マレーシアでツール・ド・ランカウイ(UCI2.HC)が開幕。初日は序盤の逃げグループに入ったマーカス・カーリー(オーストラリア、チームサプラサイクリング)が集団を5秒振り切る劇的な勝利を挙げ、総合リーダーに立った。



マレーシアの首都クアラルンプールからツール・ド・ランカウイが開幕マレーシアの首都クアラルンプールからツール・ド・ランカウイが開幕 (c)CorVos
マレーシアを舞台にしたツール・ド・ランカウイ(UCI2.HC)が今年も開幕。「アジア最大のステージレース」と呼ばれるランカウイだがトーンダウンは否めず、今年は遂にワールドツアーチームの参加がゼロとなり、4つのプロコンチネンタルチーム(アンドローニ、ネーリソットリ、ガスプロム、バルディアーニ)と昨年優勝のアルチョム・オヴェチキン(ロシア)匹いるトレンガヌサイクリングチームなど16のコンチネンタルチーム、そしてナショナルチームが2と全22チームが参加中だ。

日本からは開催時期が1日重なったツアー・オブ・タイランドとの2チーム体制を敷いたチーム右京とインタープロサイクリングアカデミーのほか、日本ナショナルチームが参戦。8名の日本人選手が顔を揃えている。

8日間8ステージで争われる2019年度大会は山岳ステージが1つのみ。幾多の名勝負が繰り広げられてきた標高1699mのゲンティンハイランドを登る第4ステージが文字通りの山場だが、それ以降も終盤にカテゴリー山岳が用意されるため、総合争いが活発化しそうだ。

マレーシア国旗が翻る峠道を行くメイン集団マレーシア国旗が翻る峠道を行くメイン集団 (c)CorVos
マレーシアの首都クアラルンプールからタンピンを目指す第一ステージは、序盤から3級、2級、3級、3級とカテゴリー山岳が4つ登場するが、終盤40kmは平坦基調であるためスプリンター向け。しかしこの日は序盤から逃げたマーカス・カーリー(オーストラリア、チームサプラサイクリング)とブレンドン・ダヴィッズ(南アフリカ、オリヴァーズリアルフード)、アンガス・リヨンズ(オーストラリア、オリヴァーズリアルフード)、そしてソン・ヨンウォン(韓国、KSPOビアンキアジアプロサイクリング)が集団を出し抜くこととなった。

単独で逃げ続けるマーカス・カーリー(オーストラリア、チームサプラサイクリング)単独で逃げ続けるマーカス・カーリー(オーストラリア、チームサプラサイクリング) (c)CorVos
独走でフィニッシュするマーカス・カーリー(オーストラリア、チームサプラサイクリング)独走でフィニッシュするマーカス・カーリー(オーストラリア、チームサプラサイクリング) (c)CorVos
最大7分半のリードを得た逃げグループは快調に飛ばし、スプリンターを抱えるアンドローニジョカトリ・シデルメク率いる集団から逃げ続ける。最終盤にカーリーが単独となったが、残り2kmで20秒というわずかなリードを守りきり、5秒差で逃げ切り優勝を達成。わずかに追い上げ届かなかったメイン集団の先頭はトラヴィス・マケイブ(アメリカ、フロイズプロサイクリング)が獲った。

カーリーは中間スプリントでボーナスタイムを稼いでいたため、文句なしの総合首位に浮上。ツール・ド・熊野やツール・ド・北海道など日本レースに何度も参加している25歳が、マレーシアに拠点を置くチームサプラサイクリングに嬉しい1勝をもたらした。

ツール・ド・ランカウイ2019第1ステージ ステージ表彰ツール・ド・ランカウイ2019第1ステージ ステージ表彰 (c)CorVos
翌第2ステージは、再び後半60kmが平坦のスプリンター向けステージ。逃げ切られたリベンジに燃えるスプリンターチームが徹底的なコントロールを行うものと思われる。
ツール・ド・ランカウイ2019第1ステージ結果
1位 マーカス・カーリー(オーストラリア、チームサプラサイクリング) 4h20’40”
2位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、フロイズプロサイクリング) +05”
3位 クリント・ヘンドリクス(南アフリカ、プロタッチ)
4位 モレーノ・マルチェッティ(イタリア、ネーリソットリ・セッライタリアKTM)
5位 マイケル・フレイベルグ(オーストラリア、プロレーシングサンシャインコースト)
個人総合成績
1位 マーカス・カーリー(オーストラリア、チームサプラサイクリング) 4h20’27”
2位 ブレンドン・ダヴィッズ(南アフリカ、オリヴァーズリアルフード) +09”
3位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、フロイズプロサイクリング) +12”
4位 クリント・ヘンドリクス(南アフリカ、プロタッチ) +14”
5位 モレーノ・マルチェッティ(イタリア、ネーリソットリ・セッライタリアKTM) +18”
ポイント賞
1位 マーカス・カーリー(オーストラリア、チームサプラサイクリング) 21pts
2位 ブレンドン・ダヴィッズ(南アフリカ、オリヴァーズリアルフード) 15pts
3位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、フロイズプロサイクリング) 14pts
山岳賞
1位 アンガス・リヨンズ(オーストラリア、オリヴァーズリアルフード) 26pts
2位 マーカス・カーリー(オーストラリア、チームサプラサイクリング) 18pts
3位 ソン・ヨンウォン(韓国、KSPOビアンキアジアプロサイクリング) 11pts
チーム総合成績
1位 チームサプラサイクリング 13h02’10”
2位 ガスプロム・ルスヴェロ +05”
3位 プロレーシングサンシャインコースト
text:So.Isobe
photo:CorVos

最新ニュース(全ジャンル)