2010年4月20日、北イタリアでジロ・デル・トレンティーノ(UCI2.1)が開幕。初日の個人タイムトライアルで優勝したアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)がリーダージャージに袖を通した。新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)は62位のタイムで初日を終えている。

ジロ・デル・トレンティーノ2010第1ステージジロ・デル・トレンティーノ2010第1ステージ image:www.girodeltrentino.comトレンティーノ初日は、ガルダ湖に近い平らな盆地を駆け抜ける個人タイムトライアル。距離は12.5kmで、翌日からの本格山岳ステージとは正反対の平坦なコースレイアウトが特徴だ。

レース終盤にかけて好タイムが続出し、ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が15分23秒のトップタイムを叩き出すと、その2人後に出走したヴィノクロフがそれを16秒上回ってゴール。

ステージ2位のステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)とステージ優勝のアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)ステージ2位のステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)とステージ優勝のアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) photo:www.girodeltrentino.com後続のマッテーオ・モンタグティ(イタリア、 デローザ・スタックプラスチック)やミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)も好走したが、ヴィノクロフのタイムには届かない。結果的に12.5kmを平均49.59km/hで駆け抜けたヴィノクロフが勝利。イタリア勢を打ち破った。

ジロ・デ・イタリアへの出場に注目が集まるヴィノクロフは、これが復帰後4勝目(今シーズン初勝利)。同時に小豆色のリーダージャージを獲得した。

各賞ジャージ受賞者 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)がリーダージャージ獲得各賞ジャージ受賞者 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)がリーダージャージ獲得 photo:Cor Vos大会制覇に向けて最高のスタートを切ったアスタナのチームリーダー。しかしヴィノはトレンティーノの総合成績に固執していない様子。レース後の記者会見でヴィノは「まずはステージ1勝。とても大きな満足感を得ている。でもこのトレンティーノには勝ちたいと思っているイタリア人選手が大勢出場しているから、かなりハイレベルな闘いになるだろう。(トレンティーノ閉幕後)日曜日のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュに出場する予定なので、力を調整しながら走っていきたい」と語った。ヴィノはTモバイル時代の2005年にリエージュで優勝している。

注目の総合有力選手は、リカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)が30秒遅れ・8位、イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)が35秒遅れ・13位、ホセ・ルハノ(ベネズエラ、ISD・ネーリ)が1分03秒遅れ・41位、ジルベルト・シモーニ(イタリア、ランプレ)が1分07秒遅れ・46位に。これらの選手は翌日からの山岳ステージで果敢に攻撃を仕掛けてくるだろう。

ステージ13位のイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)ステージ13位のイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) photo:Cor Vosトップタイムで優勝したアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)トップタイムで優勝したアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) photo:Cor Vos今シーズン初勝利を飾ったアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)が表彰台に上がる今シーズン初勝利を飾ったアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)が表彰台に上がる photo:Cor Vos

Bboxブイグテレコムの新城幸也は、トップから1分13秒遅れの62位(154名中)でゴール。これはチーム内で2番目の成績であり、ジロ・デ・イタリア出場に向けてますます期待が高まる。ユキヤは自身のブログの中で「しっかり追い込みました。調子は良いみたい。自分なりに満足の行く走りが出来ました。明日からは山、山、山の日々が続きますが今年初の山岳レースなので、気負わず行きたいと思います。しっかりと登りの感触を思い出して、後半に良い走りが出来る様にしたいと思います」と語った。

ジロ・デル・トレンティーノは4月20日から23日まで、4日間の日程で開催される。残る3ステージはいずれも厳しい山岳ステージだ。

レース展開や選手コメントはレース公式サイトより。

ジロ・デル・トレンティーノ2010第1ステージ結果
1位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)        15'07"
2位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)       +16"
3位 マッテーオ・モンタグティ(イタリア、 デローザ・スタックプラスチック)  +18"
4位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)     +23"
5位 ピエト・ローイヤッケル(オランダ、スキル・シマノ)           +25"
6位 ティモン・ゾイベルト(ドイツ、チームネットアップ)           +27"
7位 エフゲニー・ペトロフ(ロシア、カチューシャ)              +28"
8位 リカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)          +30"
9位 アレッサンドロ・ベルトリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)  +32"
10位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)
62位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)                +1'13"

個人総合成績
1位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)        15'07"
2位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)       +16"
3位 マッテーオ・モンタグティ(イタリア、 デローザ・スタックプラスチック)  +18"
4位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)     +23"
5位 ピエト・ローイヤッケル(オランダ、スキル・シマノ)           +25"
6位 ティモン・ゾイベルト(ドイツ、チームネットアップ)           +27"
7位 エフゲニー・ペトロフ(ロシア、カチューシャ)              +28"
8位 リカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)          +30"
9位 アレッサンドロ・ベルトリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)  +32"
10位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)
62位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)                +1'13"

新人賞
ティモン・ゾイベルト(ドイツ、チームネットアップ)

チーム総合成績
アスタナ

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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