史上最大規模のプロ参加型オンラインレース「デジタル・スイス5」が開幕。距離26.6km/獲得標高1192mの山岳コースでローハン・デニス(オーストラリア、チームイネオス)が他を圧倒した。
デジタル・スイス5 第1レースをオンラインで走った選手たち(zoom画面より)
デジタル・スイス5 第1レース (c)VirtualTraining17のワールドチームと2のプロチーム、そしてスイスナショナルチームが5日間に渡ってバーチャル対戦する、史上最大規模のオンラインレース「デジタル・スイス5」が開幕。合計19チームから3人づつ、合計57名の選手が距離26.6km/獲得標高1192mのオンラインコースで火花を散らした。
機材/回線トラブルによってスタートラインから動けなくなったマティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)を除く56名が一斉にスタート。ドラフティング機能の無いレースは序盤からオーストラリア勢が席巻し、De Rondeを3位で終えたニコラス・ロッシュ(アイルランド、サンウェブ)やレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)らが割り込む形に。序盤はジェームス・ウィーラン(オーストラリア、EFプロサイクリング)とルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)がリードしたが、暫くするとTT世界王者のローハン・デニス(オーストラリア、チームイネオス)が合流した。
常時6.5w/kgものパワーで踏み込むデニスは、食らいつくフェランを20秒以上引き離して第1山岳山頂をクリア。ダウンヒル区間でもその差は開き続け、標高1402mの温泉リゾート地、ロイカーバートを目指す最後の登りでもペースを落とさず優勝。後半になってポジションを上げたロッシュを1分10秒、序盤から好ペースを刻んだウィーランを1分28秒引き離しての勝利だった。
後続を引き離して走るローハン・デニス(オーストラリア、チームイネオス)
ロイカーバートのフィニッシュにたどり着いたローハン・デニス(オーストラリア、チームイネオス)
第1レースで勝利したローハン・デニス(オーストラリア、チームイネオス) (c)Tour de Suisse「すごく調子が良かった。一言で言えば53分間のタイムトライアル。空力は結果に影響しないけれど、体重は結果を分ける大きな要素だ。パワーウェイトレシオがモノを言うレースだっただけに、今現在トレーニングしていることが上手くいっている証明になった」とデニスは振り返っている。
数日前に外出禁止措置を破って外出し、SNSアカウントを削除するという行動を起こしていたデニス。「本当にハードだった。最後の10〜15分間は脚を攣っていたんだ。他の選手たちが感じているほど辛くなかったとは思うけど、勘違いしないでほしい。すごく苦しかった」と、公式インタビューに語っている。
2位に入ったロッシュはチームのレースレポートの中で「すごく不思議な気分だ。タイムトライアルでもスプリントでもなく、何より"メンタルチャレンジ"だった。もちろんコンディションも良くなければ結果を出すことはできない。今週はずっとオンラインレースのための練習を重ねてきた。理由は僕らがこれまで戦ってきたロードレースとは全く違うものだからだ。ウィーランとは良いバトルができた。彼はプレッシャーを掛けてきたけれど、彼のワット数を画面で確認できていたので、彼がパワーを弱めた時に加速したんだ。最後の最後にその作戦を実行して差をつけることができたよ」と、オンラインレースならではの走り方について振り返っている。


機材/回線トラブルによってスタートラインから動けなくなったマティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)を除く56名が一斉にスタート。ドラフティング機能の無いレースは序盤からオーストラリア勢が席巻し、De Rondeを3位で終えたニコラス・ロッシュ(アイルランド、サンウェブ)やレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)らが割り込む形に。序盤はジェームス・ウィーラン(オーストラリア、EFプロサイクリング)とルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)がリードしたが、暫くするとTT世界王者のローハン・デニス(オーストラリア、チームイネオス)が合流した。
常時6.5w/kgものパワーで踏み込むデニスは、食らいつくフェランを20秒以上引き離して第1山岳山頂をクリア。ダウンヒル区間でもその差は開き続け、標高1402mの温泉リゾート地、ロイカーバートを目指す最後の登りでもペースを落とさず優勝。後半になってポジションを上げたロッシュを1分10秒、序盤から好ペースを刻んだウィーランを1分28秒引き離しての勝利だった。



数日前に外出禁止措置を破って外出し、SNSアカウントを削除するという行動を起こしていたデニス。「本当にハードだった。最後の10〜15分間は脚を攣っていたんだ。他の選手たちが感じているほど辛くなかったとは思うけど、勘違いしないでほしい。すごく苦しかった」と、公式インタビューに語っている。
2位に入ったロッシュはチームのレースレポートの中で「すごく不思議な気分だ。タイムトライアルでもスプリントでもなく、何より"メンタルチャレンジ"だった。もちろんコンディションも良くなければ結果を出すことはできない。今週はずっとオンラインレースのための練習を重ねてきた。理由は僕らがこれまで戦ってきたロードレースとは全く違うものだからだ。ウィーランとは良いバトルができた。彼はプレッシャーを掛けてきたけれど、彼のワット数を画面で確認できていたので、彼がパワーを弱めた時に加速したんだ。最後の最後にその作戦を実行して差をつけることができたよ」と、オンラインレースならではの走り方について振り返っている。
デジタル・スイス5 第1レース結果
1位 | ローハン・デニス(オーストラリア、チームイネオス) | 53:07 |
2位 | ニコラス・ロッシュ(アイルランド、サンウェブ) | +1:10 |
3位 | ジェームス・ウィーラン(オーストラリア、EFプロサイクリング) | +1:28 |
4位 | クリス・ハミルトン(オーストラリア、サンウェブ) | +1:39 |
5位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、NTTプロサイクリング) | +2:04 |
6位 | ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | +2:17 |
7位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +2:37 |
8位 | ピーター・セリー(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +3:14 |
9位 | ローソン・クラドック(アメリカ、EFプロサイクリング) | +3:15 |
10位 | キャメロン・ワーフ(オーストラリア、チームイネオス) | +3:35 |
text:So.Isobe
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