ツール・ド・ポローニュ4日目に、前日に落車事故で命を落としたビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル)に捧げるパレードランが執り行われた。



沈痛な面持ちで現れたロット・スーダルのジョン・ルランゲGM沈痛な面持ちで現れたロット・スーダルのジョン・ルランゲGM (c)CorVosポローニュオーガナイザーのチェスラウ・ラング氏がロット・スーダルの選手に声をかけるポローニュオーガナイザーのチェスラウ・ラング氏がロット・スーダルの選手に声をかける (c)CorVos

スタート地点に並んだロット・スーダルの選手たちスタート地点に並んだロット・スーダルの選手たち (c)CorVos
前日のスタート地点と打って変わって、沈痛な空気が流れたツール・ド・ポローニュ第4ステージ。当初は最後に急勾配登坂を含む173kmコースが予定されていたが、終盤の周回コースをカットした135kmで順位を争わないニュートラル走行が行われることとなった。

賑やかな音楽もセレモニーも無いスタート地点から、静かにコースへと出ていく選手たち。ロット・スーダルの6名を先頭に、腕に喪章を巻いた選手たちがペダルを回していく。ランブレヒトへのメッセージを掲げた沿道の観客からも静かながら温かい拍手が送られ続けた。

各チームが先頭交代をしながらランブレヒトを偲んだ各チームが先頭交代をしながらランブレヒトを偲んだ (c)CorVos
ランブレヒトがつけていたゼッケンナンバーを掲げるファンランブレヒトがつけていたゼッケンナンバーを掲げるファン (c)CorVos喪章をつけて走るダニー・ファンポッペル(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)ら喪章をつけて走るダニー・ファンポッペル(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)ら (c)CorVos

フィニッシュ地点ではランブレヒトに1分間の黙祷が捧げられたフィニッシュ地点ではランブレヒトに1分間の黙祷が捧げられた (c)CorVos
悲しみに暮れるロット・スーダルのスタッフ悲しみに暮れるロット・スーダルのスタッフ (c)CorVos事前の打ち合わせ通り、各チームが30〜35km/hのペースで先頭を交代しながら走り、最後はロット・スーダルが横一列に並んでフィニッシュ地点へ。普段のレースで使われている黄色ではなく、ランブレヒトがつけていたゼッケンナンバー「143」を付けた黒いフィニッシュアーチの前で1分間の黙祷が行われた。

フィニッシュ地点でのセレモニーは無く、そのままチームバスに戻っていった選手たち。別府史之(トレック・セガフレード)は「とても複雑な心境の中、みんなで走り繋いだ今日と言う日を忘れないであろう。ただひとつ言わせて欲しい事は、今回の落車はとても不運なもので、必ずしも自転車が危険な乗り物じゃないって事。世界中のみんなが笑顔になれる乗り物だと思うから」と自身のTwitterにメッセージを綴っている。

明日の第5ステージは会場のトーンを落としつつ、レース自体は通常通り行われる。ロット・スーダルではトラウマ治療専門家のアドバイスを元にレースに残るか否かは選手個人の判断に委ねられ、残る6名のほとんどはレース続行を希望したという。最終的な判断は明朝となる予定だ。

text:So.Isobe
photo:CorVos

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