2019/07/21(日) - 03:02
標高2,115mの超級山岳トゥールマレー峠にフィニッシュするツール・ド・フランス第14ステージでティボー・ピノ(グルパマFDJ)が念願の勝利。トーマスに30秒差をつけて2位に入ったジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がマイヨジョーヌのリードを広げた。
7月20日(土)第14ステージ
タルブ〜トゥールマレー・バレージュ
距離:111km
獲得標高差:3,300m
天候:晴れ時々曇り
気温:20〜29度
サガンやウェレンス、ニバリがエスケープ
ピレネーを代表する、そしてツールを代表するトゥールマレー峠の山頂フィニッシュが第14ステージに登場。111kmという短めの距離に、1級山岳スロール峠(距離11.9km/平均7.8%)と超級山岳トゥールマレー峠(距離19km/平均7.4%)という2つの峠が組み込まれた。トゥールマレー峠がツールに登場するのは82回目で、フィニッシュとしての登場はアンディ・シュレク(ルクセンブルク)がアルベルト・コンタドール(スペイン)を下した2010年大会第17ステージ以来となる3回目。ピレネーらしいダイナミックな山岳風景を仰ぎ見ながら、「ジャック・ゴデ記念賞」が設定された標高2,115mの名峰を西側から登る。
スタートを切ったのは前日の落車で左手を骨折したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)を除く164名。スタート直後に飛び出したヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)とペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がしばらくタンデム走行し、最終的に先頭では17名の逃げグループが出来上がる。マイヨジョーヌから9分02秒しか遅れていない総合25位ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)を含む逃げがピレネー山脈に向かってリードを広げ始めた。
逃げグループを形成した17名
ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)
イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
マルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ・アルペシン)
ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
アレクシ・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール)
マチュー・ラダニュ(フランス、グルパマFDJ)
カルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)
セルジオルイス・エナオ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
レナード・ケムナ(ドイツ、サンウェブ)
リリアン・カルメジャーヌ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)
ロメン・シカール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)
レイン・タラマエ(エストニア、トタル・ディレクトエネルジー)
ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)
エリー・ジェスベール(フランス、アルケア・サムシック)
マイヨヴェールのサガンやマイヨアポワのウェレンス、ニバリ、ザカリンという豪華なメンバーを含む先頭17名は3分弱のリードを持って最初の難所である1級山岳スロール峠へ。登坂距離11.9kmのこのピレネーの峠で逃げグループは8名(ニバリ、ケムナ、ウェレンス、ザカリン、ベローナ、サンチェス、シカール、ジェスベール)に絞られる。頂上まで2.5kmを残して山岳ポイント狙いのウェレンスがアタックすると、ここにニバリとジェスベールが飛びついた。
逃げグループがわずかなリードで超級山岳トゥールマレー峠へ
グルパマFDJとドゥクーニンク・クイックステップのペースメイクによりタイム差の拡大を防いだメイン集団は、この1級山岳スロール峠でモビスターの支配に切り替わる。スペインチームがメンバーを総動員してペースを上げると、まだ距離的にステージ前半にもかかわらず、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)がメイン集団から脱落。すでに総合で17位に沈んでいたバルデに続いて、総合10位のアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)や総合14位パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)も遅れ始めた。
先頭ではウェレンスがスプリントでニバリを振り切って1級山岳スロール峠を登頂。30秒遅れでザカリンらが続き、モビスター率いるメイン集団は1分50秒遅れ。長い下り区間をこなした先頭3名(ニバリ、ウェレンス、ジェスベール)が80km地点のスプリントポイントを通過していく。1級山岳スロール峠で脱落しながらも追走グループに入ってスプリントポイントを9番手通過したサガンが7ポイントを獲得した。この日の逃げによってサガンはマイヨヴェールを、ウェレンスはマイヨアポワのリードをそれぞれ広げることに成功している。
8名(ニバリ、ウェレンス、ジェスベール、カルメジャーヌ、シカール、ザカリン、ケムナ、サンチェス)に人数を増やした逃げグループはメイン集団から45秒差で残り30kmアーチを通過する。そこから飛び出したシカールが独走の持ち込み、いよいよ最後の超級山岳トゥールマレー峠の登坂を開始した。
トゥールマレー峠でペースを上げるユンボ・ヴィズマやグルパマFDJ
登坂距離19km、平均勾配7.4%、標高2,115m、高低差1,410mという超級山岳トゥールマレー峠。谷を吹き上げる追い風に乗って、単独追走したジェスベールが先頭シカールを追い抜いていく。しかし残り13km地点でメイン集団とのタイム差は35秒。頂上まで10.5kmを残して、ステージ敢闘賞を獲得することになるジェスベールはメイン集団に吸収された。
引き続きモビスターがペースを上げたメイン集団からは、下り区間で追いついていたAイェーツやコンラッドらが再び脱落する。続いて総合11位ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)、さらに総合9位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が遅れた。キンタナの脱落に伴ってモビスターは集団牽引を中止。マルク・ソレル(スペイン、モビスター)をサポートのためにキンタナのもとへと向かわせた。
