2020/03/02(月) - 07:36
第72回クールネ〜ブリュッセル〜クールネのタイトルを狙うスプリンターたちを振り切って、終盤に逃げたカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)が独走勝利。僅差の逃げ切りを果たしたアスグリーンがチームにシーズン14勝目をもたらした。
18のUCIワールドチームを含むプロトンがフランドルの丘に挑む photo:CorVos
オンループ・ヘットニュースブラッド(UCIワールドツアー)の翌日、3月1日に開催されたクールネ〜ブリュッセル〜クールネ(UCIプロシリーズ)。その名の通りクールネを発着するクラシックレースで、かつては首都ブリュッセルまで行って戻ってくる往復コースが設定されていた。しかし、ブリュッセルの都市化に伴って1960年代に主催者はコースを変更。現在はブリュッセルの手前でUターンし、オースト=フランデレン州のいわゆる「フレミッシュ・アルデンヌ」を駆け巡るコースが設定されている。
オウデクワレモントやクルイスベルグなどの急坂を11箇所含むフランドルらしさ溢れるコースだが、前日のオンループと比べると終盤は平坦基調。そのため過去の優勝者リストにはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)やペテル・サガン(スロバキア)、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)らスプリンターの名前が含まれる。レースカテゴリーはUCIワールドツアーの下のUCIプロシリーズ(元HCレース)だが、スプリンター向きのクラシックにはUCIワールドチームが18チーム揃った(ユンボ・ヴィスマを除く)。アルペシン・フェニックスのマチュー・ファンデルプール(オランダ)は風邪の影響で前日のオンループに続いて欠場している。
20km地点から逃げグループを形成した5名 photo:CorVos
メイン集団を分断する動きを作ったグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム)ら photo:CorVos
追走集団を形成するジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル)ら photo:CorVos
レースの大部分を先頭で過ごすことになったミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)、ユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ)、ローイ・ヤンス(ベルギー、アルペシン・フェニックス)、ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム)、ボリス・ファレー(ベルギー、ビンゴール・ワロニーブリュッセル)の5名は、最大7分のリードをもってフランドルの丘に立ち向かった。急坂が姿を現すたびにペースが上がったメイン集団からは、フィニッシュまで60kmを残したオウデクワレモントでグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム)を含む強力な20名の第1集団が形成されたものの、最後の難所であるクルイスベルグ通過後に集団は一つに戻る。
続く石畳区間で前日のオンループ優勝者ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)が仕掛けると再び第1集団の人数は20名に。しかしこの動きもカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)らの追撃によって封じ込められ、メイン集団は残り30km地点でいよいよ逃げグループを射程距離に捉えた。
逃げ切りは絶望的と思われたが、メイン集団から一人飛び出したアスグリーンが合流したことで逃げグループは再びペースアップ。アスグリーンのペースに対応できたのはヤンスとファレーだけ。先頭を引き続けるアスグリーンがスプリンターチーム率いる60名ほどのメイン集団に勝負を挑む展開に。
クールネの周回コースで独走に持ち込んだアスグリーンは、15秒のリードをもって残り10kmを切る。現デンマークTTチャンピオンのアスグリーンは10秒程度のリードを維持したまま独走を続け、迫りくる集団を3秒差で振り切ってみせた。残り15km地点からフィニッシュまでのメイン集団の平均スピードは50km/hに達しているが、それでもアスグリーンを捕らえることはできず。集団スプリントを制したジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)とアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が表彰台に登っている。
逃げグループに合流したカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
クールネのフィニッシュに向かって独走を続けるカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
スプリンターたちを振り切ってフィニッシュするカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
1年前のボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)の独走勝利の再現とも言えるアスグリーンの勝利。「食らいつく逃げメンバーを振り切るために力を使ってしまったので、逃げ切れるかどうか分からなかった。集団スプリントになってもファビオ(ヤコブセン)で勝負できたし、昨年逃げ切ったボブ(ユンゲルス)と朝のミーティングで話して、道幅の狭いコースでは逃げ切りが可能だと教わっていたんだ」とアスグリーンは語っている。
ドゥクーニンク・クイックステップは今シーズン14勝目。最終的にシーズン68勝を飾った2019年はこのクールネの時点でシーズン13勝。つまり2020年シーズンは前年度を上回る勝利ペースを刻んでいる。
スプリンターのニッツォーロとクリストフを振り切って勝利したカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos

