新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、ミッチェルトン・スコット(女子チーム含む)に加えて、急逝したニコラ・ポルタル監督の喪に服するチームイネオスが3月22日までレース活動を停止することを発表した。EFプロサイクリングとユンボ・ヴィスマもイタリアレースの欠場を明らかにしている。


3月22日までレース活動を停止するチームイネオス3月22日までレース活動を停止するチームイネオス photo:CorVos
ヨーロッパにおける新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大がロードレースシーズンに大きな影響を与えている。すでに関係者の新型コロナウイルス感染によって中断したUAEツアーから多くのチームが帰国を完了しているが、イタリアを中心にヨーロッパ諸国における感染が拡大している。

イタリア政府は同国北部における大規模スポーツイベント開催を禁止しているが、現在のところ主催者RCSスポルトはストラーデビアンケ(3月7日)とティレーノ〜アドリアティコ(3月11日〜)、ミラノ〜サンレモ(3月21日)、ジロ・ディ・シチリア(4月1日〜)を予定通り開催する。RCSスポルトのプレスリリースによると、3月5日に行われるミーティングで中止や延期を含めた協議が行われる。

イネオスと同様に3月22日までレース活動を停止するミッチェルトン・スコットイネオスと同様に3月22日までレース活動を停止するミッチェルトン・スコット photo:Kei Tsuji
しかし、仮に前述のレースが開催される場合も、すべての出場チームが揃わないことが確定した。すでにイタリアレース出場辞退の意向をUCI(国際自転車競技連盟)とRCSスポルトに伝えたEFプロサイクリングに続き、ユンボ・ヴィスマがストラーデビアンケとGPインドゥストリアの欠場を、そしてチームイネオスとミッチェルトン・スコットが3月22日までレース活動を停止することを明らかにした。他チームもこれらのチームに追従すると見られる。

チームイネオスとミッチェルトン・スコットはパリ〜ニースやノケレコールスなど、イタリア以外のすべてのレースも欠場し、3月23日開幕のボルタ・ア・カタルーニャから活動を再開する予定。いずれのチームも所属選手やスタッフの健康を最優先するとともに、国境をまたぐ移動による感染拡大を防止し、通過する自治体の負担を軽減することを理由に挙げている。

チームイネオスにとっては、3月3日に急逝したニコラ・ポルタル監督の死を悼む期間にもなる。チームのデイヴ・ブライルスフォードGMは「この欠場期間はニコを失った悲しみと向き合い、チームメイトであり友人である彼との思い出を振り返る大事な時間を与えてくれる。私たちにとってどれだけ大事なことかを理解してほしい」と語っている。

今後のレース開催可否に関しては随時アップデートしていきます。

text:Kei Tsuji

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