ノルウェー最終日にマークス・ホーエルガード(ノルウェー、ウノX・ノルウェージャンデヴェロップメント)が勝利。ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)との激しいボーナスタイム争いを繰り広げたアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)が1秒差で逆転総合優勝を叶えた。
ロディンゲンから海岸線をひた走り、本土のナルヴィクを目指す最終ステージ (c)CorVos
4日間、北極線越えのノルウェー北部で争われたアークティック・レース・オブ・ノルウェー(UCI2.HC)も最終日。ロディンゲンから海岸線をひた走り、本土の街ナルヴィクを目指す最終ステージは165kmで、後半には距離2.3km/平均勾配6.9%の1級山岳を含む周回コースを3周する。
総合首位ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)と同2位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)のタイム差はわずか3秒であり、スプリント力に優れるルツェンコが合計3箇所用意されている中間スプリント、そしてフィニッシュタイムのボーナスタイムで総合を逆転することは理論上可能。両チームの戦略に注目が集まる中最終ステージがスタートした。
この日逃げたのはユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ)やトムイェルト・スラフテル(オランダ、ディメンションデータ)、パスカル・エーンクホーン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、そしてポイント賞リーダーのマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)など強豪勢が含まれた10名。アルケア・サムシック率いるメイン集団は大きなリードを与えずに距離を消化していく。
後半戦に入り、メンバーを減らしつつ逃げるパスカル・エーンクホーン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)ら (c)CorVos
レース距離半分を過ぎると、第1中間スプリントポイントまでに逃げを吸収したいアスタナが総出でメイン集団を牽引した。しかし逃げもメンバーを減らしながら粘り、集団に迫られながらも4人が第1中間スプリントポイント(残り30km地点)を通過する。メイン集団はすぐさま逃げを捉え、ここから本格的にレースが動いた。
合計3回通過する1級山岳で積極的に動いたのは前日ステージ勝者のオドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・ゴベールサイクリング)だった。2連続でKOMを先着し、初日から山岳賞リーダーの座を守っていたスティーヴン・カミングス(イギリス、ディメンションデータ)を上回ることに成功。アップダウンコースで激しくアタックが掛かる中、続く第2中間スプリントではルツェンコとバルギルが一騎打ちを繰り広げた。
前を逃げるイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)を捉え、並びかけるバルギルを抑えたルツェンコが先着。この時点でバルギルとのタイム差は2秒に縮まり、総合争いはフィニッシュの着順に委ねられることとなる。
集団が20名以下になった残り6.3kmから仕掛けたのは総合10位のマークス・ホーエルガード(ノルウェー、ウノX・ノルウェージャンデヴェロップメント)。その後ろではルツェンコが加速するもバルギルが追従し、お見合いでペースが下がったためホーエルガードとの距離は開いていった。
残り6.3kmからの単独アタックを成功させたマークス・ホーエルガード(ノルウェー、ウノX・ノルウェージャンデヴェロップメント) (c)CorVos
4位フィニッシュに終わり、逆転を許したワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) (c)CorVos
ホーエルガードは力強いペダリングで独走を続け、十分なリードを保ちながら最終ストレートに到達。ノルウェー王者アムントグレンダール・ヤンセン(ユンボ・ヴィズマ)が追撃するも届かず、ホーエルガードが嬉しいキャリア初勝利を母国最大のステージレース最終日に飾った。
「今日はずっと調子が良く、チームメイトからも十分なサポートを得ていたので脚を残せていたんだ。最後はタイミングを読んで仕掛けた」と振り返るホーエルガード。初日に31名の勝ち逃げに乗ってステージ8位に入り、前日の山岳決戦では苦しみながらも総合10位に留まるなど粘り強いレース運びを見せていた。
ステージ2位ヤンセンの背後ではルツェンコがバルギルを引き離しながら3位フィニッシュ。ボーナスタイム4秒を得たルツェンコは、4位でボーナスタイム無しに終わったバルギルを逆転し総合優勝を決めた。
逆転総合優勝を果たしたアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) (c)CorVos
