「世界選手権や残るレースに向けて調子が上がっていることを確認できた」と語るのはグランツールのステージ初優勝を飾ったヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)。ブエルタ最後の休息日を前にした超級山頂フィニッシュを走り終えた選手たちのコメントを紹介します。


ステージ優勝  ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)

超級山岳ラ・クビーリャ峠を制したヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)超級山岳ラ・クビーリャ峠を制したヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) photo:CorVos
作戦成功だ。チームのために働くことと、シーズン終盤に向けたコンディショニングに加えて、ステージ優勝がこのブエルタでの目標の一つだった。今日はルイスレオン(サンチェス)と自分がステージ優勝のために逃げる作戦で、実際に2人とも逃げに乗った時はちょっと興奮したよ。もし仮にステージ優勝のチャンスがなくても、最後の山岳でミゲル(ロペス)を待つこともできた。残り9km地点でのルイスレオンのアタックで5名に絞られてから急勾配区間で自分がアタックするとブランビッラだけが付いてきた。そして残り5km地点で再びペースを上げると独走状態になったんだ。

キャリアの中で最高のシーズンを送ることができている。ツール・ド・フランスは落車リタイアに終わったけど、春の勢いを取り戻すことができて嬉しい。グランツールのステージ初優勝は格別だ。世界選手権や残るレースに向けて調子が上がっていることを確認できたよ。でもまずはこのブエルタでミゲルを全力でサポートしたい。

ステージ4位 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

総合ジャンプアップを目指すジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)総合ジャンプアップを目指すジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
大成功の1日になった。序盤からチームはアタックを繰り返して、飛び出していたスティービー(スティバル)が吸収されたタイミングで自分とレミ(カヴァニャ)がアタック。そこにフィル(ジルベール)とマックス(リケーゼ)が追いついてきて、逃げグループを指揮しながらステージをこなすことができた。2つ目の1級山岳の下りで飛び出す選手が続出したけど状況はコントロールできていた。自分のために身を粉にしてくれたチームメイトたちに感謝したい。ステージ優勝することはできなかったけど、総合11位浮上は予想以上の結果。残り2つの山岳ステージでも勝負に絡んでポジションを上げたい。

グレゴリー・ラスト監督(トレック・セガフレード)

ジャンルーカ(ブランビッラ)は最初の1級山岳で形成された逃げ集団を時間をかけて追走。力を使って何とか合流したものの、そこで使った力が最後の走りに影響してしまった。ヤコブ(フルサング)がアタックした時も反応できていたし、彼の調子は良かった。彼をずっと鼓舞していたけど、やがては遅れてしまった。結果はステージ5位。やはり前半の追走で力を使ったことが勝負に響いてしまった。

ステージ14位/総合3位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

逃げていたコンティがタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)を牽引逃げていたコンティがタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)を牽引 photo:Kei Tsuji
とてもタフな1日の最後にロペスが自分に対して何度もアタックしてきた。全力を尽くして彼の加速に反応することができた。結果、バルベルデとのタイム差を詰めて、ロペスとのタイム差をキープ。終わってみれば良い1日になった。最終日まで彼との戦いは続きそうだ。他の選手と同様に疲れているけど、レースが始まってしまえば調子の良さを感じることができる。最終週もこの状態をキープしたい。

ステージ15位/総合4位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

ステージ15位/総合4位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)ステージ15位/総合4位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) photo:CorVos
今日は最初から攻撃を仕掛ける予定だったけど、ライバルたちを引き離せなかった。マドリードで総合表彰台に上るために引き続きアタックしたい。昨日よりも今日の方が調子が良かったし、まだタイムを挽回できるステージが残されている。

ステージ16位/マイヨロホ プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)

さらにリードを広げたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)さらにリードを広げたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) photo:CorVos
最後の山岳はとても長かったけど、チームにとっては良い1日になった。ロペスのアタックはとても強力だった。バルベルデがどう反応するかを見ていたのですぐに反応しなかったけど、彼の調子が良くないと判断したところでロペスにブリッジしたんだ。

最終週を恐れていない。むしろ楽しみだ。もちろん連日の戦いで身体は疲れているけど、ツールでも最終週は調子が良かった。ここまでレースを楽しむことができているし、終盤の山岳ステージも楽しみだ。休息日にしっかり休んで、マドリードまで集中力を切らさず走り切るよ。

ステージ18位/総合2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

ステージ18位/総合2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)ステージ18位/総合2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)CorVos
悪くない結果だと思う。今日はそこまで調子が良くなかった。昨日は40秒のタイムを得たけど、今日は23秒を失ってしまった。総合表彰台を争う選手たちは力が拮抗していて、今日の厳しいコースレイアウトを考えると23秒は取るに足らないタイム差に感じる。今日もマルク(ソレル)の働きは素晴らしかった。彼はまずポガチャルとロペスのアタックをマークして、それから自分を前まで引き上げてくれた。

今日はログリッチェもそこまで調子が良くなかったと思う。でも徐々に失速した自分とは異なり、彼はペースを刻んでライバルたちに追いついた。彼らが先行してからはマルクに助けられたよ。まだブエルタで勝つチャンスはあるのか?と聞かれると、こう答えるしかない。「逆転するための厳しいステージは残っている。でも同時にタイムを失う可能性も残されている」。

山岳賞1位 ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール)

ついに山岳賞ジャージを手にしたジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール)ついに山岳賞ジャージを手にしたジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール) photo:CorVos
まずはチームメイトに感謝したい。最初の1級山岳が始まるまでの51kmの平坦区間でひたすらアタック合戦が続き、チームメイトたちにサポートされて良いポジションをキープ。しっかりと逃げグループに乗って、先頭で1級山岳を通過することができた。山岳賞ジャージを手にした上に、ステージのトップ10という今シーズン最高の成績を残すことができて、とても幸せな気持ちに包まれている。27歳のネオプロなのでまだまだ学ぶことが多くて、今はピエール・ラトゥールのために働きながら経験を積んでいる。これからの目標はこの山岳賞ジャージをマドリードまで守り抜くことだ。

text:Kei.Tsuji

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