チームイネオスのコントロールに切り替わったメイン集団の中で、残り9.5km地点で先陣を切ってアタックしたのはワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)。追い風に乗るフランスチャンピオンを、ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)のアシスト役であるダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)が集団を率いて追走する。
グルパマFDJの作るペースにより先頭バルギルは残り5.5km地点で吸収。続いて総合15位リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)、総合4位エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)が脱落し、残り4kmの時点でメイン集団の人数は14名に。その後のゴデュのアタックはユンボ・ヴィズマ勢によって吸収される。
ユンボ・ヴィズマはローレンス・デプルス(ベルギー)とジョージ・ベネット(ニュージーランド)を先頭に送り込み、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ)を徹底サポートした。ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)やリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト)が相次いで脱落したが、マイヨジョーヌのアラフィリップは苦しい表情を浮かべながらも集団に食らいつく。
フラムルージュ(残り1kmアーチ)でエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がアタックすると、総合2位ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)が脱落。ブッフマンの加速に対応できたのはエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)とピノ、クライスヴァイク、アラフィリップ、ミケル・ランダ(スペイン、モビスター)のみ。勝負はこの精鋭6名に絞られた。
残り400mのスイッチバックを曲がり、ステージ優勝に向けて加速したのはピノ。ライバルたちを一気に突き放したピノが急勾配区間を駆け上がり、標高2,115mの頂上でガッツポーズを繰り出した。そして6秒差の2位に入ったのはクライスヴァイクやブッフマン、ベルナルを振り切ったマイヨジョーヌのアラフィリップ。総合2位トーマスは36秒遅れでフィニッシュした。
表彰台に登ったピノ、アラフィリップ、マクロン大統領
大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏とともにエマニュエル・マクロン大統領が赤いディレクターカーに乗ってトゥールマレー峠に到着したこの日、フランス人選手がワンツー勝利を飾った。表彰台でマクロン大統領と握手したピノは「今日は他の何よりもステージ優勝が欲しかった」と語る。
「今日は作戦通りにチームはレースを進めた。スロール峠でのモビスターの強力なペースアップは予想外だったけど、最後はダヴィ・ゴデュが作戦通りアタック。どうしても勝ちたいという気持ちがあった」と、2012年と2015年に続くステージ3勝目を飾ったピノ。総合でも6位にジャンプアップしており「総合トップ3でパリにたどり着きたい」と意気込んでいる。
2018年ツールにトゥールマレー峠が登場した際にマイヨアポワを着て先頭通過したアラフィリップが、この日、マイヨジョーヌを着て2番手でトゥールマレー峠を登り切った。トーマスとの総合タイム差1分26秒を守るどころか、タイム差30秒にボーナスタイム6秒を加えてリードを2分02秒まで拡大することに成功している。
難関山岳ステージでも好調ぶりを示したアラフィリップは「ライバルたちが遅れていくのを見て興奮した。マイヨジョーヌをあともう一日着ることができる。これ以上のものはないよ」とコメントする。「明日以降もさらなる総合順位の変動が起こるはず。パリが近づけば近づくほど自分に求めるものが多くなっていくけど、今はとにかくハードなステージからリカバリーしたい」。
アラフィリップが総合リードを広げた一方で、2分54秒遅れたマスは総合10位にダウンするとともにマイヨブランをベルナルに明け渡している。トゥールマレー決戦を終えて総合1位アラフィリップと総合2位トーマスのタイム差は2分02秒、総合3位クライスヴァイクのタイム差は2分14秒。まだまだ3分12秒以内に6名がひしめく状態で、1級山岳フォア・プラットダルビの山頂フィニッシュが設定された第15ステージを迎える。
7月20日(土)第14ステージ
タルブ〜トゥールマレー・バレージュ
距離:111km
獲得標高差:3,300m
天候:晴れ時々曇り
気温:20〜29度
サガンやウェレンス、ニバリがエスケープ
ピレネーを代表する、そしてツールを代表するトゥールマレー峠の山頂フィニッシュが第14ステージに登場。111kmという短めの距離に、1級山岳スロール峠(距離11.9km/平均7.8%)と超級山岳トゥールマレー峠(距離19km/平均7.4%)という2つの峠が組み込まれた。トゥールマレー峠がツールに登場するのは82回目で、フィニッシュとしての登場はアンディ・シュレク(ルクセンブルク)がアルベルト・コンタドール(スペイン)を下した2010年大会第17ステージ以来となる3回目。ピレネーらしいダイナミックな山岳風景を仰ぎ見ながら、「ジャック・ゴデ記念賞」が設定された標高2,115mの名峰を西側から登る。
スタートを切ったのは前日の落車で左手を骨折したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)を除く164名。スタート直後に飛び出したヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)とペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がしばらくタンデム走行し、最終的に先頭では17名の逃げグループが出来上がる。マイヨジョーヌから9分02秒しか遅れていない総合25位ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)を含む逃げがピレネー山脈に向かってリードを広げ始めた。
逃げグループを形成した17名
ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)
イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
マルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ・アルペシン)
ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
アレクシ・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール)
マチュー・ラダニュ(フランス、グルパマFDJ)
カルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)
