2017年ジロ・デ・イタリアの総合優勝者トム・デュムラン(オランダ)がチームを移籍する。8年間所属したサンウェブを離れ、オランダのユンボ・ヴィズマに移籍することを発表した。契約期間は2020年から2022年末までの3年間。


長く噂されてきたデュムランの移籍が正式に発表された。デュムランは8年間所属したサンウェブと2021年末まで契約を残していたが、2020年にユンボ・ヴィズマに移籍する。オランダが誇るグランツールレーサーがオランダチームに加わる。

デュムランは2012年にラボバンクのコンチネンタルチームからアルゴス・シマノに加入。以降、ジャイアント・シマノ、ジャイアント・アルペシン、サンウェブと名前を変えるオランダのUCIワールドチーム(2015年以降はドイツ登録)の中で着々と成長を続け、2017年にジロ・デ・イタリアで総合優勝を果たした。2018年はジロとツール・ド・フランスを総合2位で終えている。

今シーズン、デュムランは2度目のマリアローザ獲得を狙ったものの、第4ステージの落車で膝を痛めてリタイア。7月のマイヨジョーヌに目標を切り替えたものの膝の故障は長引き、リタイアした6月のクリテリウム・デュ・ドーフィネ以降レースから遠ざかっていた。現在のところシーズン中のレース復帰は無いと見られている。

2017年ジロ・デ・イタリア 総合優勝したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)2017年ジロ・デ・イタリア 総合優勝したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
2018年ツール・ド・フランス 総合2位トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)2018年ツール・ド・フランス 総合2位トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo:Luca Bettini
トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo:CorVos
デュムランを送り出すにあたり、サンウェブは「数えきれないほどの成功に満ちた信じられない8年間を経て、サンウェブとトム・デュムランは2019年シーズンをもって別々の道を歩むこととなった。デュムランはリフレッシュのために新しい環境が必要であるとの考えを示し、チームは彼の意向を尊重するとともに、協力して前向きな話し合いを続けてきた。共に過ごした時間に感謝し、トムの明るい将来を願っている」というコメントを残している。

新しいエースを歓迎するユンボ・ヴィズマは「私たちには世界最大のレースで勝つという一つの夢がある。ようこそトム。ともに夢に向かって戦っていく」と移籍発表ビデオの中でコメント。ユンボ・ヴィズマにはツールを総合3位で終えたステフェン・クライスヴァイク(オランダ)や、今シーズン3つのUCIワールドツアーステージレースで総合優勝を飾り、ジロを総合3位で終えたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)、2017年ツアー・オブ・カリフォルニア総合優勝者ジョージ・ベネット(ニュージーランド)、ビンクバンク・ツアーで総合優勝を飾ったばかりの若手ローレンス・デプルス(ベルギー)らが所属。ワウト・ファンアールト(ベルギー)やトニー・マルティン(ドイツ)、ヨス・ファンエムデン(オランダ)といったTTスペシャリストも揃っており、デュムランの加入によりなお一層グランツールチームとしての戦力を増すことになる。

スタート時間ギリギリまでインタビューに応じるトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)スタート時間ギリギリまでインタビューに応じるトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo:Kei Tsuji

text:Kei Tsuji

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