日本最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」が、大阪府の堺市で開幕。初日の第1ステージは2.6kmの個人タイムトライアルが行われ、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が3分6秒69のトップタイムを出して優勝。個人総合首位の「グリーンジャージ」を獲得した。



国内で開催されるUCIステージレースで最もグレードの高い大会「ツアー・オブ・ジャパン」が開幕。8日間8ステージのレースがスタートした。

初日の第1ステージは、自転車部品メーカー「シマノ」のお膝元である大阪府堺市での個人タイムトライアル。メイン会場の大仙公園は、ユネスコの世界遺産登録が確実となった百舌鳥・古市古墳群の百舌鳥エリアの中心部にあたる、今話題のスポットだ。その影響もあってか、77,000人の観客が集まった。

佐野淳哉(マトリックスパワータグ)の周りに人が集まる佐野淳哉(マトリックスパワータグ)の周りに人が集まる photo:Satoru Kato入部正太朗と木村圭佑(シマノレーシング)の応援バナーを手にするご本人2人入部正太朗と木村圭佑(シマノレーシング)の応援バナーを手にするご本人2人 photo:Satoru Kato

ファンサービスするチーム・ブリッジレーンのメンバーファンサービスするチーム・ブリッジレーンのメンバー photo:Satoru Katoシマノレーシングチームはディスクブレーキロードをこのレースから全選手分投入シマノレーシングチームはディスクブレーキロードをこのレースから全選手分投入 photo:Satoru Kato

この日の堺市は、朝から晴れて午前10時前に27度近くまで気温が上昇。日差しが強かったものの、昼頃になると雲が増えて暑さが和らぐ1日となった。



堺国際クリテリウムはオールイス・アルベルト・アウラールが優勝

堺国際クリテリウム スタート堺国際クリテリウム スタート photo:Satoru Kato最終周回は堺市が地元のシマノレーシングが集団牽引して追走最終周回は堺市が地元のシマノレーシングが集団牽引して追走 photo:Satoru Kato

僅差のスプリントを制してオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ・写真右)が優勝僅差のスプリントを制してオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ・写真右)が優勝 photo:Satoru Kato
ツアー・オブ・ジャパンのレースに先立ち、タイムトライアルと同じコースを使用して「堺国際クリテリウム」が開催された。距離は10周27km。レース中盤から佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、ジガ・ルチガイ(リュブリャナ・グスト・サンティック)、クリス・ハーパー(チーム・ブリッジレーン)の3人が逃げる。

最終周回に入ると地元チームのシマノレーシングチームが牽引して追走を開始し、逃げを吸収。最後はオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)が、イメリオ・チーマ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)を僅差のスプリントで下して優勝した。
堺国際クリテリウム 結果(27km)
1位 オールイス・アルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) 35分1秒
2位 イメリオ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +0秒
3位 ユーセフ・レグイグイ(アルジェリア、トレンガヌ・INC・ TSG・サイクリングチーム)
4位 ニコラス・ホワイト(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン)
5位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)
6位 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・サンティック)


岡篤志が優勝してリーダージャージを獲得

第1ステージの個人タイムトライアルは、コースを1周する2.6km。30秒間隔で96人が出走した。

13番目にスタートした、昨年総合4位のクリス・ハーパー(チーム・ブリッジレーン)が、昨年の優勝タイムを約2秒上回る3分10秒58を出して暫定首位に立つ。スタート順後半に入り、50番目にスタートしたアダム・トーパリック(チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー)が0秒17上回ってトップ。さらに69番目スタートの岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が、トップタイムを大きく塗り替える3分6秒69を出して暫定首位に立つ。

1人だけ3分6秒台のタイムを出して堺ステージを制した岡篤志(宇都宮ブリッツェン)1人だけ3分6秒台のタイムを出して堺ステージを制した岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato
全日本タイムトライアルチャンピオンの窪木一茂(チームチームブリヂストンサイクリング)が2位 3分7秒28全日本タイムトライアルチャンピオンの窪木一茂(チームチームブリヂストンサイクリング)が2位 3分7秒28 photo:Satoru Kato堺国際クリテリウムを制したオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)が3位 3分8秒02堺国際クリテリウムを制したオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)が3位 3分8秒02 photo:Satoru Kato

スタート順終盤に入り、窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)、オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)、レイモンド・クレダー(チーム右京)らが3分10秒を切るタイムを出してくるものの、トップタイムを更新するまでには至らず、岡のステージ優勝が決まった。

第1ステージ優勝は2007年の宮澤崇史(NIPPO・梅丹)、2013年の西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)に続く3例目となる。

リーダージャージを獲得した岡篤志(宇都宮ブリッツェン)リーダージャージを獲得した岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato

大会冠スポンサーのNTNから、ベアリングでクマを形取ったキーホルダーが贈られた大会冠スポンサーのNTNから、ベアリングでクマを形取ったキーホルダーが贈られた photo:Satoru Kato「今年一番の目標にしていたレースなので、初日から優勝出来て嬉しい。コンディションが良かったので、良いタイムが出せると思っていた」と話す岡。

「昨年まではノーブレーキで走れたが、今年は調子が良かったからかブレーキが必要だった。昨年よりも条件が良かったのか全体のタイムが速かったが、(3分)6秒台が出せるとは思っていなかった。窪木選手やオールイス選手が自分のタイムを上回れなかったので、これで勝てると思った」と、振り返る。

明日は個人総合首位の証「グリーンジャージ」を着てスタートすることになるが、「チームとしては明日から自分のリーダーを守ることには拘らないし、チームメイトに負担はかけたくないと考えている。個人的には京都ステージやいなべステージで上位に入ったこともあるので、着に絡めるようにしたい。天気予報が悪いので、落車しないように集団の前に位置取りして安全に走れるようにしたい」と、語った。
第1ステージ:堺 結果(大仙公園周回コース・個人タイムトライアル 2.6km)
1位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) 3分6秒69
2位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) +0秒59
3位 オールイス・アルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) +1秒33
4位 レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) +2秒84
5位 アダム・トーパリック(チェコ、チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー) +3秒62
6位 クリス・ハーパー(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン) +3秒89
7位 ペア・クリスティアン・ミュンスターマン(ドイツ、チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー) +3秒96
8位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +4秒07
9位 エイデン・トゥーペイ(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン) +4秒24
10位 ニコラス・ホワイト(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン) +4秒89
個人総合成績(第1ステージ:堺 終了時)
1位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) 3分6秒69
2位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) +1秒
3位 オールイス・アルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) +2秒
4位 レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) +3秒
5位 アダム・トーパリック(チェコ、チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー) +4秒
6位 クリス・ハーパー(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン)
ポイント賞(第1ステージ:堺 終了時)
1位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) 10p
2位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 9p
3位 オールイス・アルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) 8p
チーム総合(第1ステージ:堺 終了時)
1位 チーム・ブリッジレーン 9分31秒
2位 宇都宮ブリッツェン +1秒
3位 チーム右京 +4秒
text&photo:Satoru Kato in SAKAI
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