石畳や急坂が登場したドリダース・ブルージュ〜デパンヌ(UCIワールドツアー)は集団スプリントに持ち込まれ、ガビリアやヴィヴィアーニを軽々抑えたディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が今季5勝目を飾った。



ドゥクーニンク・クイックステップのナショナル王者3人(ヴィヴィアーニ、ユンゲルス、モルコフ)ドゥクーニンク・クイックステップのナショナル王者3人(ヴィヴィアーニ、ユンゲルス、モルコフ) (c)CorVos準備を整えるフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)	準備を整えるフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos

ブルージュのマルクト広場をスタートするブルージュのマルクト広場をスタートする (c)CorVos
ドリダース・ブルージュ〜デパンヌは、2017年まで「ブルージュ〜デパンヌ3日間レース」として長期開催されていた歴史ある大会だ。昨年のワンデー化に伴いレース名を変更し、その名の通りベルギー・フランドル地方のブルージュからデパンヌを目指すスプリンター向けのクラシックレースに変貌を遂げた。今年からワールドツアー昇格を果たしたことで、より多くのトップチームが参加(昇格初年度であるため全ワールドチームの参加義務無し)することとなった。

レース中盤にはケンメルベルグなど合計11箇所のパヴェ/急坂区間が用意されているものの、ロンドやルーベほどの難易度ではなく、後半はほぼフラット。昨年優勝者のエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)など、先週末のミラノ〜サンレモで苦汁を嘗めた面々や、好調を維持しているドイツ王者パスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)らスプリンター陣がリベンジを狙った。

1998年から2016年までロンド・ファン・フラーンデレンのスタート地点であったブルージュのマルクト広場をスタートすると、この日は序盤から6名の逃げが決まった。逃げメンバーはスタン・デウルフ(ベルギー、ロット・スーダル)、ヤシャ・ズッタリン(ドイツ、モビスター)、ジミー・ヤンセンス(ベルギー、コレンドン・サーカス)、センヌ・レイセン(ベルギー、ルームポット・シャルル)、アドリアン・ガレル(フランス、ヴィタルコンセプト・BBホテルズ)、マティス・パーシェーンス(オランダ、ワロンヌ・ブリュッセル)。最大5分程度のリードを得たエスケープを、スプリンターチームがじわりと追い上げていく展開が続いた。

ラスト1周、チームスカイがペースアップラスト1周、チームスカイがペースアップ (c)CorVos
集団内で走るディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)集団内で走るディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) (c)CorVos最終盤の落車に巻き込まれたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)最終盤の落車に巻き込まれたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos


「今日は自分、もしくは(フレデリック)フリソンが逃げる使命を担った。何度も何度もトライして、実際決まる時はあっさりだったんだ。最終盤まで6名全員が団結して、およそ190kmを逃げた。僕の出身地付近だったことで何度も名前を呼ばれたし、一生記憶に残るワールドツアーレースでの初逃げだったよ」と、今年からロット・スーダルに正式加入した21歳のデウルフは語っている。

メイン集団では残り20kmを切ってチームスカイが横風分断狙いのペースアップを開始したが、ドゥクーニンク・クイックステップの徹底マークによって不発に終わる。そして残り11km、ナーバスな状態の集団が狭路に差し掛かった際、集団前方の選手が路肩に落ちたことを発端にした集団落車が発生した。

集団前方での落車によって、アッカーマンやイェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル)など各チームのスプリンターが路面に叩きつけられリタイアとなってしまう。落車を回避し、あるいは追走グループを形成して追いついたおよそ50名が、逃げグループを飲み込みつつ集団スプリントに向けて突き進んだ。

最終盤に列車を組み上げたのはチームスカイ。クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー)が好位置につけたが、ヴィヴィアーニを従えた名手ミケル・モルコフ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)が冷静に先頭に立ち、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)を抑えながら残り175mでヴィヴィアーニをリードアウト。イタリア王者が必勝体制に持ち込んだように見えた。

フェンス寄りのラインからディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が伸びるフェンス寄りのラインからディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が伸びる (c)CorVos
今季5勝目を挙げたディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)今季5勝目を挙げたディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
しかしヴィヴィアーニは伸びなかった。左からガビリアが伸び、その更に左側フェンスギリギリからフルーネウェーヘンがリードを奪った。ラスト300mでポジションを落としていたにも関わらず、加速するガビリアのスリップストリームを利用して最前線に上がり、悠々と先頭に立ったフルーネウェーヘンが余裕の勝利。ミラノ〜サンレモのリベンジをこのデパンヌで晴らすこととなった。

ドゥクーニンク・クイックステップによるワンデーワールドツアーレース連勝をストップさせたフルーネウェーヘン。「最終盤がテクニカルなレイアウトだったのでチームとしてまとまるのが難しかった。最終コーナー手前で既に(位置取り争いの)スプリント状態だったんだ。自分も行き場を無くしてしまったけどチームメイトが上手く導いてくれた。屈指のスプリンターが集う中で勝てたので自信にも繋がるよ」と、レースを振り返っている。

ドリダース・ブルージュ〜デパンヌ2019表彰台ドリダース・ブルージュ〜デパンヌ2019表彰台 (c)CorVos
今日争いあったフルーネウェーヘンやヴィヴィアーニ、ガビリアは今週日曜日開催のヘント〜ウェヴェルヘムで再び相見える予定。ミラノ〜サンレモ2位のオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)やアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)といった豪華スプリンターが加わるほか、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)、グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、CCCチーム)、セップ・ファンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト) 、ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)、ニキ・テルプストラ(オランダ、ディレクトエネルジー)といったクラシックスペシャリストが多数集結。

シクロクロスの新旧王者、マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)とワウト・ファンアールト(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)も再び顔を合わせる。

ドリダース・ブルージュ〜デパンヌ2019結果
1位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 4h36'32"
2位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
4位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)
5位 ジャスティン・ジュール(フランス、ワロンヌ・ブリュッセル)
6位 クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チームスカイ)
7位 ヨナス・ファンヘネヒテン(ベルギー、ヴィタルコンセプト・BBホテルズ)
8位 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット)
9位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ディメンションデータ)
10位 マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
text:So.Isobe
photo:CorVos

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