新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を受けて、3月7日にイタリア・トスカーナ州で開催予定だったストラーデビアンケの延期が決定した。開催迫るティレーノ〜アドリアティコとミラノ〜サンレモも延期もしくは中止される可能性が高い。


未舗装区間をこなすメイン集団未舗装区間をこなすメイン集団 photo:RCS Sport

レース主催者RCSスポルトのプレスリリースによると、3月5日にストラーデビアンケの開催地シエナで行われた協議を経て、RCSスポルトとシエナ市は2020年度のストラーデビアンケ(UCIワールドツアー)とストラーデビアンケ・ウィメンエリート(UCIウィメンズワールドツアー)を中止することを決めた。女子レースに4年連続出場予定だった與那嶺恵理(アレBTCリュブリャナ)はオランダ出国直前にイタリアへの出発を取り止めている。

イタリアのコリエーレ・デッラ・セーラ紙によると、同国のコロナウイルス感染者の増加は止まらず、3月4日の時点で3,089名、死者は107名にのぼっている。3月4日にイタリア政府は3月15日まで全ての学校ならびに大学を休校とし、4月3日までスポーツイベントの開催を禁止する政令を出したばかり。施設内でのスポーツイベントに限って、新型コロナウイルス拡散を防止するための厳しいガイドラインに沿った開催が可能とされ、サッカーのセリエAは無観客での試合開催を予定している。しかし町と町を大人数が行き交い、沿道に観客が集まるロードレースに同ガイドラインを適用することは現実的ではない。

今回発表されたのはストラーデビアンケの中止ではなく延期。UAEツアーに続いて新型コロナウイルスの感染拡大に頭を悩ますRCSスポルトは、FCI(イタリア自転車競技連盟)を通じてUCI(国際自転車競技連盟)にストラーデビアンケの新しい開催日をレースカレンダーに割り当てるよう要請する。延期される場合はジロ・デ・イタリア後の6月もしくは9月の開催が濃厚だ。

3月11日開幕のティレーノ〜アドリアティコと3月21日開催のミラノ〜サンレモに関して、RCSスポルトは開催に向けた働きかけを行っているものの、イタリア政府が出した政令によって開催の可能性は極めて低いと言える。すでにチームイネオスやミッチェルトン・スコット、EFプロサイクリング、ユンボ・ヴィスマは3月のイタリアレースへの出場を取り止めており、アスタナやアージェードゥーゼールもこの動きに続いている。フランスで3月8日に開幕するパリ〜ニースはスケジュール通り開催予定だ。

text:Kei Tsuji

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