ツアー・オブ・グアンシー最終日は雨の集団スプリントで決着。落車分断が起こる中パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が大会2勝目を挙げ、エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)が総合優勝。1日開催の女子レースではクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ)が勝利した。



桂林のタワーカルストを横目に走る選手たち桂林のタワーカルストを横目に走る選手たち photo:CorVos
ワールドツアー最終戦のツアー・オブ・グアンシー最終第6ステージ。この日は前日のフィニッシュ地点にもなった桂林市を発着する163kmで、残り40km地点までに2級山岳を2箇所用意されているもののフィニッシュ予想は集団スプリント。総合優勝に王手を掛けたエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)ら各リーダージャージ着用選手を先頭に、雨降るスタートラインから駆け出した。

序盤からエスケープしたワン・メイイン(中国、バーレーン・メリダ)やジェイロバート・トムソン(南アフリカ、ディメンションデータ)、フレデリック・フリソン(ベルギー、ロット・スーダル)は残り6km地点で捕らえられ、カウンターで飛び出したアワーレコードホルダーのヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)も集団を引き離すには至らない。雨に濡れる桂林市街地で集団スプリントが始まった。

ステージ2勝目を収めたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)ステージ2勝目を収めたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
パスカル・アッカーマン(ドイツ)の勝利を喜ぶボーラ・ハンスグローエパスカル・アッカーマン(ドイツ)の勝利を喜ぶボーラ・ハンスグローエ photo:CorVos総合優勝を射止めたエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)総合優勝を射止めたエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos

移籍前最後のレースで総合優勝したエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)移籍前最後のレースで総合優勝したエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
残り300m手前の直角左コーナーでは、10番手付近につけていたフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)が落車し、この影響を受けなかった6名程度が横並びでスプリントを開始する。フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)の背後から加速したパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が先着、ポイント賞リーダーが今大会ステージ2勝目を挙げた。

リーダージャージのマスはタイム差なしの集団内でフィニッシュし、総合優勝を確定させる。来季モビスターへ移籍する24歳はプレスリリースの中で「ウルフパックの一員として走る最後のレースで勝てたのは特別な気分だ。このチームで過ごしてきた数年間で多くのことを学び、大きく自分自身を伸ばすことができたことは忘れられない。今回の優勝は素晴らしいチームメイトなしでは成し遂げることはできなかった」とチームに感謝するマス。ドゥクーニンク・クイックステップの今季勝利数は68にのぼり、今季のUCIランキングでボーラ・ハンスグローエを431ポイント差で退けチームランキング首位に輝いている。

女子レースを制したのはクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ)女子レースを制したのはクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ) photo:CorVos
女子レースで優勝したクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ)をアリソン・ジャクソン(カナダ、チームティブコ・SVB)とマリアンヌ・フォス(オランダ、CCCチーム)が囲む女子レースで優勝したクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ)をアリソン・ジャクソン(カナダ、チームティブコ・SVB)とマリアンヌ・フォス(オランダ、CCCチーム)が囲む photo:CorVos
男女レースの各賞受賞選手たちが豪快にシャンパンファイト男女レースの各賞受賞選手たちが豪快にシャンパンファイト photo:CorVos
なお、與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)が出場したワンデー開催の女子レースは男子と同じく集団スプリントで決着し、與那嶺のアシストを受けたクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ)が勝利を飾った。

グアンシーの閉幕をもって、2019年のUCIワールドツアーカレンダーが閉幕。個人ランキングで年間チャンピオンとなったのは、UAEツアー、ティレーノ〜アドリアティコ、ツール・ド・ロマンディ、ジロ・デ・イタリア総合3位、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝と飛躍のシーズンを過ごしたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)。2位にはミラノ〜サンレモやフレーシュ・ワロンヌ優勝、ツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを着用したジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)、3位には安定した強さを見せたヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が入った。

女子ワールドツアーランキングで優勝したのは今回も集団スプリントで3位に入った元世界王者マリアンヌ・フォス(オランダ、CCCチーム)で、チームランキングはタレント選手を多く擁したブールス・ドルマンスが獲得。U23はロレーナ・ウィーブス(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク)だった。

桂林市内で開催された第5回「UCIガーラ」に出席した各賞受賞選手たち桂林市内で開催された第5回「UCIガーラ」に出席した各賞受賞選手たち photo:UCI
グアンシーに出場しなかった世界王者マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)を含む、表彰対象となった17名の選手たちは当日夜に桂林市内で開催された第5回「UCIガーラ」に出席し、UCIからその功績を讃えられている。
ツアー・オブ・グアンシー2019第6ステージ結果
1位 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 3:38:10
2位 フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
3位 ティモ・ローセン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
4位 リュドガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
5位 ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)
6位 アスビャアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ)
7位 マッテーオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
8位 ダニエル・マクレー(イギリス、EFエデュケーションファースト)
9位 ハミッシュ・シュルーズ(ニュージーランド、イスラエルサイクリングアカデミー)
10位 マックス・カンター(ドイツ、サンウェブ)
個人総合成績
1位 エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) 22:42:42
2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) 0:05
3位 ディエゴ・ローザ(イタリア、チームイネオス) 0:14
4位 アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 0:22
6位 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) 0:29
7位 オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・グループゴベール)
7位 カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル)
8位 ダヴィ・デラクルス(スペイン、チームイネオス)
9位 ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、アスタナ) 0:37
10位 マーティン・トゥスフェルト(オランダ、サンウェブ) 0:38
ポイント賞
1位 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 62pts
2位 マッテーオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) 42pts
3位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) 33pts
山岳賞
1位 トーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル) 40pts
2位 ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール) 36pts
3位 ライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード) 20pts
ヤングライダー賞
1位 エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) 22:42:42
2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) 0:05
3位 アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 0:25
ツアー・オブ・グアンシー ウィメンズワールドツアー結果
1位 クロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ) 3:58:46
2位 アリソン・ジャクソン(カナダ、チームティブコ・SVB)
3位 マリアンヌ・フォス(オランダ、CCCチーム)
4位 アーレネス・シエラ(キューバ、アスタナ)
5位 キアラ・コンソンニ(イタリア、ヴァルカー・サイランス)
6位 ターニャ・エラス(ドイツ、キャニオン・スラム)
7位 ハンナ・ツェラク(ベラルーシ、ミンスクサイクリングクラブ)
8位 イラリア・サンギネーティ(イタリア、ヴァルカー・サイランス)
9位 エミリア・ファーリン(スウェーデン、FDJ・ヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ)
10位 ローレン・ステフェンス(アメリカ、チームティブコ・SVB)
text:So.Isobe
photo:CorVos

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