元プロロード選手、NIPPOヴィーニファンティーニで監督を努めた福島晋一がアジアの選手によるロードレースチーム「アジアサイクリングアカデミー」をスタートさせた。将来は世界で活躍できるチームと選手の育成を掲げ、アジア各国から選手を発掘し、活動を始めた。

ベトナムのレースを走り出したアジアサイクリングアカデミー。右端はメンターの中川茂さんベトナムのレースを走り出したアジアサイクリングアカデミー。右端はメンターの中川茂さん
福島晋一(左)と新城幸也(現バーレーン・メリダ)福島晋一(左)と新城幸也(現バーレーン・メリダ) 新城幸也(現バーレーン・メリダ)の才能を見出し、育てた「兄ちゃん」こと福島晋一。信州大学自転車競技部出身で、かつてエキップあづみの、ブリヂストンアンカー、チームバン、NIPPO梅丹、そしてベルギーのチームMarlux、マレーシアのトレンガヌ、韓国のクムサン・ジンセン・アジア等のプロチームで走り、世界、とりわけアジアのロードレースシーンに足跡を残してきたパイオニアだ。若手育成チーム「ボンシャンス」の代表であり、昨年はNIPPOヴィーニファンティーニの監督をつとめた。そんな福島がアジア基盤のプロチーム運営を開始する。

ボンシャンス・アジアサイクリングアカデミーと名付けられたそのチームのプロジェクトは、福島自身がタイやネパール、モンゴルなどアジア諸国を訪問して選手を発掘するところからスタート。かつてツール・ド・ランカウィを始めとしたアジアのレースで名を馳せた福島だけに、その人的コネクションを活かし、各国から選手の卵となつ若者を勧誘、所属選手として契約を結んできた。

かつてのライバル選手の故郷、モンゴルを訪問した福島晋一(右)かつてのライバル選手の故郷、モンゴルを訪問した福島晋一(右) アジア各国を訪問し、選手となる若手を発掘、勧誘してきたアジア各国を訪問し、選手となる若手を発掘、勧誘してきた


チームの所属選手は5月2日現在13人。選手たちの国籍はマレーシア、台湾、ネパール、タイ、香港、フィリッピン、モンゴル、ベトナム、そして日本と多彩。日本人としては古川裕真(ボンシャンス)、鈴木来人(伊那北高校出身・2018シクロクロス世界選手権日本代表選手)、門田祐輔(ESEG Douai / DN3)も所属する。またチームは現在ベトナムのステージレースを走っており、東京ヴェントス所属の藤田涼平もスポット参戦でレースを走っている。なおチームは現在も選手とスポンサーを募集中だ。

ベトナムのレースが初戦となったアジアサイクリングアカデミーベトナムのレースが初戦となったアジアサイクリングアカデミー
アジア圏のステージレースもツール・ド・ランカウィをはじめ年々レベルアップを果たしており、チームとしてアジア人から最高のレベルの選手を集め、育て、ヨーロッパに挑戦していくスタイルを取る。福島の構想では将来的にチームのワールドツアー昇格、ツール・ド・フランス出場までを夢見ているという。

チームについて詳しくはアジアサイクリングアカデミー公式サイトまで。また現在、5月19日から27日までベトナムのホーチミン近郊で開催される9日間10ステージの平坦系レース「VE NONG THON」のアンダー23のカテゴリー参加選手を募集中だ。

text:Makoto.AYANO