末には山へと向かい、ロックダウンが与えたパフォーマンスへの影響、そして"母なる自然"のパワーを授かりに行きたい、と加えている。

また、フランス自転車競技連盟(FFC)や、フランス籍のワールドチーム、コフィディスは外出制限解除に合わせ、屋外トレーニングを行う際の守るべきルールやマナー、心がけを公表している。要綱は以下の通りだ。

フランス車連による7つの"バリアジェスチャー"
・停止する際は他の人から1.5メートル離れること
・走行中は他のサイクリストから少なくとも10メートル離れること
・10人を超えるグループライドをせず、距離ルールを尊重すること
・挨拶時に握手やハグをしないこと
・練習中、ライド前後で公共の場に行く場合はマスクを着用すること
・トレーニング前後に手洗いと機材清掃を行うこと
・帰宅後はシャワーで汗を流すこと

コフィディスによる3つのトレーニング再開時のルール
・注意:2ヶ月外を走っていないのだから、道路全般、特にダウンヒルやコーナーは注意すること。それと同じく"熱心に"になっているサイクリストに注意すること
・強度は徐々に:ペースを抑え、徐々に強度を上げていくこと
・楽しむこと:お気に入りの道でサイクリングの楽しみを再発見すること

text:So.Isobe

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