来季新たに誕生する地域密着型プロロードレースチーム、さいたまディレーブの設立発表記者会見が開かれた。さいたまクリテリウムbyツール・ド・フランスの開催の地である埼玉県さいたま市に生まれる新チームだ。

さいたま市で開催された「さいたまディレーブ」発足記者会見さいたま市で開催された「さいたまディレーブ」発足記者会見
埼玉県さいたま市をホームタウンとする地域密着型プロロードレースチーム『さいたまディレーブ』が誕生する。運営会社はブリヂストンアンカーや宇都宮ブリッツェンなどで選手として活動した長沼隆行が代表取締役を務める株式会社オリエンタルスポーツ。9月2日、さいたま市で設立記者会見が開かれた。

チーム名になっている「ディレーブ」とは、埼玉県に残る竜伝承に基づくドラゴンのDとフランス語で「夢」を意味する RAVE(レーブ)を組み合わせた造語。チームのホームタウンを埼玉県さいたま市とし、コンセプトカラーは「彩」(「彩の国」である埼玉の多彩な魅力を意味する)、グリーン、ブラック、ゴールドをあしらう。

「さいたまクリテリウムbyツール・ド・フランス」が行われる埼玉県さいたま市に誕生したチームの始動は2020年1月。初年度の所属選手はUCI コンチネンタルチーム登録可能な最低人数である10名を予定。埼玉県にゆかりのある選手の獲得を目指し、JBCFのJプロツアーレースを主戦場に戦う予定だ。

チームは長期的な展望として、2025年に国内ロードレース制覇、2030年に欧州遠征をスタート、2035年にはグランツールに出場することをビジョンとし、さいたまから世界を目指す。また、地域密着型チームとして、地域と密に関わるサイクリングイベントやホームレースの運営、自転車安全教室といった活動も実施。自転車を通してさいたまを盛り上げていくという。

チームへの期待を語る全日本実業団自転車競技連盟理事長の片山右京氏チームへの期待を語る全日本実業団自転車競技連盟理事長の片山右京氏 オリエンタルスポーツ代表の長沼隆行氏と株式会社サイタマサイクルプロジェクト代表取締役の川島恵子氏オリエンタルスポーツ代表の長沼隆行氏と株式会社サイタマサイクルプロジェクト代表取締役の川島恵子氏


会見には代表の長沼隆行氏のほか、一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)理事長の片山右京氏、株式会社オリエンタルスポーツCCO、共同創業者である株式会社サイタマサイクルプロジェクト代表取締役の川島恵子の3名が出席。

片山氏は、2021 年にスタートするJBCFの新リーグの柱はチームであること、また、国内チームに対して、地域に根差した活動で貢献し成長することはもちろん、卓球の張本智和選手やテニスの大坂なおみ選手といった他のスポーツを例にあげ、「スターが出ると一気に(世界が)変わる。簡単ではないが、ヒーローが出るような環境作りにも力を入れて欲しい」と語った。

川島氏は2015年に設立したサイタマサイクルプロジェクトでロードレースチームを運営(JBCF エリートクラスやフェミニンカテゴリーに出走)。埼玉に根差した活動を行ってきた。会見では、「地域密着型の意義」や埼玉県は自然が多く、民間調べの「住みたい街ランキング」で大宮が上位に入ることなどを例に挙げ、設立場所が「埼玉である必要性」についても言及。今後は、サイタマサイクルプロジェクトでのノウハウを活かし、「さいたまディレーブ」と連携し、地元と深く密接な関りが持てるような地域活動を目指すと話した。

地域密着型チーム 「さいたまディレーブ」の発足を発表した片山右京氏、長沼隆行氏、川島恵子の3名地域密着型チーム 「さいたまディレーブ」の発足を発表した片山右京氏、長沼隆行氏、川島恵子の3名