「本当にこの総合優勝が嬉しい。最後の最後まで戦い続けた末の勝利は素晴らしい気分だ。チームメイトの素晴らしい働きを得たし、それに対して感謝したい。昨日は超ハードなステージで、最後の登りも自分向きではなかったけれど、今日は脚質に合ったコースだと分かっていたんだ。だからモチベーションも高かった」と、ツアー・オブ・オマーンに続く今季2回目の総合優勝を果たしたルツェンコは言う。
「最後の周回コースでアタックする必要があるのは分かっていた。何度も何度も仕掛けたけどその度にバルギルが付いてきた。彼も素晴らしいレース運びをしていたね。登りで彼を振り落とすのは不可能だったので最後のスプリントに全てを賭けたんだ。カザフスタン王者になってから最初の勝利で、カザフスタンのスポーツの祝日に重ねることができたのでより嬉しい気分だ」と加えている。

4日間、北極線越えのノルウェー北部で争われたアークティック・レース・オブ・ノルウェー(UCI2.HC)も最終日。ロディンゲンから海岸線をひた走り、本土の街ナルヴィクを目指す最終ステージは165kmで、後半には距離2.3km/平均勾配6.9%の1級山岳を含む周回コースを3周する。
総合首位ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)と同2位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)のタイム差はわずか3秒であり、スプリント力に優れるルツェンコが合計3箇所用意されている中間スプリント、そしてフィニッシュタイムのボーナスタイムで総合を逆転することは理論上可能。両チームの戦略に注目が集まる中最終ステージがスタートした。
この日逃げたのはユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ)やトムイェルト・スラフテル(オランダ、ディメンションデータ)、パスカル・エーンクホーン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、そしてポイント賞リーダーのマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)など強豪勢が含まれた10名。アルケア・サムシック率いるメイン集団は大きなリードを与えずに距離を消化していく。

レース距離半分を過ぎると、第1中間スプリントポイントまでに逃げを吸収したいアスタナが総出でメイン集団を牽引した。しかし逃げもメンバーを減らしながら粘り、集団に迫られながらも4人が第1中間スプリントポイント(残り30km地点)を通過する。メイン集団はすぐさま逃げを捉え、ここから本格的にレースが動いた。
合計3回通過する1級山岳で積極的に動いたのは前日ステージ勝者のオドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・ゴベールサイクリング)だった。2連続でKOMを先着し、初日から山岳賞リーダーの座を守っていたスティーヴン・カミングス(イギリス、ディメンションデータ)を上回ることに成功。アップダウンコースで激しくアタックが掛かる中、続く第2中間スプリントではルツェンコとバルギルが一騎打ちを繰り広げた。
前を逃げるイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)を捉え、並びかけるバルギルを抑えたルツェンコが先着。この時点でバルギルとのタイム差は2秒に縮まり、総合争いはフィニッシュの着順に委ねられることとなる。
集団が20名以下になった残り6.3kmから仕掛けたのは総合10位のマークス・ホーエルガード(ノルウェー、ウノX・ノルウェージャンデヴェロップメント)。その後ろではルツェンコが加速するもバルギルが追従し、お見合いでペースが下がったためホーエルガードとの距離は開いていった。


ホーエルガードは力強いペダリングで独走を続け、十分なリードを保ちながら最終ストレートに到達。ノルウェー王者アムントグレンダール・ヤンセン(ユンボ・ヴィズマ)が追撃するも届かず、ホーエルガードが嬉しいキャリア初勝利を母国最大のステージレース最終日に飾った。
「今日はずっと調子が良く、チームメイトからも十分なサポートを得ていたので脚を残せていたんだ。最後はタイミングを読んで仕掛けた」と振り返るホーエルガード。初日に31名の勝ち逃げに乗ってステージ8位に入り、前日の山岳決戦では苦しみながらも総合10位に留まるなど粘り強いレース運びを見せていた。
ステージ2位ヤンセンの背後ではルツェンコがバルギルを引き離しながら3位フィニッシュ。ボーナスタイム4秒を得たルツェンコは、4位でボーナスタイム無しに終わったバルギルを逆転し総合優勝を決めた。

「本当にこの総合優勝が嬉しい。最後の最後まで戦い続けた末の勝利は素晴らしい気分だ。チームメイトの素晴らしい働きを得たし、それに対して感謝したい。昨日は超ハードなステージで、最後の登りも自分向きではなかったけれど、今日は脚質に合ったコースだと分かっていたんだ。だからモチベーションも高かった」と、ツアー・オブ・オマーンに続く今季2回目の総合優勝を果たしたルツェンコは言う。