オンループ・ヘットニュースブラッド(UCIワールドツアー)の翌日、3月1日に開催されたクールネ〜ブリュッセル〜クールネ(UCIプロシリーズ)。その名の通りクールネを発着するクラシックレースで、かつては首都ブリュッセルまで行って戻ってくる往復コースが設定されていた。しかし、ブリュッセルの都市化に伴って1960年代に主催者はコースを変更。現在はブリュッセルの手前でUターンし、オースト=フランデレン州のいわゆる「フレミッシュ・アルデンヌ」を駆け巡るコースが設定されている。
オウデクワレモントやクルイスベルグなどの急坂を11箇所含むフランドルらしさ溢れるコースだが、前日のオンループと比べると終盤は平坦基調。そのため過去の優勝者リストにはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)やペテル・サガン(スロバキア)、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)らスプリンターの名前が含まれる。レースカテゴリーはUCIワールドツアーの下のUCIプロシリーズ(元HCレース)だが、スプリンター向きのクラシックにはUCIワールドチームが18チーム揃った(ユンボ・ヴィスマを除く)。アルペシン・フェニックスのマチュー・ファンデルプール(オランダ)は風邪の影響で前日のオンループに続いて欠場している。



レースの大部分を先頭で過ごすことになったミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)、ユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ)、ローイ・ヤンス(ベルギー、アルペシン・フェニックス)、ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム)、ボリス・ファレー(ベルギー、ビンゴール・ワロニーブリュッセル)の5名は、最大7分のリードをもってフランドルの丘に立ち向かった。急坂が姿を現すたびにペースが上がったメイン集団からは、フィニッシュまで60kmを残したオウデクワレモントでグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム)を含む強力な20名の第1集団が形成されたものの、最後の難所であるクルイスベルグ通過後に集団は一つに戻る。
続く石畳区間で前日のオンループ優勝者ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)が仕掛けると再び第1集団の人数は20名に。しかしこの動きもカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)らの追撃によって封じ込められ、メイン集団は残り30km地点でいよいよ逃げグループを射程距離に捉えた。
逃げ切りは絶望的と思われたが、メイン集団から一人飛び出したアスグリーンが合流したことで逃げグループは再びペースアップ。アスグリーンのペースに対応できたのはヤンスとファレーだけ。先頭を引き続けるアスグリーンがスプリンターチーム率いる60名ほどのメイン集団に勝負を挑む展開に。
クールネの周回コースで独走に持ち込んだアスグリーンは、15秒のリードをもって残り10kmを切る。現デンマークTTチャンピオンのアスグリーンは10秒程度のリードを維持したまま独走を続け、迫りくる集団を3秒差で振り切ってみせた。残り15km地点からフィニッシュまでのメイン集団の平均スピードは50km/hに達しているが、それでもアスグリーンを捕らえることはできず。集団スプリントを制したジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)とアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が表彰台に登っている。



1年前のボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)の独走勝利の再現とも言えるアスグリーンの勝利。「食らいつく逃げメンバーを振り切るために力を使ってしまったので、逃げ切れるかどうか分からなかった。集団スプリントになってもファビオ(ヤコブセン)で勝負できたし、昨年逃げ切ったボブ(ユンゲルス)と朝のミーティングで話して、道幅の狭いコースでは逃げ切りが可能だと教わっていたんだ」とアスグリーンは語っている。
ドゥクーニンク・クイックステップは今シーズン14勝目。最終的にシーズン68勝を飾った2019年はこのクールネの時点でシーズン13勝。つまり2020年シーズンは前年度を上回る勝利ペースを刻んでいる。

クールネ〜ブリュッセル〜クールネ2020結果
1位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4:47:18 |
2位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) | 0:00:03 |
3位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
5位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
6位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・スタートアップネイション) | |
7位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・マクラーレン) | |
8位 | ベン・スウィフト(イギリス、チームイネオス) | |
9位 | ドリス・ファンゲステル(ベルギー、トタル・ディレクトエネルジー) | |
10位 | ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、モビスター) |
text:Kei Tsuji
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