UAEチームエミレーツが17歳のジュニアスペイン王者、フアン・アユソと5年契約を結んだことを発表。若手育成に注力する中東チームが更なる増強を図る。



フアン・アユソ(スペイン)フアン・アユソ(スペイン) (c)UAE Team Emirates/Alberto Brevers
UAEチームエミレーツと契約を交わしたフアン・アユソは、2002年9月16日生まれの17歳。2018年まで公式レースのリザルトは残していないものの、2019年に入るとネイションズカップでの上位入賞を皮切りに、スペインのジュニアロード選手権優勝など急速に頭角を現していた。CW取材陣がUAE冬季合宿を取材した際もチームと同じバイクに乗り、ワールドツアー選手の中に混じって指導を受ける姿が目撃されていた。

UAEは今年もコンチネンタルチーム/クラブチーム所属の若手選手を複数名加入させるなど、特に若手選手の発掘・育成に意欲的なチーム。2021年の契約初年度は育成プログラムの中で過ごすことになるという。

ゼネラルマネージャーを務めるマチン氏は発表の中で「アユソは私たちがずっと注目していた選手。彼はフィジカルと頭脳を高いレベルで持つタレント。彼と、彼の両親との間で中長期的な育成プランを決めている段階だ。今後は徐々にワールドツアーレベルに移行する。まだどのレベルのレースを走らせるかは決めていないが、高いポテンシャルを持つ彼に対する思いは強い。選手として、そして人として成長するために時間をかけ、プレッシャーではなく自転車を楽しみながら成長するように働きかけていきたい」

2000年生まれのレムコ・イヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)、2001年生まれのクイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)とカルロス・ロドリゲス(スペイン、チームイネオス)よりも若く、最年少のワールドチーム所属選手となる。

アユソはリリースの中で「今はオールラウンダーだが、将来的にはクライマーになることを目指している。マチンGMを介して昨年半ばにチームとコンタクトを取り、冬季合宿でチームの輪の中に入ったんだ。合宿ではチームの実際の動き、メンバー構成や選手間の素晴らしい雰囲気に本当に感動した。UAEを選んだ理由は、非常に野心的なメンタリティや倫理観など、自分個人の考え方と共通する部分が大きかったから。新しいチームだし、改善のために毎年多くのことを実践しているんだ」と移籍の理由について語っている。

text:So.Isobe