「最後の周回コースでアタックする必要があるのは分かっていた。何度も何度も仕掛けたけどその度にバルギルが付いてきた。彼も素晴らしいレース運びをしていたね。登りで彼を振り落とすのは不可能だったので最後のスプリントに全てを賭けたんだ。カザフスタン王者になってから最初の勝利で、カザフスタンのスポーツの祝日に重ねることができたのでより嬉しい気分だ」と加えている。
アークティック・レース・オブ・ノルウェー2019第4ステージ結果
1位 | マークス・ホーエルガード(ノルウェー、ウノX・ノルウェージャンデヴェロップメント) | 3:35:32 |
2位 | アムントグレンダール・ヤンセン(ノルウェー、ユンボ・ヴィズマ) | |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:03 |
4位 | ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) | 0:04 |
5位 | クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、イスラエルサイクリングアカデミー) | |
6位 | リリアン・カルメジャーヌ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) | |
7位 | エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ワンティ・ゴベールサイクリング) | |
8位 | イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) | |
9位 | クリスツ・ニーランズ(ラトビア、イスラエルサイクリングアカデミー) | |
10位 | シンドレ・ルンケ(ノルウェー、リワル・レディーネス) |
個人総合成績
1位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 14:59:27 |
2位 | ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) | 0:01 |
3位 | クリスツ・ニーランズ(ラトビア、イスラエルサイクリングアカデミー) | 0:19 |
4位 | リリアン・カルメジャーヌ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) | 0:23 |
5位 | ユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ) | 0:40 |
6位 | シンドレ・ルンケ(ノルウェー、リワル・レディーネス) | 042 |
7位 | マークス・ホーエルガード(ノルウェー、ウノX・ノルウェージャンデヴェロップメント) | 0:43 |
8位 | アムントグレンダール・ヤンセン(ユンボ・ヴィズマ) | 0:51 |
9位 | エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ワンティ・ゴベールサイクリング) | 0:53 |
10位 | スティーヴン・カミングス(イギリス、ディメンションデータ) | 1:12 |
ポイント賞
1位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 30pts |
2位 | マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) | 27pts |
3位 | マークス・ホーエルガード(ノルウェー、ウノX・ノルウェージャンデヴェロップメント) | 25pts |
山岳賞
1位 | オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・ゴベールサイクリング) | 20pts |
2位 | スティーヴン・カミングス(イギリス、ディメンションデータ) | 12pts |
3位 | イヴェルズビィ・ハイデベルグ(ノルウェー、ウノX・ノルウェージャンデヴェロップメント) | 11pts |
ヤングライダー賞
1位 | クリスツ・ニーランズ(ラトビア、イスラエルサイクリングアカデミー) | 14:59:46 |
2位 | マークス・ホーエルガード(ノルウェー、ウノX・ノルウェージャンデヴェロップメント) | 0:24 |
3位 | アムントグレンダール・ヤンセン(ユンボ・ヴィズマ) | 0:32 |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 45:02:14 |
2位 | リワル・レディーネス | 2:13 |
3位 | トタル・ディレクトエネルジー | 14:34 |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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