セルジオルイス・エナオ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
レナード・ケムナ(ドイツ、サンウェブ)
リリアン・カルメジャーヌ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)
ロメン・シカール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)
レイン・タラマエ(エストニア、トタル・ディレクトエネルジー)
ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)
エリー・ジェスベール(フランス、アルケア・サムシック)
マイヨヴェールのサガンやマイヨアポワのウェレンス、ニバリ、ザカリンという豪華なメンバーを含む先頭17名は3分弱のリードを持って最初の難所である1級山岳スロール峠へ。登坂距離11.9kmのこのピレネーの峠で逃げグループは8名(ニバリ、ケムナ、ウェレンス、ザカリン、ベローナ、サンチェス、シカール、ジェスベール)に絞られる。頂上まで2.5kmを残して山岳ポイント狙いのウェレンスがアタックすると、ここにニバリとジェスベールが飛びついた。
逃げグループがわずかなリードで超級山岳トゥールマレー峠へ
グルパマFDJとドゥクーニンク・クイックステップのペースメイクによりタイム差の拡大を防いだメイン集団は、この1級山岳スロール峠でモビスターの支配に切り替わる。スペインチームがメンバーを総動員してペースを上げると、まだ距離的にステージ前半にもかかわらず、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)がメイン集団から脱落。すでに総合で17位に沈んでいたバルデに続いて、総合10位のアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)や総合14位パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)も遅れ始めた。
先頭ではウェレンスがスプリントでニバリを振り切って1級山岳スロール峠を登頂。30秒遅れでザカリンらが続き、モビスター率いるメイン集団は1分50秒遅れ。長い下り区間をこなした先頭3名(ニバリ、ウェレンス、ジェスベール)が80km地点のスプリントポイントを通過していく。1級山岳スロール峠で脱落しながらも追走グループに入ってスプリントポイントを9番手通過したサガンが7ポイントを獲得した。この日の逃げによってサガンはマイヨヴェールを、ウェレンスはマイヨアポワのリードをそれぞれ広げることに成功している。
8名(ニバリ、ウェレンス、ジェスベール、カルメジャーヌ、シカール、ザカリン、ケムナ、サンチェス)に人数を増やした逃げグループはメイン集団から45秒差で残り30kmアーチを通過する。そこから飛び出したシカールが独走の持ち込み、いよいよ最後の超級山岳トゥールマレー峠の登坂を開始した。
トゥールマレー峠でペースを上げるユンボ・ヴィズマやグルパマFDJ
登坂距離19km、平均勾配7.4%、標高2,115m、高低差1,410mという超級山岳トゥールマレー峠。谷を吹き上げる追い風に乗って、単独追走したジェスベールが先頭シカールを追い抜いていく。しかし残り13km地点でメイン集団とのタイム差は35秒。頂上まで10.5kmを残して、ステージ敢闘賞を獲得することになるジェスベールはメイン集団に吸収された。
引き続きモビスターがペースを上げたメイン集団からは、下り区間で追いついていたAイェーツやコンラッドらが再び脱落する。続いて総合11位ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)、さらに総合9位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が遅れた。キンタナの脱落に伴ってモビスターは集団牽引を中止。マルク・ソレル(スペイン、モビスター)をサポートのためにキンタナのもとへと向かわせた。
チームイネオスのコントロールに切り替わったメイン集団の中で、残り9.5km地点で先陣を切ってアタックしたのはワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)。追い風に乗るフランスチャンピオンを、ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)のアシスト役であるダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)が集団を率いて追走する。
グルパマFDJの作るペースにより先頭バルギルは残り5.5km地点で吸収。続いて総合15位リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)、総合4位エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)が脱落し、残り4kmの時点でメイン集団の人数は14名に。その後のゴデュのアタックはユンボ・ヴィズマ勢によって吸収される。
ユンボ・ヴィズマはローレンス・デプルス(ベルギー)とジョージ・ベネット(ニュージーランド)を先頭に送り込み、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ)を徹底サポートした。ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)やリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト)が相次いで脱落したが、マイヨジョーヌのアラフィリップは苦しい表情を浮かべながらも集団に食らいつく。
フラムルージュ(残り1kmアーチ)でエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がアタックすると、総合2位ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)が脱落。ブッフマンの加速に対応できたのはエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)とピノ、クライスヴァイク、アラフィリップ、ミケル・ランダ(スペイン、モビスター)のみ。勝負はこの精鋭6名に絞られた。
残り400mのスイッチバックを曲がり、ステージ優勝に向けて加速したのはピノ。ライバルたちを一気に突き放したピノが急勾配区間を駆け上がり、標高2,115mの頂上でガッツポーズを繰り出した。そして6秒差の2位に入ったのはクライスヴァイクやブッフマン、ベルナルを振り切ったマイヨジョーヌのアラフィリップ。総合2位トーマスは36秒遅れでフィニッシュした。
表彰台に登ったピノ、アラフィリップ、マクロン大統領
大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏とともにエマニュエル・マクロン大統領が赤いディレクターカーに乗ってトゥールマレー峠に到着したこの日、フランス人選手がワンツー勝利を飾った。表彰台でマクロン大統領と握手したピノは「今日は他の何よりもステージ優勝が欲しかった」と語る。
