新型コロナウィルス感染拡大によってレースの開催延期が相次ぐなか、UCIは現況での新レースカレンダーを発表した。ツール・ド・フランスは8月29日〜9月20日までの開催となり、世界選手権は当初の通り9月20日〜27日での開催予定だ。



写真は2019年ツール・ド・フランス写真は2019年ツール・ド・フランス photo:Makoto.AYANO
新型コロナのパンデミックによりビッグレースが中止、延期となり開催できずにいる今季の国際ロードレース界。UCI(国際自転車競技連合)、ツール・ド・フランス主催者A.S.O(アモリー・スポール・オルガニザシヨン)、ジロ・デ・イタリア主催者RCSスポルト、ブエルタ・ア・エスパーニャ主催者ウニプブリク、ロンド・ファン・フラーンデレン主催者フランダースクラシックス、AIOCC(レース主催者協会)、AIGCP(プロチーム協会)、CPA(プロ選手組合)らによるビデオ会議を経て、4月15日、UCIが今シーズンの国際ロードレース競技カレンダーを発表した。

リリースで発表された要点は以下の項目だ。

  • UCIレースの中止期間は1ヶ月延長され、7月1日まで。UCIワールドツアーレースに関しては8月1日まで。
  • ツール・ド・フランスは延期され、8月29日〜9月20日で開催される。ただしあらゆる状況を考慮して最適な状況下で開催できるように判断される。
  • 世界選手権ロードレース(スイス、エーグル・マルティニーで開催)は予定通り9月20日〜27日の日程で開催される。競技日程も変更なし。
  • ジロ・デ・イタリアは世界選手権ロードレースの後に開催、続いてブエルタ・ア・エスパーニャを開催する。
  • 各国の競技連盟が主催するナショナル選手権は8月22・23日の週末に開催される。
  • UEC(ヨーロッパ選手権)は維持、開催される。
  • もっとも価値の高いワンデーレース(モニュメント)であるミラノ〜サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、イル・ロンバルディアは今シーズン中に開催される。日程についてはまだ決まっていない。
  • より多くのUCIレースを、とくにUCIワールドツアーレースを開催するために、今シーズン後期はリスケジュールされる。

リリースには「UCIは平行的に複数のレース主催者たちとコラボレーションしながら、5月15日までには新たなUCI女子ワールドツアーカレンダー、そしてすべての競技種目におけるレースの新UCIカレンダーを発表できるよう調整を進めていく。しかし、もちろんそれらは世界の健康状態を抜きにしては決められない」と記されている。

新型コロナウィルスの終息はまだ見えないが、ひとまず以上の日程でレースを開催できるよう、UCIおよび各レース主催者は動き出すことになる。

ダヴィ・ラパルティアンUCI会長のコメント

ダヴィ・ラパルティアンUCI会長ダヴィ・ラパルティアンUCI会長 (c)CorVosこの困難な状況のなか、レース主催者、チーム、選手らすべての関係者たちの協力に敬意を表したい。我々は依然、世界を揺るがす新型コロナウィルスのパンデミック下で、UCIカレンダーをいちから組み立て直さなくてはならない状況だ。

しかし今日、その大きな一歩を踏み出せた。チーム、選手、スタッフらの基本的な権利を尊重しながら枠組みづくりに取り掛かることができた。これからも共に力を合わせ、このCOVID-19による危機を乗り越え、その後の自転車競技を立て直そう。


text: Makoto.AYANO