シマノDEOREがモデルチェンジ　12～10速まで揃った3グレード展開に

シマノMTBコンポーネンツのミドルグレード「DEORE」がフルモデルチェンジ。上位グレードのテクノロジーを受け継ぎ、フロントシングルに対応するとともに、リア12速～10速までをカバーする幅広いラインアップへと進化した。

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DEORE M6100 シリーズ（リア12速） (c)シマノ
DEORE M5100 シリーズ（フロントシングル×リア11速） (c)シマノ
DEORE M4100 シリーズ（フロントダブル×リア10速） (c)シマノ
XTR、DEORE XT、SLXに次ぐシマノのMTBコンポーネンツ4番目のグレードとして展開されている「DEORE」。今回のモデルチェンジによって、リア12速のM6100シリーズ、11速のM5100シリーズ、10速のM4100シリーズという3タイプを揃えるラインアップへと進化したことが最大の変更点だ。

上位グレードのテクノロジーを受け継ぎ、新たにフロントシングルに対応するとともに、ギアレンジの拡大、変速性能や操作性の向上、チェーン落ちなどのトラブルリスク軽減など、あらゆる使い勝手を高めている。完成車にも多く組み込まれるグレードだけに、各社の2021年モデルからスペックインされることが予想される。コンポーネンツ単体では2020年6月発売予定だ。それでは各パーツの詳細を見ていこう。

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より精悍なデザインに刷新されたクランクセット、フロントシングルにも対応

ダイレクトマウント＆フロントシングルに刷新されたM6100シリーズのクランクセット (c)シマノ
シマノ FC-M5100-1 (c)シマノシマノ FC-M4100-2 (c)シマノ

M6100シリーズのクランクセットはフロントシングルのみの展開。チェーンリングとスパイダーを計8本のボルトで固定した独自のデザインが特徴的だ。スパイダーごとクランクアームの根本に取り付けるダイレクトマウント方式を採用する。3種類のQファクターが用意されており、172mmのFC-M6100-1、178mmのFC-M6120-1、181mmのFC-M6130-1というラインアップだ。歯数は30Tと32Tの2種類。

チェーンリングの歯先がナローワイド設計となった「DYNAMIC CHAIN ENGAGEMENT+」によってチェーンとの噛み合わせを強化しており、荒れた路面でもスムーズなチェーン駆動を実現。余計な摩耗を抑えることで耐久性も強化され、チェーン落ちのリスクも軽減している。

M5100シリーズはフロントシングルのFC-M5100-1と、フロントダブルのFC-M5100-2の2モデルをラインアップ。M4100シリーズはフロントダブルのFC-M4100-2のみで、フロントシングル仕様にする場合はFC-M5100-1が併用可能だ。両グレードともフロントダブル仕様ではBoost規格に対応したモデルも用意される。

M6100シリーズにはマイクロスプライン対応の12速スプロケットを追加

マイクロスプライン対応の12速スプロケット「CS-M6100-12」 (c)シマノ
M6100シリーズのリア12速化に対応したスプロケットとチェーンも登場。12枚のギアを有した新型スプロケットは、シマノの「マイクロスプライン」システムに適合した製品で、10-51Tというワイドなギア構成となっている。上位モデルから引き継いだ「HYPERGRIDE+」テクノロジーによってスムーズなシフティング性能も獲得。変速ポイントやその形状を最適化することで、変速にかかる時間をこれまでの約1/3に短縮し、かつ変速時の衝撃も抑制している。

M5100/M4100シリーズはHGスプロケットとされ、既存のホイールも継続して使える仕様に。11速フロントシングルなら11-51T、10速フロントシングルなら11-46T、フロントダブルなら11-42Tという歯数が用意されている。

フロントシングル向けに対応ギアレシオを広げたリアディレイラー

10-51Tまで対応ギアレシオを広げた12速用のリアディレイラー「RD-M6100-SGS」 (c)シマノ
シマノ RD-M5100-SGS (c)シマノシマノ RD-M4120-SGS (c)シマノ

シマノの「SHADOW RD+」デザインを引き続き採用し、外側への張り出しを抑えたルックスに仕上がるリアディレイラー。チェーン暴れを抑えるスタビライザー機能も搭載されており、荒れた路面でも素早く正確なシフティングが可能だ。

フロントシングル用のRD-M6100-SGSとRD-M5100-SGSは表裏でアシンメトリーになったプーリーケージが見た目の特徴で、大径化した13Tのプーリーを採用することで、より効率的なチェーン駆動に貢献している。フロントダブル用にはRD-M5120-SGSと、スタビライザー機能を廃したRD-M4120-SGSが用意される。

対応するリア段数が判別しやすいフロントディレイラー

シマノ FD-M5100-M (c)シマノシマノ FD-M4100-M (c)シマノ

フロントディレイラーはM5100とM4100シリーズのみでラインアップ。それぞれ外側のプレートに11S、もしくは10Sと刻まれており対応するリアのギア段数が判別しやすいよう工夫されている。ダイレクトマウント、Eマウント、バンドタイプの3つのマウントタイプが用意され、様々なフレームへと対応する。

ライダーにフィットする取り付け位置調整が可能なシフター

I-SPEC EV対応でマウント位置調整がしやすくなったシフター「SL-M6100-IR」 (c)シマノ
シフターは上位モデル同様の「I-SPEC EV」テクノロジーを採用。取り付け位置と角度の調整幅が広く、かつブレーキレバーとも一体感のあるスッキリとしたハンドル周りの見た目に貢献している。また、従来型のバンドクランプタイプも用意される。

一気に3段分を変速できるラピッドファイヤープラスや、押す引くの両方向でシフト操作できる2WAYリリースなどは健在。ボディには各グレードに応じて12S、11S、10Sの文字が刻まれており見た目で判別しやすいデザインに仕上がる。また、ドロッパーシートポスト用のレバーSL-MT500も新登場している。

ライドスタイルに合わせて2ピストン/4ピストンから選択できるブレーキキャリパー

新たに追加された4ピストンタイプのブレーキキャリパー「BR-M6120」 (c)シマノ
2ピストン/4ピストンともに操作可能なブレーキレバー「BL-M6100」 (c)シマノ
より幅広いライディングスタイルに対応するべく、ブレーキキャリパーは2ピストン/4ピストンの両モデルを用意。クロスカントリー向けの2ピストン、よりハードなブレーキングが要求されるトレイルやエンデューロ用途では4ピストンが活躍するだろう。いずれもレジン、メタルどちらのパッドも使用可能だ。また、DEOREグレードのブレーキローターとしてはSM-RT64やSM-RT54が継続品として展開される。

ブレーキレバーはBL-M6100とBL-M4100の2モデル展開で、2ピストン/4ピストンどちらのキャリパーも操作可能となっている。いずれもI-SPEC EVに対応しており、シフターと組み合わせてスマートなマウントが可能だ。