ブエルタ・ア・サンフアン6日目。スプリントを目指す集団から飛び出したゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)が0秒差の逃げ切り勝利を挙げた。



準備を進めるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)準備を進めるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVosVIPと握手するレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)VIPと握手するレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos

サンフアンのサーキットアウトドロモ・エル・ビリクムをスタートするサンフアンのサーキットアウトドロモ・エル・ビリクムをスタートする (c)CorVos
クイーンステージを終え、ブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.Pro)の主役は再びスプリンターに切り替わる。サンフアンにある1周4276mのサーキット「アウトドロモ・エル・ビリクム」を出発し、南東の3級山岳頂上で180°ターンし、もと来た道をサーキットまで戻る175kmコースが第6ステージの舞台だ。

この日はジョキン・アランブル(スペイン、フンダシオン・オルベア)を含む3名の逃げが4分差で先行したものの、UAEチームエミレーツやイスラエル・スタートアップネイションが集団のペースアップを行なったため、85kmを残して一度レースは振り出しに戻る。続く3級山岳では「横風分断の危険を感じていた」と言う総合3位オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン)が先頭通過し、続いてUAEやボーラ・ハンスグローエが下りを利用して猛烈なペースアップを行なった。

有力選手が脱落することなく攻撃は止み、ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF・ファイザネ)ら4名がエスケープして再びレースは沈静化。しかしフィニッシュが近づいていたことで大きなリードは稼げず、結局16kmを残して集団は再び一つにまとまった。

集団先頭に立ってペースアップを行うボーラ・ハンスグローエ集団先頭に立ってペースアップを行うボーラ・ハンスグローエ (c)CorVos
コフィディスやボーラ・ハンスグローエらが先頭を牽引し、緩斜面を登ってフィニッシュラインが引かれたアウトドロモ・エル・ビリクムに突入する。19のコーナーが用意された国際規格の大型サーキットを駆け抜け、UAEチームエミレーツトレインが動き出したその瞬間、短い登りを利用してゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)がサプライズアタックを仕掛けた。

0秒差で逃げ切ったゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)0秒差で逃げ切ったゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
「スタート前にこのサーキットで練習していた時、何かいつもと違うことをしてみようと思いついた」と言うスティバルは、慌てる集団から僅かなリードを得て最終コーナーをクリアする。背後からは「最後のアップダウンでアタックが掛かることは予想できていた」と言うフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が、UAEトレインを外れて追撃したが、下り勾配のホームストレートは逃げるスティバルに味方した。

モラノや初日ステージ勝者ルディ・バルビエ(フランス、イスラエル・スタートアップネイション)を振り切って、オフシーズンにシクロクロスレースに参加していたスティバルが先着。常勝ウルフパックに早くもシーズン5勝目をもたらした。

「僕に勝負を託してくれたチームに報いることができた。アルゼンチンレースは自分にとって初めて。初レースだから身体がどう動くか分からなかったけれど、今回の勝利は大きな自信になる。最終日はホッジで勝利を狙いつつ、レムコの総合リーダージャージを守り抜きたい」とスティバルは語っている。
ブエルタ・ア・サンフアン2020 第6ステージ結果
個人総合成績
その他の特別賞
Text:So.Isobe
Photo:CorVos

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