「今日は作戦通りにチームはレースを進めた。スロール峠でのモビスターの強力なペースアップは予想外だったけど、最後はダヴィ・ゴデュが作戦通りアタック。どうしても勝ちたいという気持ちがあった」と、2012年と2015年に続くステージ3勝目を飾ったピノ。総合でも6位にジャンプアップしており「総合トップ3でパリにたどり着きたい」と意気込んでいる。
2018年ツールにトゥールマレー峠が登場した際にマイヨアポワを着て先頭通過したアラフィリップが、この日、マイヨジョーヌを着て2番手でトゥールマレー峠を登り切った。トーマスとの総合タイム差1分26秒を守るどころか、タイム差30秒にボーナスタイム6秒を加えてリードを2分02秒まで拡大することに成功している。
難関山岳ステージでも好調ぶりを示したアラフィリップは「ライバルたちが遅れていくのを見て興奮した。マイヨジョーヌをあともう一日着ることができる。これ以上のものはないよ」とコメントする。「明日以降もさらなる総合順位の変動が起こるはず。パリが近づけば近づくほど自分に求めるものが多くなっていくけど、今はとにかくハードなステージからリカバリーしたい」。
アラフィリップが総合リードを広げた一方で、2分54秒遅れたマスは総合10位にダウンするとともにマイヨブランをベルナルに明け渡している。トゥールマレー決戦を終えて総合1位アラフィリップと総合2位トーマスのタイム差は2分02秒、総合3位クライスヴァイクのタイム差は2分14秒。まだまだ3分12秒以内に6名がひしめく状態で、1級山岳フォア・プラットダルビの山頂フィニッシュが設定された第15ステージを迎える。
ツール・ド・フランス2019第14ステージ結果
1位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 3:10:20 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:06 |
3位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
4位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:08 |
5位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | |
6位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | 0:00:14 |
7位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 0:00:30 |
8位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) | 0:00:36 |
9位 | ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) | 0:00:38 |
10位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:00:53 |
12位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:00:58 |
14位 | リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) | 0:02:05 |
16位 | エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:02:54 |
17位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:03:24 |
24位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | 0:05:35 |
25位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:06:42 |
DNS | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 56:11:29 |
2位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) | 0:02:02 |
3位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:02:14 |
4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 0:03:00 |
5位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:03:12 |
6位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | |
7位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 0:04:24 |
8位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:05:22 |
9位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:05:27 |
10位 | エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:05:38 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 284pts |
2位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 191pts |
3位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 184pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 64pts |
2位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 42pts |
3位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 37pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 56:14:29 |
2位 | エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:02:38 |
3位 | ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | 0:08:00 |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 169:02:15 |
2位 | トレック・セガフレード | 0:11:05 |
3位 | ボーラ・ハンスグローエ | 0:25:10 |
text:Kei Tsuji in Tourmalet, France
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